タンバティタニス
たんばてぃたにす
兵庫県篠山市の白亜紀前期の地層から発見された中型竜脚類。かつては「丹波竜」と呼ばれていた。
発見と命名
2006年に兵庫県の篠山層群にて、露頭から突き出した肋骨が発見された。その後の調査で関節した尾や腰、いくつかの胴椎や肋骨、部分的な頭骨が発見され、「丹波竜」の愛称でよばれることとなった。その後、2014年になって新属新種の基盤的ティタノサウルス形類として命名された。
詳しい経緯は丹波竜を参照されたい。
概要
属名は産地(丹波)とティタノサウルス形類であることにちなんでいる。また、種小名のアミキティアエは、発見者2人の友情を記念したものである。
全長は12~15mほどとされ、竜脚類の中では中型の部類に入る。既知の日本産の恐竜の中ではかなり大きいと言える。
竜脚類の中でもかなり進化したティタノサウルス形類に位置付けられ、中国産のエウへロプスなどと近縁と考えられている。尾の血道弓が非常に発達しており、特徴的な「深い」尾を形成する。また、頭部は比較的吻が発達しており、エウへロプスとは対照的である。
ティタノサウルス形類の基盤的なメンバーとされた一方で、脳函(脳の収まる骨)の特徴はより進化したティタノサウルス類に近いとされ、ティタノサウルス形類の系統を考えるうえで重要な発見である。
タンバティタニスは乾季と雨季のはっきりした、比較的乾燥した環境で暮らしていたと考えられている。原始的なティラノサウルス類や角竜、テリジノサウルス類や鳥脚類、鎧竜、トロオドン類など多種多様な恐竜と共存していた。また、原始的な哺乳類の化石も同じ地層から発見されている。