ゲーム概要
FC版の方が知名度が高いためあまり知られていないが、元々はアーケードゲームとしてリリースされており、ファミコン版はその移植に当たる。
百姓一揆が題材であるにも拘らず立ち上がるのはたった2人だとか、自動追尾式なため思うように当てられないデフォルト装備の鎌、取ると前方にしか攻撃できなくなり弱体化する攻撃アイテム竹槍など、難易度はそこそこ高く、ネタにも事欠かない。
その後、携帯アプリやFC版のPC移植などを経て、なんとPS3のダウンロード専売用コンテンツとして2009年に復活した。
グラフィックをFC版のオールドタイプ・新しく書き換えられたリニューアル版の2種類から選択できる他、最大12人のオンライン対戦が可能な点が最大の売りとなった
また2011年3月8日にソーシャルゲームサイト「モバゲータウン」にて、本作を題材にしたソーシャルゲーム「いっき~みんなで米騒動~」が配信された。
そして2013年には、「いっき THE LEGEND OF TAKEYARI MASTER」というバカバカしいタイトルでノベライズが決定。超イケメン化した権兵衛(権べ)と、田吾の愛娘・タエが悪代官に戦いを挑む、というもの。
本作では一介の農民がなぜ忍者と互角に渡り合えるのか、という最大の疑問に納得の行く形で理由付けが試みられている(そのあたりに関しては、FC版の原作となるAC版にのみ登場しているあるアイテムが関わっている)
こういう流れがある当たり、プレイヤー側にも公式側にも愛されているクソゲーといえるだろう。
アーケード版について
オリジナルのAC版について一言補足しておくと、コミカルな演出に適度な難易度と戦略性を持ち合わせた楽しく遊べる良作であり、そこまでく貶されるような酷い出来栄えでは決して無い。
デモ画面における代官と農民たちのやり取りが実にシュールかつコミカルで、バカゲー的な要素を含んでいるが、操作性はこちらの方が上であり、アイテムの種類、敵などの豊富さもファミコン版を上回っている。
ファミコンはアーケード基板に比べて容量がはるかに少ないため、アーケードからの移植には少なからず劣化せざるを得ないという事情があった。本作のファミコン版もまた、限られたスペックでグレートダウンせざるを得なかった結果、本質的な面白さが伝わりにくくなり、AC版がもとから持っていたコミカルかつおバカな持ち味が、ネタとして過剰な取り上げられ方をしてしまった。そのため、結果的にクソゲー呼ばわりされるはめになってしまったのである。
現在はAC版もバーチャルコンソールで配信されているため、ファミコン版とはまた一味違う「いっき」を、ぜひとも味わってもらいたいものである。
余談
同社の「アトランチスの謎」では主人公のウィンの師匠として本作の主人公である「権べ」がゲスト出演している。