概要
世界各地の伝説に登場する、超古代の異端技術によって作られた結晶。
現代の技術では製造不可能で、遺跡から発掘される物は破損が激しい欠片の状態のものが大半を占めており、従来の力を遺した物はほとんど存在しないが、損傷が少なくほぼ完全な姿を保っているものは「完全聖遺物」と呼ばれるものが僅かに存在する。
聖遺物を加工した物が『シンフォギア』と呼ばれるFG式回天特機装束である。
通常時は力を発揮しない基底状態にあるが、聖遺物の力を引き出す素質を持つ者=適合者による歌によって、『アウフヴァッヘン波形』と呼ばれる固有の波形パターンと共に起動し、励起状態となってその力を解放することが可能となる。
また、損傷が少なくほぼ完全な姿を保っているものは『完全聖遺物』と呼ばれており、一度起動すれば、適合者の歌を必要とせずとも常時100%の力を発揮するのが特徴である。ただし起動には相応量の『フォニックゲイン』と呼ばれるエネルギーが必要であり、これを満たすには適合者が長期間の努力を試みる必要がある。
天羽々斬やガングニール、イチイバルなどは番号を付けられた「ナンバリングギア」と呼ばれ、ソロモンの杖や神獣鏡、ネフィリムなどの番号がないものは「ノーナンバリングギア 」と呼ばれる。
聖遺物一覧
特異災害対策機動部が管理している第1号聖遺物。刀身の一部のみが欠片として残されており、シンフォギアへと再構成して力を発揮する。現在の装者は風鳴翼。
フィーネが管理している第2号聖遺物。識別コードは「Ichii-Bal」。シンフォギアへと再構成して力を発揮する。現在の装者は雪音クリス。第二次世界大戦時、ドイツからガングニールやネフシュタンの鎧と共にもたらされたものだが、本編10年前に二課設立と前後して失われた。その後は経緯は不明ながらもフィーネの手に渡り、クリスへと授けられた。
特異災害対策機動部が管理している第3号聖遺物。識別コードは「Gungnir」。穂先の一部のみが欠片として残されており、シンフォギアへと再構成して力を発揮する。
第二次世界大戦時、ドイツからイチイバルやネフシュタンの鎧と共にもたらされた経緯がある。
本編の2年前までは天羽奏が装者であったが、ライブ会場の惨劇により、奏のギアの破片が立花響に受け継がれたことに加え奏が戦死したことで、現在は響が装者となっている。なお破片は徐々に響の体組織を侵食融合しており、響と聖遺物を同次元の存在におきつつあり、システムを起動するごとにガングニールの侵食が進んでいるため、加速度的な身体機能・回復力の強化に加えて、正規適合者をも凌ぐ融合係数を獲得、完全聖遺物「デュランダル」も単独で起動させるという、爆発的なエネルギー生成・放出能力を持つ反面、暴走してしまう面を持つ。
また、これとは別の欠片がF.I.S.の手に渡り、マリアが装者となっている。
フィーネが管理している第4号聖遺物。識別コードは「Nehushtan」。適合者によって起動すると、無限の再生能力を持つスケイルメイルとなる。
完全聖遺物であるため単体でその力を行使することが可能であり、装着することで飛行能力と絶唱にも耐え得るほどの防御性能を発揮する。また両肩部には無数のトゲを備えた突起が武装として搭載されており、この突起を伸長することで鞭や剣として扱うことができる。そして先述の通り、その最も大きな特性は無限の再生能力であり、多少の損壊はおろか完全に粉砕された状態であろうが何度でも復元する。一方で鎧が粉砕され装着者が負傷した場合、ネフシュタンの組織が装着者の傷口に侵入したまま再生し、装着者の肉体を食い破り乗っ取ってしまうという危険性がある。鎧を装着させていたクリスが負傷した際には、電流で侵入した破片を休眠させた後除去するなどの対応策をとっていた。
元々は第二次世界大戦時、イチイバルやガングニールと共に、ドイツから日本へもたらされたものであり、本編の2年前までは特異災害対策機動部が管理していた。起動実験にはツヴァイウイングのライブ形式を模し、観客によって奏と翼の力をさらに引き上げる方法をとる方法が採用された。結果一応の起動成功を収めるも、エネルギーを制御できず暴走し、同時に起こったノイズ発生事故に紛れて行方不明となり、フィーネの手に渡る。
当初は聖遺物に肉体をのっとられかねないことを危険視していたフィーネだったが、生体と聖遺物との融合症例である響が登場したことによって、肉体と鎧との融合を促進する方向へ転換することとなり、強襲してきた米国実行部隊からの被弾を機に自身とネフシュタンの鎧を融合させた結果、肉体を両断されても復元できるほどの再生能力を獲得した。
フィーネとの最終決戦では、フィーネが『黙示録の赤き竜』へ変貌する際に使われるが、デュランダルを奪還され、響が放つ『Synchrogazer』を受けて、「完全聖遺物同士の対消滅」によりデュランダルと共に完全消失した。
