概要
…とはいってもドンパチをするためのものではなく、要するに「移動式キッチン」である。
小型の牽引式車両に灯油バーナーを熱源とする炊飯器やかまどを搭載したものである(このため「炊事車」とか「炊飯トレーラー」とか呼ばれることもある)。
ちなみに炊飯器は一度に600人分の米飯を炊き上げることが可能である。すげぇ。
移動しながら(走行中)でも炊飯することは一応可能だが、推奨はしないとのこと。
炊飯器の他に同じく灯油バーナーを用いたかまどを装備しており、主菜の調理も可能ではあるが灯油バーナーは非常に火力調整が難しく、微妙な火加減を要求される炒め物や焼き物は不得意とのこと。逆に煮物や汁物、レトルト食品の加熱にはめっぽう強いらしい。
その他には圧縮空気で稼働する野菜カッターも搭載している。このカッターの動力源となる圧縮空気は通常はガソリンエンジンで駆動するコンプレッサーで供給されるが、エンジンが不調となった場合は外部からの圧縮空気供給でも稼働させることが可能となっている。
ちなみに圧縮空気源は自転車用の空気入れでもOKとのこと。
現在、改良型の野外炊具1号(改)、野外炊具2号(改)、2号(改)の民間型である炊事ユニットK-1が登場している。
陸自で最も実戦を経験した装備品
野外炊具1号は概要のところでも触れたとおり、恐らく陸自で最も実戦に参加したであろう装備品である。
災害発生時などの炊き出しには600人分の米飯を炊ける能力を遺憾なく発揮し、被災者の胃袋に温かい支援を行っている。
新潟県中越地震の際には新潟スタジアムの駐車場に100台以上の野外炊具1号が集結し、炊き出しを行った。
余談
Wikipediaの記事は明らかに実際にこいつを使った奴が書いたとしか思えない部分がある。2013年12月現在では比較的おとなしめの記事になっている(それでも野外炊具1号に対する不満や恨みつらみらしきものが垣間見れる文章が所々にあるが)ものの、かつては今より遥かにディープでしかも詳しい取り扱いが書いてあったり不満を書き連ねていたりとものすごい状態になっていた。