明智光秀(戦国無双)
あけちみつひで
概要
シリーズ第一作目から登場している無双武将(プレイアブルキャラクター)の一人。
史実における明智光秀の誠実な知将としてのイメージと精神的な脆い部分をデザインに創りだされている。
誠実で心優しく、冷静で慎重に行動するタイプ。加えて教養も高く上品な気品を漂わせている。誰に対しても常に敬語口調であり、主君である織田信長やその妻の濃姫は当然ながら、羽柴秀吉、柴田勝家などの同僚、目下の森蘭丸や石田三成 、友人たる浅井長政や長宗我部元親、自軍の兵卒、実の娘に至るまで、老若男女身分すら問わずほとんどの相手に丁寧語で接している。
反面、真面目すぎるゆえに思い詰めやすく精神的に脆い部分や、優しさに優柔不断さも併せ持った性格。シリーズを通して、この光秀の性格を起因として「本能寺の変」を勃発させるストーリーとなっている。
家族に対する愛情は深く、『2猛将伝』から参戦する娘・ガラシャや、妻である「煕子さん」のことは大事にしているが、ときにはガラシャのおてんばに振り回されて苦悶する姿をみせることも。妻の煕子は未だPC化はされていないが、会話イベントなどでも頻繁に触れられており、その愛妻家ぶりを伺わせる発言をみせている。
容姿
第一作目での公式年齢設定は25歳。
美しい黒の長髪に、端正な顔立ちをしている。本人も自身の髪にはこだわりがあるようで、番外シナリオなどでは髪に関する話題を持ち出すこともしばしば。雑賀孫市曰く、髪のサラサラさでは天下一。
シンボルカラーは信長と対称的な白を基調とし、他の織田家家臣と共通して一部に紫色の色彩がみられる。
衣装は、和・洋の違いこそあるがシリーズを通して鎧姿で統一されている。また、共通して日本の中世具足の肩当てを装着している。
『1』では、紫色の燕尾服風の羽織の上にベルトを巻いており、レリーフには明智家の家紋の意匠が入れられている。両腕・脚は銀色のプレートアーマー風の装甲で覆っており、全体的に西洋騎士を意識したデザインとなっているが、肩当ての形状など僅かながら和の意匠も各所にみられる。
『2』では、前作とは打って変わって和のイメージを重視され、肩当、草摺など防具で身を包み、下半身は白い袴姿となっている。喉元の辺りに家紋の意匠が入れられているが、明智家の桔梗紋ではなく、織田家の木瓜紋となっている。その他、本作から長い髪を束ねるようにようになった。
『3』では、より和の色が強調され、上半身は家紋の入った肩当、胴丸、草摺、籠手などで構成された中世具足姿で、それらの上から陣羽織を着ている。下半身は前作同様に袴姿である。また、本作では前述の徳川家との繋がりを意識してか、カラーリングに青色が基調とされている。髪の結び目もやや上昇しており、スッキリとしたシルエットになった。
『4』でも和風の鎧姿が継承されるが、カラーリングは再び紫に戻された。髪の色がこれまでと変わっており、普通の黒髪から、紫を下地にした黒髪へと変わっている(従妹の濃姫や娘のガラシャと合わせたのか?)
