ライフィセット・クラウ
らいふぃせっとくらう
CV:釘宮理恵
概要
主人公ベルベット・クラウの弟。愛称は「ラフィ」。
長姉のセリカの死後、次姉のベルベットとセリカの夫アーサーと共に暮らしていた。病弱だが心優しい少年であり、頭も良く海に憧れ、いつか世界を旅したいと願っている。
しかし物語の3年前、緋色の月の夜の事件で義兄のアーサーに殺され、「神に捧げる贄」と称して村の岬にある祠へ落とされた。ベルベットはその件を機に弟を殺した義兄を憎み、復讐を遂げることを誓った。
……しかし、それから三年間に渡ってベルベットが監獄に囚われている間にアーサーことアルトリウスは対業魔組織「聖寮」を設立、大勢の対魔士を率いて世界中の業魔を討伐して回り、人の世に希望と安息をもたらす救世主となっていた。
脱獄したベルベットは各地の町で「アルトリウスのおかげで世界が救われた」と持て囃す民衆たちの姿を見せつけられるにつれて、「弟の死の上に成り立った世界平和」への憤りをより一層強く、深く募らせていくことになるが、その憎悪はやがて「世界中の全てを敵に回してでもアルトリウスを殺し、弟の仇をとらなければならない」という強迫観念と化し、彼女の心を追い詰めていくことにもなる……。
余談
中の人は『テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士』でマルタ・ルアルディを演じていた。
ネタバレ
以下に物語の重大なネタバレあり
アルトリウスと並ぶ本作のラスボス・鎮めの聖主カノヌシの正体。
カノヌシはそれぞれ「心」と「体」が分離した状態で封印されており、復活には強い霊応力を持つ二人の穢れなき魂の生贄が必要だった。そして作中で生贄になったのは、ひとりが業魔化した強盗によって母体ごと祠に突き落とされた生まれる筈だったアルトリウスの息子、もうひとりがラフィことライフィセットである。
実は12歳で亡くなる不治の病「12歳病」を患っており、あと数年の命であることを本人は理解していた。
義兄の本を読んでいた時に、カノヌシの事や業魔のいない世界を創ろうとしている義兄の思惑を知り、姉ベルベットや全ての人間が幸せに暮らせる世界の礎になれればと、自ら生贄になることを申し出た。つまりラフィの死は本人の合意の上に行われた事であった。
物語の中で7体の喰魔を通して送られた穢れでカノヌシとして復活する。
しかしカノヌシの「心」の部分は既に聖隷の「ライフィセット」として甦っていた為、カノヌシの「体」にあたるラフィは、ラフィとしての記憶を持ちながらも心が欠落した状態になっていた。そのためかつての優しさは失われ傲慢な性格となっており、「全のための個の犠牲」と称して人間や聖隷をも道具のように扱い、業魔を生み出す人の感情を「無駄なもの」と見下している。また生前は姉ベルベットの幸せを願っていたが、カノヌシとなったラフィには姉を思う心は持ち合わせていなかった。
ラフィの復讐のために数々の罪を重ねてきた姉ベルベットを、「醜い穢れ」と言って今までの彼女を否定して絶望に突き落とし、自らの完全復活のために絶望の穢れを抱えた姉を喰らおうとする。しかしベルベットはライフィセットの決死の説得によって絶望を打ち払い、真相を知った上で「自分たち家族を切り捨てたアルトリウスとラフィへの復讐」を決心して乗り越えてしまった。そのため姉の心を支えているライフィセットに強い敵意を抱き、彼を殺そうとしている。
戦闘スタイル
紙葉のようなものと穢れを自由自在に操る。
近接戦では紙葉のようなものを細剣に合体させる。見た目はか細いが、イベントシーンで金剛鉄(オリハルコン)の大太刀をいとも容易くへし折る威力を示し、プレイヤーに聖主(神)の力をまざまざと見せつけた。
結末
アルトリウスの死により制御不能となり、「お腹が空いたよォォォォ!」と叫び鎮めの力を暴走させる。
この暴走を食い止めつつ、他の喰魔やライフィセットを護る為(カノヌシの死はその一部にさせられた喰魔とライフィセットも消滅することを意味する)に、ベルベットはカノヌシに自分の身体を喰らわせつつ、自身もカノヌシの身体に喰らいついて「互いが互いを喰らい合う無限の矛盾」を発生させることで、自分諸共カノヌシを半永久的に封じ込めるという手段をとるのだった。