アニメ艦隊これくしょんの第3話で起こった悲劇の後、一体どう話を持っていくのか注目された第4話。
視聴者ならこの言葉だけで全てを察していただけるのではないだろうか。
はっきり言って、かいつまんで言うと言葉のとおりである。
ただ、元々構成難易度が高く扱いが難しいストーリー構成だった上に少々乱暴な展開だったためにメイン画像の天龍のように心がついていけなくなったり、そもそも理解不能状態に陥って置いてきぼりを喰らった視聴者も少なくない。
元々あの悲劇は評価が割れる要素だったのだがこれによって轟沈をアニメに取り入れることに否定的な視聴者はもとより、容認派からも作り込みが甘いと苦言を呈されることとなった。
また、その漫才に当たる金剛型四姉妹と島風達のやりとりに関しても批判が噴出し、「あの子達はあそこまで不謹慎じゃない」とか「こんなのキャラ崩壊だ」と見なす声も一部で上がっていた。
一応、無理矢理にでも士気を高めるために誰かが憎まれ覚悟で道化を演じるというストーリー自体は珍しくはないが、不快感を抱かせやすい描写を前後のフォローで名シーンに昇華させるという性質上その構成難易度はかなり高く、一歩間違うとこのような批判の元となり作品自体の評価に傷を付ける結果となる。
そのため基本的に丁寧に作り上げる、技量不足や尺不足などの理由から丁寧に書ききれないならそもそも使用を控えるのが半ば常識となっていたが、このアニメの場合、フォローが足りないのどころか、そもそもその部分のフォローがなかったために(ほとんど視聴者の想像に丸投げされてしまった形)、一部では「丁寧に書ききる土壌もないのに手を出した結果、見事に滑って第三話の傷を塞ぐどころか却って傷を広げる結果となったのでは?」という意見もある。
更には、それ以降ほぼ全員が如月の死を吹っ切ったように描写されている(睦月に関しては第十話で如月の話題が出た際に大粒の涙を流していたが……)が、それまでの過程があまりにもあっさりしすぎていたために結末ありきの出来レースのようにうつってしまい、以後のストーリーを素直に楽しめなくなってしまった視聴者も少なくない。
なお、如月の死に関しては「ストーリー的にちゃんとした意味を持たせている」というアナウンスこそあったが、結局最後まで取り立てて場を盛り上げるようなことはなかった。(上記の睦月の反応以外にはちょこっとその手の話題が出てきた程度)
ちなみにトップのイラストシリーズもアニメ第2話までは天龍が自分が出るかでないかで一喜一憂するだけの他愛もないマンガだったのだが、第4話以降はしばらく投稿が止み、そして第7話放送後に投稿されたものが、天龍と龍田の存在が大淀のセリフで証明された事を挙げるよりも先にまた艦娘が大破し、生死不明になった展開を嘆く話というこれまた重いネタだったりと、第3話の事件がいかに視聴者のアニメを見る目を変えてしまったかがよく分かる例と言えるかもしれない。
ちなみに、第3話のイラストも「展開が急すぎるあまり理解はできるが心が追いつかない」と悲鳴を上げる内容となっている。
余談
あくまでアニメを見ていた層全体としての4話の感想は「賛否両論」であり(やや否よりではあるが)、もちろん4話が好きだという人も存在する。
ただ、批判派の意見として「ギャグとシリアスを混ぜるな」という物も多い。つまり「ギャグシーン単独としてみれば面白いのだが、何故このタイミングでギャグシーンを入れたのか」と言う話である。
無論、ギャグとシリアスが頻繁に混ざる作品は「ジャングルの王者ターちゃん」や「銀魂」等のアニメ、また「よしもと新喜劇」等の演劇にも普通に見られる手法であり、珍しいものではないが、これらの作品はシリアスが茶番化しないように、ギャグとシリアスの切り替えタイミングをきちんと考えて作られている。
例えば銀魂の場合、大規模なシリアス展開は中編として作られ、その間にギャグが入る事はほとんどない(有っても、緊張を解すための息抜きや、シリアスを引き立てるための緩急)。そして、シリアス編をきちんとハッピーエンドで終了させ、一段落してから、平時のギャグ回へと回帰していく訳である。
しかし本作は、如月轟沈に対するフォローが全く無いままに、ギャグ展開に突入してしまった。
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