ガンダムMk-Ⅴ
がんだむまーくふぁいぶ
機体解説
連邦軍の北米オーガスタ研究所で開発された試作型MS。型式番号ORX-013。通称G-Ⅴ(ジー・ファイブ)。サイコガンダムを小型化した機体といわれている(量産型サイコガンダムから発展したという説がある)が、共通点や裏付けとなる資料に乏しく、詳細は不明。
グリプス戦争当時、オーガスタ研究所は他の研究所と同様に当時最新鋭の研究分野であったニュータイプ関連の研究に取り組んでいた。
そんな中、一般人の乗る機体でもニュータイプや強化人間のようなオールレンジ攻撃に近い戦法を可能にする準サイコミュ武装としてインコムが開発される(開発に際し、オーガスタ研究所はティターンズの主導によりムラサメ研究所から技術の供与を受けたとされる。この際にサイコガンダム系の有線サイコミュ兵器が参考にされた可能性もある)。このインコム・システムはオーガスタ研究所開発のガンダムMk-Ⅳに試験的に搭載されたが、その後継機である本機には主力兵装として背面に2基装備されている。
ただ本機は『ガンダム』の名を冠してはいるが、機体の構造やフォルムは独特で、過去のガンダムタイプのMSと通ずる部分は非常に少ない。これは『ガンダム』の名を新システム(本機の場合はインコム・システム)の喧伝に使うという、当時の連邦軍内における常套手段である。
ティターンズの要求により開発が進行したが、ロールアウトを前にエゥーゴが連邦軍を掌握し、そのまま連邦軍によって開発が続行された。全3機が試作され、その内の1機が「ガンダムセンチネル」劇中において連邦軍教導団青年将校による反乱組織・ニューディサイズにより実戦投入される。本来はガル・グレーとマルーンで塗装されていたが、ニューディサイズの手に渡ってからは”ニューディサイズ・ブルー”とも言うべき濃青色にリペイントされている(余談ながらこの青、いわゆるティターンズ・ブルーとも色調の違う独特の青である)。
バック・パックに装備されているビーム・サーベルは、ムーバブル・フレームでの可動によりビーム・カノンとしての使用も可能である。また、専用シールドには大型スラスターが内臓されており、増速用ブースターとしても使用される。尚、専用のビーム・ライフルが開発されていたものの、ニューディサイズの手には渡らず、他のライフルによって代用された。
パイロットはニューディサイズの首魁であるブレイブ・コッド大尉。
なお、試作機3機のうち別の1機はアクシズに忠誠を誓ったムラサメ研究所のローレン・ナカモト博士の手引きによって、インコムの技術やノウハウと共にネオジオン軍へともたらされ、ドーベン・ウルフの原型になっている。
劇中での活躍
ニューディサイズ討伐隊の増援としてブライアン・エイノー提督の指揮する本星艦隊に秘匿名称”G”として配備されたが、エイノー提督が艦隊ごとニューディサイズ側に寝返ってしまったため、皮肉にも本機は討伐される側の反乱軍・ニューディサイズに手土産として供与されてしまう。
「優れたパイロットとMSの組み合わせは大局をも変えられる」という思想から、教導部隊のパイロットでもあったニューディサイズ首領ブレイブ・コッドが本機を駆り、本拠地ペズンを失ったニューディサイズの受け入れを行った月面都市エアーズ市の防衛戦に参加。ネロ3個小隊(サラミス改級巡洋艦1隻分の戦力)をインコムにより一瞬で消滅させ、同じく『ガンダム』であるFAZZ隊の3機に対しては、襲い掛かるミサイル弾幕を喰いしばった奥歯が砕けるほどのGがかかる急制動で回避し、接近戦に持ち込んで全滅させるなど、多数の討伐隊MSを撃破しその実力を遺憾なく発揮した。
しかし、度重なる出撃によってインコムの制御系が不調に陥り、エアーズ市の整備士では充分な修理ができず、代替武装として肩部にマイクロ・ミサイル・ランチャー(散弾射出弾頭)が装備される。
最後は、月面上でリョウ・ルーツの搭乗するEx-Sガンダムと対決し(奇しくもこの対決はオーガスタ研製ガンダムvsアナハイム社製ガンダムという構図でもあった)、圧倒的な技量で追い詰めたが、ALICEシステムが覚醒したEx-Sガンダムに撃破される。
余談
デザインはドーベン・ウルフの初期稿をリファインする形で行われており、設定もそれに準じた物となっている。当初のデザインではもっと『ガンダム』然とした顔だったのだが、主役機であるSガンダムの敵に回るということで、より悪役然とした顔に書き直された。尚、当初の顔デザインはクイン・マンサに流用されている。
また急遽後付けされた、という設定の肩部マイクロ・ミサイル・ランチャーは本来のデザインには存在しなかったため、フォトストーリーに使用された模型でも設定と同じく本当に急遽後付けされた。