ポケナガの影響なのか、髪型はポニーテールとなっている。
ストーリー
『1』では、斎藤家の家臣から登場して、後に濃姫の誘いを受けて、織田家家臣となる。特に森蘭丸との互いの思想の違いから来る衝突を中心に描かれている。
『2』では、最初の時点から織田家家臣として登場する。また森蘭丸のストーリーモード削除に伴い、前作ほどの関係ではなく希薄なものとなった。変わって、織田信長の関係に終始ストーリーは費やされる形となった。
『3』では前作の路線を継承しつつ、長宗我部元親と親友同士という形で登場する(恐らく史実で光秀が四国方面との交渉を請け負っていたのが元)などの独自の解釈が挿入され、また光秀=天海説に基いてか、最終面で徳川家康と共に関ヶ原にて石田三成率いる西軍と戦う。
(「山崎の戦い」から18年間自宅警備員として勤務していたところを家康にヘッドハンティングされた。)
『4』では、2の時と同じように、桶狭間の戦いを傍観する場面がある。長宗我部元親との友人関係も健在。反面、家康とのからみは無い。新キャラクター松永久秀に煽られるようなシーンがある。今までとは違い、山崎の戦で必ず死亡(個人のストーリーが無いため仕方がないことだが)。その為、娘のガラシャが光秀の遺志を継いで、奮闘することとなる。
バトルスタイル
刀を使用した攻撃をする正統派の刀使いキャラクター。
リーチもそこそこで、攻撃スピードも攻撃後の隙も少ない、比較的クセが少ない初心者におススメのプレイヤーキャラ。円月殺法など、何処かで見たようなモーションも存在する。
特殊技はカウンター式の居合い斬り。
一時的に納刀し、相手の攻撃を受けた瞬間に柄で弾き返し鋭い抜刀の一閃で攻撃する。広範囲にダメージを与えるという性能も然ることながら、技が発動した際の見栄えも良く、このカウンターを極めるプレイヤーも少なくない。
無双奥義や勝利時のエフェクトでは、信長とは対称的な白い羽根が舞う。
武器
無銘 (むめい) [1]
無銘・業物 (むめいわざもの) [1]
業物 (わざもの) [2]
備前近景 (びぜんちかかげ) [1]・[2]・[3]
備前近景・陰 (びぜんちかかげいん) [3]
備前近景・陽 (びぜんちかかげよう) [3]
数珠丸恒次 (じゅずまるかねつぐ) [1]・[2]
霊剣布都御魂 (れいけんふつのみたま) [1]・[2]・[3]
羅刹刃金狼 (らせつじんきんろう) [1]<『猛将伝』のみ>
神剣平国 (しんけんことむけ) [3]<『猛将伝』のみ>
その他のキャラクターとの関連
織田信長
ストーリー当初は信長の配下に属しておらず、織田家に仕えるまでの経緯はナンバリングタイトルで異なる。1および3では、斎藤龍興の代まで斎藤家に仕えており、稲葉山城の戦いでも敵将として対峙する。2と4では、放浪中に織田家と今川家による桶狭間の戦いを目の当たりにし、圧倒的劣勢を覆した信長の力(もしくは天命)に乱世を治める希望を見出し、織田家に仕官する。
最初こそ信長のやり方に共感し「戦なき世」の為に忠節を注いでいたが、徐々に信長の苛烈すぎる動向に疑念を抱くようになる。同時に、己の理想のために信長と対立した浅井長政や松永久秀に奮い立たされ、夢の実現のために自らも反旗を翻す。
ただし、対立してもなお信長への敬意は強く、作品によっては本能寺で信長を今際の際まで追い詰めつつ直前で躊躇したり、敢えて死の運命を受け入れる信長に涙する姿もみせている。山崎での秀吉との戦いでは、彼の意志とこれまでに背負い続けた業を自らが引き継ぐ覚悟の言葉を投げかけている。
濃姫
従兄妹同士であり斎藤家の頃からの知己の間柄である。その関係から織田家へ仕官するキッカケとなった。
森蘭丸
光秀と同じ美濃出身という経緯があり、第一作のみ蘭丸は斎藤家に属している。
斎藤家時代の両名は非常に親密な関係であり、蘭丸自身も光秀のことを尊敬していた。共に織田家配下となってからもその関係は続いたが、光秀の信長への不信もあり、いつしかそれぞれの道を選び進む事となり、本能寺で対立する。ムービーシーンでの過剰なボディタッチなど、あまりにも親密すぎるためシリーズファンの間でも「黒歴史」呼ばわりされることも。
『2』以降では、この設定は希薄なものとなり、『無双OROCHI』シリーズなどに垣間見れる程度となった。昨今ではむしろ光秀の娘・ガラシャとの交流が増えてきている。
徳川家康
信長の旧友という経緯もあり、光秀とは戰場などで何度か対面している。
