バッシュ・ザ・ブラックナイト
ばっしゅざぶらっくないと
概要
物語第一話冒頭のプロローグでL.E.D.ミラージュと共に大開きで登場し、モーターヘッド(MH)の存在を強烈にアピール、ナイト・オブ・ゴールドやL.E.D.ミラージュと並び、物語を象徴する主役級MH。
専用ファティマであるエストによって選ばれた騎士しか搭乗することのできない特殊なMHである。黒い装甲から人々からは畏怖を込めて『黒騎士』と呼ばれ、この機体に搭乗する騎士も『黒騎士』の称号を名乗ることを許される。
『ファイブスター物語』はTVアニメ『重戦機エルガイム』の設定を再構成・発展させたものがベースとなっており、バッシュ・ザ・ブラックナイトもエルガイムに登場するヘビーメタル・バッシュを基にデザインされた。
2013年の連載再開に伴う設定大改変以後はGTMダッカス・ザ・ブラックナイトへと変化している。
機体解説
当時最高のMHマイト(主設計者)ルミラン・クロスビンと、バルチックアカデミーきっての若き天才ファティマ・マイトであったモラード・カーバイトの共同作業によって開発され、星団暦2876年に完成した。
フィルモア帝国のサイレンをコンパクト化したグルーン・エルダグラインを基に設計されており、またクロスビンがコーラス王朝の主力騎ベルリンを開発した際に得られたノウハウも盛り込まれている。
時のアトール皇帝ボルサから超帝国の王女タタラスティ・イ・ヤーン・バッシュの名から取った「バッシュ」と命名された。
シンクロナイズド・フラッターシステム
バッシュの最大の特性と言えるシステム。
バッシュとその専任ファティマであるエスト、そして彼女が見出した騎士の3つの要素が揃うことで、バッシュは星団でも最強クラスの性能を発揮できるようになり、この時のエストのパワーゲージは通常状態のスペックを遥かに上回る3Aに届く化け物じみたものとなる。
このシステムの存在により、通常のファティマは「自分と相性の良い騎士」をパートナーとして選ぶが、エストは「自分とバッシュの両方を一番上手く扱える騎士」をマスターとして選ぶ性質を持つようになった。
しかしその結果、エストとバッシュを得ようとした騎士同士の手合いが頻発することになり、大量の死者が出る惨事へと発展。クロスビンは心労によって早逝し(暗殺されたとも言われる)、それを目の当たりにしたことでエストの精神は崩壊寸前に陥ってしまった。
このためモラードは急遽、エスト自身が本来のスペックと人格を秘匿して自らパートナーを探して放浪するという『ファンタム・プログラム』というシステムを彼女にプログラムして事態を回避した。この状態(シーク・モード)で発現するのがもう一つの人格、ファティマ・バーシャである。
エストとバッシュの完成後、何人ものマイト達がこのシステムの再現に挑戦することになるが、結局エスト以降に成功することはただの一度も無かったという(クローム・バランシェ曰く、「エストは突然変異である」とのこと)。
歴代搭乗者
- 初代黒騎士ツーリー・パイドル
騎士としては引退していたが、エストの最初のマスターとなる。しかし、初陣でアルテン・サヤステが駆る破烈の人形との凄絶な戦闘で敗北し戦死。後世では伝説となって語り継がれている一戦だが、当時は初陣で敗退ということでバッシュはあまり強力な機体と思われなかった。
- 2代目黒騎士ロードス・ドラグーン
コーラス王朝など複数の国家の剣術指南を勤めるなど各地で活躍し、黒騎士の名を星団中の畏怖と憧憬の対象へと高める。2989年のコーラス-ハグーダ戦ではコーラス側に付いて参戦し、ブーレイを事も無げに撃破している。2990年、後の黒騎士であるデコースとの生身での決闘に敗れて死亡。
- 3代目黒騎士デコース・ワイズメル
2995年にエストに選ばれ、バッハトマ魔法帝国の筆頭騎士としてバッシュを駆る。3030年に勃発した魔導大戦では、星団全体のMH戦術の変化からバッシュを重装甲化。ハスハ侵攻戦ではハスハの首都ベイジに降下、鬼神の如き強さで重装甲のA・トールを多数撃破し、黒騎士の名はデコースと共に恐怖の代名詞となる。
- 4代目黒騎士バンドライン・ゴール
現時点では一切不明。
- 5代目黒騎士グラード・シドミアン
3930年に拝命。コーラス王家王室軍団長として、アマテラスの星団侵攻に最後まで抗戦する。3960年、アルマの地にジュノーンとファティマ・クローソーを隠した後にミラージュ騎士カーレル・クリサリスが駆るL.E.D.ミラージュと遭遇して戦闘になり、65時間にも及ぶ死闘の末に「立ち向かっただけで、星団史に名を残す」と言われたL.E.D.ミラージュを大破寸前まで追い込むも、カーレルの捨て身の一撃で敗北して戦死。
その後、エストはグラードの亡骸とバッシュと共に長き眠りにつく。