概要
1967年11月19日放送に放送されたウルトラセブン第8話。
実相寺昭雄のウルトラセブンにおける初監督回。
主人公モロボシ・ダンとちゃぶ台を挟んで座るメトロン星人で有名なエピソードである。
あらすじ
北川町では、町の人々が突然狂うかのように暴れ、事故と事件が多発していた。
警察に連行され、取調べを受ける加害者達は、自分達がやっていたことを全然覚えていなかった。
だが、彼らには共通点があったそれは、駅前の売店でタバコを買った喫煙者であること。
ウルトラ警備隊は捜査を開始するが、パトロール中に購入したタバコを一服したフルハシとソガが本部内で暴れ始めた。しかし、二人は突然気を失ってしてしまった
モロボシ・ダンは二人が吸ったタバコをほぐすと、謎の赤い結晶が入っていた。
キリヤマ隊長は、その結晶をすぐに科学班にまわした。
ダンと友里アンヌは、彼女の従兄弟ヒロシの証言から喫茶店の窓から駅前の自動販売機を監視した。
一方 本部では、科学班によって謎の赤い結晶の正体がわかった。
吸った者は全部、敵に見え感情を失って凶暴化してしまう恐るべき宇宙芥子であった。
喫茶店で監視中のダンとアンヌの前に、販売機にタバコを補充する黒服の男が現れた。
二人は男の後を追うと、男は古びたアパートへ入っていった。
ダンは、アンヌを待機させ、一人でアパートに潜入した。
一番端の部屋に入ったダンの前に宇宙人が待っていた。
この宇宙人こそ、今回の事件の張本人幻覚宇宙人メトロン星人であった。
ダンとメトロン星人はちゃぶ台を挟みながら座ると、星人は計画を語った。
「教えてやろう。
我々は人類が互いにルールを守り、信頼しあって生きていることに目をつけたのだ。
地球を壊滅させるのに暴力をふるう必要はない。
人間同士の信頼感をなくせばよい。
人間たちは互いに敵視し傷つけあい、やがて自滅していく。どうだ?いい考えだろう。」
話の最後に、メトロン星人は邪魔者のモロボシダン…いや、ウルトラセブンを自身の宇宙船で宇宙ヘ追放しょうと企んだ。
ダンはすぐにウルトラアイを取り出し、ウルトラセブンに変身した。
夕焼けの下町を舞台に、ウルトラセブンとメトロン星人の戦いが始まった。
アンヌの要請によって、ウルトラ警備隊が出動。
ウルトラホーク1号の攻撃で星人の宇宙船が破壊された。
追い詰められたメトロン星人は逃走を図るが、ウルトラセブンのアイスラッガーによって切り裂かれエメリウム光線を受け爆発した。
戦いに勝利し、夕陽に立つウルトラセブン。
最後、このナレーションで幕を閉じる。
「メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。
人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。
でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです…。
え?何故ですって?
我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから…」
余談
- 劇中のクラシック音楽は全て冬木透が書いたオリジナル。
- ちゃぶ台シーンで流れる音楽の曲名は「SEVEN'S CHAMBER MUSIC」
- メトロン星人があぐらかいて座るシーンは実相時監督とスタッフが爆笑したらしい。
- 最後のナレーションの部分は脚本にはなかったが、実相時監督が加えた。
- 『ウルトラマンマックス』第24話「狙われない街」はこの回のオマージュになっており、この回に登場したメトロン星人の同一人物が登場する。