羽生結弦の2014-15シーズンのフリープログラムとしての「オペラ座の怪人」を描いた作品を見やすくまとめるために便宜上作ったタグである。
但し羽生が負傷している中国杯での「流血のファントム」は別枠として扱う。
「NHK杯」出場
「中国杯」での事故後ようやく氷の上に乗ったのは事故から10日後のことだった。
この時の状況を「絶望しました。「ダメだ」と思いました。初めて「諦める」ことを考え、「NHK杯」には出ないと親に言いました。」とNHK杯フリーの翌日に受けたインタビューで明かしている。
それでも出場を決断した理由を「課題を克服するチャンスを与えられた。こんなに恵まれていることはないです。立ちはだかる壁や課題はいっぱいあるけど、それを乗り越えたら絶対その「上」があるので。」と語った。
「NHK杯」の闘い
演技構成を落とす(それでもほぼ2013-14シーズンと同レベルの鬼構成である)選択を取ることで、開催2日前に「NHK杯」に挑む選択を下した羽生だったが、最終的に5日ほどの練習しかこなせず(最初の2日間はスケーティングのみ)衣装の下は全身テーピングを施した状態で、1回も通し練習無しのぶっつけ本番で臨むことになった。
復調には程遠い演技で総合4位となったが、2戦を戦って得た合計22ポイントにより「グランプリファイナル」の出場が6位で決定した。
苦い復帰戦となった「NHK杯」については、以下のようにコメントしている。
「ここまで惨敗したのは小学生以来です。泣いたし、悔しくて悔しくて眠れなくてうなされました。怪我の影響だと思われるかもしれないけど、これが今の実力です。」
ちなみに「中国杯」で着用した赤と黒の衣装は、血の染みが取れなかったため「NHK杯」では白と青を基調とした新衣装に変更となった。
pixivには包帯の無い状態での旧衣装姿を描いたイラストも多数投稿されている。
この衣装が今後競技に使われるかは、現時点では不明である。
そして「グランプリファイナル」へ
流血の「中国杯」から約一ヶ月後。
まだ100%回復したとは言えない状態ながらも、オーサーの用意した特別トレーニングメニューで「かつてない追い込みをかけた」という羽生は、2014年12月11~14日にスペインのバルセロナで開催された「グランプリファイナル」に最下位の6位で出場。
そのため1番滑走となったショートプログラムで94.08点(その時点でのシーズン世界最高得点)をマークして首位に立ち、翌日のフリープログラムは最終滑走で臨むこととなった。
フリーでは自己ベストを更新する194.08点を叩き出し、合計288.16点で圧勝。
日本人男子初となるグランプリファイナル連覇を達成した。
また、五輪チャンピオンがその年のファイナルで優勝するのは史上初である。
一ヶ月にわたり物議をかもし話題をまいた「流血のファントム」の演技、および薄氷を踏むように勝ち進んだグランプリシリーズの闘いだったが、最終的に羽生が圧勝による連覇を成し遂げたことで、「不屈の王者」の復活劇として賞賛のうちに締めくくられることとなった。
外部リンク
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