概要
2000年代半ばに清楚系ファッションが流行したのをきっかけに囁かれ始めた女性の類型で、2012年にTwitter上のとあるイラストが話題になった事(外部リンク)をきっかけに広く認知されるようになった。
それまで、良くも悪くもはっきりしていたビッチが清楚な女性の中に紛れているかもしれないとあって、そういう女性に幻想を抱いていた男たちが恐怖したのである。
一般的なイメージのビッチが「狩り」をしやすくするために擬態したパターンと、元々清楚指向であったものの性格や男運の悪さが原因で結果的に男を渡り歩く事になっているパターンに大別される。彼らにとってはどのみちアウトな存在である。
前者は標的を選び、人間関係に決定的な破たんをもたらさないよう立ち回る器用さを備えているが、後者は無自覚であるがゆえに時たま大きな波乱を生む。
全方位に無差別に魅力的であるため、たちの悪い男をひっかけてしまったり、経験が浅い童貞に勘違いされてストーカーに発展したり、他の女子に嫉妬されて嫌がらせを受けたり、あまりいいことは起こらない。
が、基本的に女性というのは男性に比して学習力が高い生物であるため、無自覚な清楚ビッチも様々な経験を得て立ち回り方を覚え、自覚的清楚ビッチに発展していくことが多い。
見分け方
ない
男性の気を惹くためのあらゆる手段を会得した彼女らを見極めることは、釣り堀の魚に、釣り餌とそうでないものを見極めろ、というようなものである。
そもそも見分ける必要がない。女性という生き物は、非常にしたたかかつ打算的なのであり、男性が求める真に清楚で初心な女性というものは存在しないと言っていい。
女性に嫌われる?
清楚ビッチの基本はナチュラルメイク、シンプルファッション。化粧はしていないように見えるぐらいがちょうどよく、衣服もダサく見えない程度にシンプルでおとなしいものが主体となる。これがバッチリメイクにギラギラファッションでダイエットにダイエットを重ねてきた自分たちよりも男にちやほやされるのが気に入らないのだ。
自己満足的にやたらと飾り立てておきながら評価が得られなくて勝手にキレる、というのもおかしな話だが実際そうなんだから仕方ない。
だが昨今メディアの普及により、男性が直接女性側には言えない本音(「みんなメイク厚すぎ」「ぶっちゃけ服とか見てないから」「細すぎるのも色気がないよなぁ」etc)が女性側にも伝わるようになり、各種恋愛本が清楚さの演出を基本戦略とするようになった。
結果、今や多くの女性が大なり小なり清楚ビッチの要素を持ち合わせる状態となっており区別のしようがない。清楚ビッチという言葉は、自分よりモテてる女性に対して貼り付ける単なるレッテルのようなものとなりつつあるといえるだろう。
フィクションにおいて
あまり人気がない。
最大の要因は生々しさである。
ビッチ萌えはビッチに奇抜な外見やエキセントリックな言動を付与し現実味をある程度削いでいるのだが、日常的に見かけそうな外見や振る舞いの清楚ビッチは強烈な生々しさが伴ってしまう。また、先述した通り現実において清楚さの演出は肉食系女子の定番となっており、そうした流れを知っている男性にとってはなおのことリアリティを発生させてしまう。
ここまで生々しいとさしものビッチ萌えといえど受け入れられる人間は少ない。
そのため純愛ものに清楚ビッチが登場することはなく、NTRだったり凌辱だったり、アングラなジャンルにおいて、生々しさを活かして悪役としての立ち回りを求められることが大半で、メインヒロインだと基本的にバッドエンドとなる。
そうした傾向故か、本人が清楚かどうかとかビッチかどうかとか関係なく、悪女と大差ない意味で気に入らないヒロインにつけられているパターンも見受けられる。
二次創作では元々「ビッチ化」というジャンルが存在していた事もあり、しばしば特定のキャラクターが認定されて集中的に描かれている。とは言え根拠の無い単なるレッテル貼りである場合がほとんどで、やりすぎると争いの火種になりかねないので節度ある行動が求められる。
なお、始めから清楚ビッチを描こうとして描いた作品はpixivでもそう多くなく、タグも必ずしも貼られているとは限らない。あえて見たいのなら「黒化」の一環としてそのような描写が出てくるといったパターンを探す方が早いのが現状である。