黒蜥蜴(乱歩奇譚)
くろとかげ
概要
特殊犯罪者専用の独房「新宿プリズン」に収監されている女賊。
露出度の高い格好をしており、周囲に下僕を従わせる姿はまさに裏社会に君臨する女王・・・・・・と、いうのは最初だけ。
鉄格子の向こうにアケチの姿を確認した次の瞬間、
・アケチに向かって全力ダッシュ。
・アケチを相手にデレまくる。
・アケチの辛辣な言葉に身悶える。
・果てには思いきり粗相をする。
と、第4話の初登場でいろんなものが崩壊し、視聴者・・・・・・特にオリジナルを知っている人ほど唖然とした。
確かに、原案でも「追う者」と「追われる者」という関係の中で、次第に明智小五郎に惹かれていった黒蜥蜴だが・・・・・・
コレジャナイ感が全開である。
とは言え・・・・・・
Mr.アンチェインほどではないが、収監されていてもゆったりとソファに座り、下僕を従わせ、ワインも入手可能。と、かなり自由が利くようで、そもそも、彼女のいる独房自体が「牢屋」と呼ぶにはかなり広い。
さらには初対面でありながらコバヤシとハシバのことを知っていたり、アケチの命令に従って凶悪犯を不起訴・釈放するように手配できたりと(※1)、彼女が有する情報網や人脈、社会に及ぼす影響力は生半可なものではない。
(※1 現実には、仮にワタヌキのような人物が精神障害を理由に不起訴あるいは無罪になったとしても、各都道府県知事の権限と責任の下で処置入院することになり、即釈放というのはまずありえない。)
どうしてこうなった?
概要でも説明したように、その人物像はオリジナルとは大分かけ離れている。
そもそもオリジナルの方は、警察に捕まるよりも潔く死を選んだ女性であり、牢屋で大人しくしていること自体がおかしい。
しかし、「乱歩奇譚」版の黒蜥蜴が、「黒蜥蜴」という人物をモデルとしたキャラクターではなく、「黒蜥蜴」という小説を擬人化させたキャラクターだったとすれば合点がいく点もいくつかある。
「乱歩奇譚」ではアケチのそっけない態度に悶える彼女だが、原案ではオリジナルに魅かれながら彼女にそっけなくされて、
「俺も剥製にされて愛されたい」
とまで願う雨宮潤一がいる。
また、乱歩奇譚版が露出度の高い格好で牢屋に入っているのは、原案において全裸で牢屋に入れられている香川青年の姿とも重なり、元々、物語の序盤ではオリジナルが全裸でダンスを披露している。
実際にはどうだったのかは、今後の、制作サイドの発言に注目したい。