特異災害対策機動部が管理している第5号聖遺物。「サクリストD」とも呼ばれる完全聖遺物。
起動前はくすんだ色の両手剣を象っていたが、起動すると黄金に輝き刀身も増し、膨大なエネルギーを無尽蔵に精製する不朽不滅の剣となる。かつてEU連合の経済破綻に伴い、不良債権の一部肩代わりを条件に日本政府にもたらされた経緯があり、 現在は私立リディアン音楽院の遥か地下1800mの最下層「アビス」にて厳重に保管されている。
デュランダル強奪を狙う勢力の発覚に伴い、一時は永田町最深部の特別電算室「記憶の遺跡」への移送も計画されたが、移送途中のクリスの襲撃や響による不慮の起動を鑑みて中断。その後フィーネによってカ・ディンギルの炉心とされたが、カ・ディンギルが破壊された後、フィーネとの最終決戦にて、フィーネが『黙示録の赤き竜』へ変貌する際に使われるが、翼とクリスの機転により奪還され、共に戦い支えてくれる仲間達の励みにより破壊衝動を抑え、完全制御に成功した響の一撃で受けた際、「完全聖遺物同士の対消滅」によりネフシュタンの鎧と共に完全消失した。
フィーネが管理している完全聖遺物。ノイズを任意に発生させるとともに、72種類のコマンドを組み合わせることによりノイズの行動を自在に制御することができる。
アメリカから研究目的でフィーネに譲渡されたものであり、日本政府の管理物ではないためナンバリングは存在しない。クリスが半年を要しながらも起動に成功しているが、提供元であるアメリカに黙ってフィーネの管理下で使用されることになる。
フィーネが『黙示録の赤き竜』へ変貌する際に使われるが、フィーネとの最終決戦では、最後に残り、ルナアタック後は日本政府に回収され「サクリストS」のコードネームが付けられる。
その後、対ノイズ研究のために米国連邦聖遺物研究機関に搬送されるが、「フィーネ」に奪取され、ウェルの管理下に置かれ、英雄になるという歪んだ欲望を持つウェルに悪用されるが、フロンティアにおけるクリスの渾身の行動で奪還に成功し、限定解除の出力を合わせたことでバビロニアの宝物庫へのゲートを開く機能を解放。それによって爆発寸前のネフィリムを宝物庫へ閉じ込め、杖自体も未来によって宝物庫へ投げ込まれゲートを封鎖し、宝物庫の中身ごと消滅した。
「フィーネ」が所有している聖遺物。現在の装者は月読調。シュメールの戦女神ザババを使う二刃のひとつである肉体を伐り刻む紅き鋸。
「フィーネ」が所有している聖遺物。現在の装者は暁切歌。シュメールの戦女神ザババを使う二刃のひとつである魂を切り刻む翠の大鎌。
かつてフィーネから米国に持ち込まれ、F.I.S.が管理していた聖遺物。本来は奏の家族が捜索していた聖遺物であり、計画に必要と狙いを付けたフィーネがノイズによって捜索隊を全滅させ混乱に乗じて独占、F.I.S.側でシンフォギアに加工された。
銅鏡型の聖遺物の破片で、光の反射や、施された術式や呪いを退ける『凶祓い』といった鏡に起因する特性を備える。この『凶祓い』の力によって、フロンティアに施された超常術式封印を解除し得る唯一の手段となっている。
F.I.S.による機械的増幅技術では封印解除実現には至らず、F.I.S.保有の大型ヘリ「エアキャリア」に装者不在のまま組み込まれ、周囲から不可視とするのみならず、振動や風圧、アウフヴァッヘン波形などのシグナルをも低減・遮断し、索敵機器の目をくらませるステルス機能「ウィザードリィステルス」として運用される。後にウェルの発案により、装者に仕立て上げられた未来の歌と、機械的増幅を組み合わせることでその役割を完遂、その際、
F.I.S.が管理していた完全聖遺物。今までの聖遺物とは異なり生物のような姿をしており、他の聖遺物を食らうことでエネルギーを取り込み、成長する自律兵器。
第2期開始時から6年前に歌を用いらないで起動に成功するものの『アルビノ・ネフィリム』と化して暴走し、セレナが絶唱を歌って犠牲になったことで蛹型の基底状態に封じられた。その後、QUEENS of MUSIC会場において響たちのS2CA・トライバーストで再起動に成功する。再起動後はF.I.Sから奪取した聖遺物の破片、果ては響のガングニールを左腕ごと喰らい成長を続けたが、暴走する響により肉体は跡形もなく破壊された。
しかし、響によって抜き出されたネフィリムの覚醒心臓は肉体を失っても鼓動を続けており、ウェル博士により回収され、浮上したフロンティアのコアに組み込まれ、フロンティアの一部を端末化して響たちの前に立ち塞がるが、エクスドライブを発動させた彼女たちに撃破される。
最後はフロンティアの全てを取り込んだ『ネフィリム・ノヴァ』となって灼熱を纏い、爆発すれば一兆度のエネルギーを放つ時限爆弾と化した状態で暴れるが、クリスの機転でバビロニアの宝物庫に誘導され、装者たちの合体攻撃のエネルギーを取り込み切れず自壊した。