フルネームで「アイゼクト・ヴィルノイズ」
グルッペン城に併設されている王立図書館の司書長を任せられている老人。
優れた知性と豊富な知識量持ち、賢王と呼ばれ讃えられるマグナス・ローゼンクランツすら一目置いている。
なお、原作であるSuccubus Questでは名前すら登場しない。
物語冒頭では賢王マグナスの命の下、夢魔に関する情報を歴史や書籍から収集している。
しかし、本人は「くだらん」の一言でその存在を一蹴し、国王を若造扱いした。
なかなかに気難しい性格のようである。
そして補佐役の秘書メルヤが部屋を出ていき、まどろみに包まれる中で彼は夢に引き込まれる。
夢魔に囚われたアイゼクトは少年の姿に変えられてしまった。
積み重ねてきた知識や知恵はそのままに、肉体や精神は女性を知らない思春期のもの。
少年に戻された彼は、キスひとつおぼつかず、魔物たちの誘惑に翻弄されていく。
...
若返り、強烈な性欲を与えられ、時には少女に変えられ、周りに居るのは話を聞かない人と魔物ばかり。
本当に夢に溺れたくなりそうな中でも、彼は現実に帰るべく進んでいくことができる。
しかも、身体は若くされていても頭脳は老獪な司書長のそれ。
夢を夢と理解して、戦いや物語を明晰夢として、自らの望む展開に改竄することで夢魔に立ち向かってゆく。
時には説得し、叱咤し、騙し、ねじふせて魔物や勇者たちを味方に抱き込んでいくその姿は、英雄譚で語られる主人公の像とは一線を画している。
色々と歪んでいるものの、羨ましいほどカッコイイじいさんなのだ。
また、社会に出てからはその容姿と実力から色々と経験を積んだ様子ではあるが、少年時代は他者との付き合いが乏しかったような描写がされている。
少年の身には過ぎた知性が彼に屈曲した思春期を過ごさせ、その複雑な内面が夢魔エスト・モルンの目に止まる。
彼がどういった物語を辿るのか、ぜひ読み進めて、選択してほしい。
ファン向けの情報として、
・彼の英語表記である「Ayxect」が「extacy」のアナグラムであること
・歌劇のような語りはライティング担当のcivmit氏の嗜好で作品全体がそうなっていること
をここに併記しておく。
徐々に忘れられ、web上の情報も風化していく中、一人でも思い出してくれる人がいたら嬉しい、そう思い、ここにまとめました。
>Wish
>>忘れたくない