名目上の正式名称は「育児するメンズ」であるが、「イケメン」に語感を合わせる形で専ら和洋折衷の短縮形で用いられる。
育児を配偶者に任せきりにするのではなく、自ら積極的に参加する男性を指し、多くの場合家事全般を平等に分担する事までもが想起される。
男性の育児休暇取得率の向上(と言っても小数点以下だったものがようやく1%台になったというレベルだが)等を受けて、2000年代後半からマスコミ報道で取り上げられ始めたもので、2010年に当時の左派民主党政権が歓迎の意向を示した事を契機に広く用いられるようになった。
言葉が広まる中で、「そのために仕事よりも家庭を優先する」といった意味合いもしばしば付加されるようになっている。
しかし、インターネット上ではそうした勢力に対立する立場を取る者が多く、また、定義や名称がかつて猛反発した「草食系男子」に通じる事や、それに関連して性別役割分担を肯定する意見が主流である事から、否定的な見解が多数を占めている。
「イクメン」自体に肯定的な立場であっても、「仕事が出来ない無能の言い訳」「母親は何をしている」等と因縁を付けられる危険性が出てきた事から、彼らを刺激する報道の自粛を求める声も挙がりつつある。
また、「父親が育児を行うのは当然」とする立場から「イクメン」の使用を否定する意見もある。実の所、この立場を取っていたのが他ならぬ右派自民党であり、過去の政権下において「育児をしない男を、父とは呼ばない。」というより強力なスローガンを発した事もある。
「イクメン」と保守主義は両立し得る概念と言え、一連の反発は主義主張に基づくものとするよりは、世相の逆張りをするための「反対のための反対」であるとしたが適当であろう。
もっとも、政権復帰後の自民党は育児に関して母親偏重の姿勢を強める傾向にあり、結果的にネット世論が保守本流となりつつもあるのだが・・・
なお、女性向け萌え文化においては、「イクメン」が広まる以前から育児する男性を好意的に取り上げる風潮があり、pixivにおいてもそうした流れを汲んだ作品が一定数投稿されている。
ボーイズラブ等も入ってくる世界であるため、実子でない場合も見られる。