概要
本来、著作物の作者というものは「それを作った人」を指す言葉である。しかし、この場合「作者が著作物すべてを作ったわけではなく、ほかの人が作成したこともある」ということが多々発生する。そして、「ほかの人」が「名前を出さない」あるいは「協力、アシスタント、編集者として名前が挙がる(実はそれは名ばかりで作品の内容のほとんどを作成)」というばあい、こう呼ばれる。
本業の作家や研究者が作品のすべてをゴーストライターに代筆させるのは、盗作並みのタブーである(取材の代行、作品の骨組みの作成や添削などでは行われるようである)。
また、文章を書くことを本業としない俳優やアスリートといった人々の作品を用意するにあたっては出版社の意向で広く用いられてきたようである(実際に彼らを使わずに本人に著述させると「一般人にまったく理解不能」という作品が出来上がってしまうため)。
その他、放送業界や音楽業界など、ゴーストライターの活躍が噂される局面は数多い。しかし、これらの行為は公言できるような質の行為ではないため、表に出るケースは全体のごく一部である。
ウィキペディアの「ゴーストライター」の項目で出典つきで挙げられている人物の中には超のつく有名人も含まれており、見た人は驚くかもしれない。
なぜ行われるか
このような行為がなぜ行われるかに関しては、以下の状況が考えられる。
- 著作者が多忙である
通常その作者が有名になると仕事の発注が増え、「決められた時間内に一人ですべての作業をこなす」ということは不可能となる。
そのため、「仕事を手伝う人」というものが必要となってくる。場合によっては「すべてを他人に委託し、名目上の作者はアイディアを出すことや監修のみを行う」という形式で行うことになる。
- 著作者ができないことをやっている
たとえば、文章を書くことが本業ではない人に原稿用紙数百枚分(単行本1冊分)の文章、しかも一般人が読むことを前提としたものを記述するということは苦行か拷問である。そのため、「ある程度作者記述したものを清書」したり、「アイディアを出してもらって代筆」したりする人などが必要となってくる。
- 仕事の下請け
無名な作者には仕事は来ないが、有名な作者には仕事が断らなければいけないくらい来るということは往々にしてあることである。そこで、有名な作者の仕事として受け、無名な作者に仕事を丸投げしたり、双方納得の上で代作したりしてしまえば、双方ともにメリットがでる(有名作者は仕事を断らずに済み、無名作者は仕事ができる)。
問題
著作物は「その人が行った」ということにより価値を持つ場合があるため、「別の人が作ったものでした」ということが分かった場合、(名目上の)著作者に傷がつく場合が存在する。
また、(名目上の)著作者は、ゴーストライターの仕事に責任を取らなければならないことにも注意が必要である。
これらの作業を行った場合、著作権の設定、金銭の問題や事実の公表など当事者同士きちんと契約を交わし、後に問題とならないようにしなければならない。
関連タグ
ゴーストライダー - 一文字違いだがまったくの別物