説明
正式名称は「放送倫理・番組向上機構」。英語呼称「Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization」を略した「BPO」の名で知られる。
2003年7月、それまで存在していた「放送と人権等権利に関する委員会機構」と「放送番組向上協議会」(ともにNHK、日本民間放送連盟、民放各社が共同で設立した任意団体)を統合する形で発足した。事務局は東京・紀尾井町の「千代田放送会館」(日本初のテレビジョン送信所だったNHK千代田放送所跡地)に置かれている。
目的は、「本機構は、放送事業の公共性と社会的影響の重大性に鑑み、言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、独立した第三者の立場から迅速・的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的とする。」(BPO規約第3条から引用)
放送番組の取材・制作のあり方や番組内容に関する諸問題を取り上げる「放送倫理検証委員会」、放送番組によって名誉やプライバシーなどの人格権を侵害された個人・団体に対する救済機関「放送と人権等権利に関する委員会」、放送が青少年に与える影響やかかわり方を討議する「放送と青少年に関する委員会」の3委員会が置かれ、視聴者からの意見や苦情の申し立てを受け付け、放送局に対する勧告や個々の番組・報道に対する意見・見解の公表を行っている。
「検閲する機関」と書いたが、その活動は非政府・第三者的スタンスで、放送局に対する強制力はなく、「放送事業者自身が自主的にさまざまな問題を解決していく、そのためにBPOは応援していく、視聴者と放送局の仲介をするところである」(2007年12月4日の衆議院総務委員会における飽戸弘BPO理事長の証言)としている。
…が、お笑いバラエティ番組には天敵だったりする。また『妖怪ウォッチ』に「コマさんタクシー」が生まれた原因でもある。
かつて市川森一や里中満智子が放送倫理検証委員を務めたことがある。
BPOにより問題視、何らかの注意や勧告などが出た実例
- 2005年6月25日のバラエティ番組「たかじん胸いっぱい」にて、女優杉田かおるが元夫(名の知れた実業家ではあるが芸能人ではない)について語った内容がプライバシーを侵害しているとされ、人権侵害として勧告が行われた。
- 2008年2月13日のTBS『みのもんたの朝ズバッ!』にて、当時議論を呼んでいた医療裁判事件の取り扱いについて、イメージ映像が「判決の事実認定と異なる」として勧告を受けた。
- 『仮面ライダーディケイド』の最終回に批判的な意見が多数寄せられたためテレビ朝日に回答要請が行われた。
- 『仮面ライダー鎧武』の地図盗作疑惑について批判が寄せられたが、いまだにテレビ朝日からの公式回答がなく、DVD・ブルーレイで修正された。
外部リンク
テレビ朝日『仮面ライダーディケイド』8月30日放送分の局からの回答について