光秀の理想を理解し、その器量を誰よりも高く買っている。それ故『3』において、光秀を配下に置くことを羨望した。『Empires』シリーズにおいても、両者が味方となった際には専用の会話が存在する。また『Chronicle 2nd』においては山崎の戦いで敗れて死を選ぼうとした光秀を、家康が助命して徳川家で保護している。
ガラシャ
箱入り娘として大事に育てている娘・ガラシャだが、そのおてんばぶりに頭を悩ませている。
実の父娘でありながら、自分の娘であるにもかかわらず名前で呼ぶことは皆無である(そもそも「ガラシャ」自体が光秀没後に付けられた洗礼名であるため仕方がないが、本名である「珠(たま)」で呼ばれることすらない)。作中でも、ガラシャとの会話では彼女を「貴女(あなた)」と呼び、他者にガラシャの話をする際も「あの娘(こ)」などで表している。…まぁ名前で呼ばれない女性キャラは彼女に始まったことではないが…(最近もう一人追加されたし)
ただし決して邪険にしているわけではなく、ときには娘の行く末を心配するあまり、同じく娘を持つ北条氏康や本多忠勝に相談しに現れるほどの心配性。逆に、前述の二人が娘を自慢すればムキになって彼女の長所を挙げたり、成長した娘が一人立ちし自身が孤独な老後を送ることになるのではないかと悲嘆するあたり、かなり依存しているともいえる。
ちなみに3猛将伝でのガラシャ脱出戦で、敵と忠興に挟まれたガラシャを救うべく参上するという熱い展開があった。
その他
3以降は長宗我部元親との友情が描かれており、全く違う性質でありながらも、気の合った様子を見せる(何故か、光秀は元親の浮世離れした発言を理解できる)。また、元親が光秀の娘であるガラシャの面倒を見るシーンもある。
小少将からは、常人ではついて行けない元親とまともに会話できている為、驚かれている。また、彼女が光秀の姪である説も存在するためか、「光秀おじさま」と呼ばれている。
4では、同じく古参である浅井長政との友情関係が描かれるようになった。これ以前のシリーズでも、案外絡みはあり、2では長政は光秀に謝りながら自害するシーンがあり、3Empiresでは光秀が長政に雑学を教えるシーンがある。
愛妻家であり、惚気話をすることもある。
ガラシャが両親の惚気話を知っていることから、娘相手にも惚気ているのか?ちなみに、ガラシャの母で光秀の妻である「ひろ子さん」は、ガラシャ曰く「娘の自分から見ても可愛い」らしい。
余談
常識人で生真面目な苦労人キャラと思われがちだが、弄られキャラ相手では、天然かそうでないのか判断のつかないボケを言ったことも。また、声優奥義では、信長と共に政宗を振り回していた。
また、同じ父親キャラで愛妻家の北条氏康を「子犬のような瞳」で見つめて、自分の言うことを聞かせたこともある。
声を担当する緑川光は、同社発売の『決戦Ⅲ(PS2)』においても明智光秀を演じている。涼やかな目鼻立ちに白い甲冑など、どこか本作の光秀に通じる特性を持つものの、その性格は大きく異なる。非常に野心の強い利己的主義者であると同時に、信長に対する個人的な恨みを内包しており、信長に従いつつその座を奪わんと秘密裏に策謀を巡らせる(ただし、その先の「戦なき世」を志しているという点では無双光秀に通じる点もある)。
その他、最近話題の刀剣擬人化ゲームにおいて光秀が2まで使っていたレア武器と同銘のキャラクターの声を緑川氏が担当している。
二次創作ネタ
他作品の光秀同様に謀反人としてのキャラクターはもう定番付いている。
髪に関するネタは事欠かず、一部では「アジエンス」「世界が嫉妬する髪」などと言われている。3以降は本人も髪に関する話題が増えており、ある意味公式ネタともいえる。
『3』では、娘のガラシャに牢人時代に妻が髪を売って生計を立ててくれたというエピソードを語るシーンが存在するが、多くのプレイヤーから「お前が売れwww」との意見が勃発した(一応、本人もそのつもりらしく、当時それをしなかったのは髪が短かったためとも言われている)。
『4』では他人に髪を触れられることを苦手としていることが判明した。『4Empires』でも常々髪にこだわりがあるようなセリフを口にしている。
余談だが、史実における光秀は信長から「金柑頭」と罵倒されたことがある(おそらく月代にした頭が金柑に似ていたためとされる)。
外見についても、史実では信長よりも年上とされるが、外見年齡が異様に若いことをよくネタにされる。『4』でガラシャが齢をとらない元就・隆景父子を妖怪扱いするが、光秀も中々の若作りである。
(参考までに本能寺時点で信長49歳、隆景50歳、光秀55歳となる)。