概要
聖隷(せいれい)と呼ばれる種族の少年で、聖隷術という力を操る。
生まれて以来、名前も与えられないまま術を使用する道具として使われてきたため、命令を聞く以外の生き方を知らなかった。
元はテレサに使役されており、ベルベットの亡き弟に似ている為、基本他人に情けを抱かないベルベットから気にかけられていた。テレサとベルベットたちの戦いでテレサに自爆を命じられるも、ベルベットの機転で失敗し彼女に成り行きで連れ去られる形で同行することになった。
しばらくは名前はなく「二号」と名乗っていたが、危機に陥った際にベルベットがかつての光景と重ねて咄嗟に弟の名前を口にした為、そのままベルベットの弟と同じ「ライフィセット」の名を授かる。
最初は意思を持たない振る舞いでベルベットを苛立たせるが、徐々に感情を形成していく。
メンバーからはそのまま「ライフィセット」と呼ばれるが、マギルゥからは「坊」と呼ばれる(ただし戦闘時には「ライフィセット」と呼んでいる)。
後にベルベットを救うために力を使い過ぎた影響で業魔化しかけるが、エレノアが自らライフィセットの器になった事でライフィセットは救われる。以降ライフィセットはエレノアの聖隷となるが、覚醒したライフィセットの力は巨大であり、逆にエレノアの方がライフィセットに操られてしまう程であった。
ベルベットは復讐心故にライフィセットに辛く当たる事があったが、この出来事を機にライフィセットが自分にとって心の支えになっていた事をようやく自覚した。自分の感情を理解したベルベットはライフィセットに改めて謝罪し、以降はライフィセットを大切に想い、彼に対して優しい笑顔を見せるようになった。
この頃から「ライフィセット」ではなく、ちゃんと「フィー」(ベルベットの弟の方は「ラフィ」)と区別され、『ここにいるライフィセットは、弟に似た何かではなくちゃんと別のライフィセット』だと認めるようになった。
性格
「だって、一人で苦しむのは辛いでしょ?」
テレサのもとにいた頃に沢山の蔵書を読んでいた為に非常に博学。また本来の性格は年相応に好奇心旺盛で冒険に憧れており、その影響で羅針盤が好きだが、ずっと感情を封じられた為に「好き」という感情を理解できずにいた。
感情を形成してからは子供らしく素直で優しい男の子になり、仲間達から可愛がられ、己が目的の為に集ったパーティメンバーを繋ぐ重要人物である。
ゲームが進行するにつれ、感情を表す機会が増えて行き、どんどん喋ってくれるようになっていくという演出がなされている。
敵対組織に属するエレノアでさえ、彼だけは唯一初めから受け入れていた(彼女が器となって自分を助けてくれた事への礼の意もあるだろうが)。特に同族のアイゼンには聖隷に関する知識や生き様などを学んでおり、彼を兄のように慕っている。
ベルベットの事は大切に思っており、彼女の支えになりたいと思っている。一緒にお風呂に入ろうと言われて子ども扱いするなと拗ねたり、初恋の話題に不機嫌になったりするなど、彼女の事が大好き。その為ベルベットが時折自分を弟のラフィに重ねて見ている事に複雑な思いを抱いている。
本作の主人公パーティは仲が悪いという事もないが、あくまで「利害の一致でとりあえず手を組んでいるだけ」の域を出ない所が大きく、中盤の段階ですら冗談抜きに「まさかこの面子にまともな信頼関係なんてあると思ってんの?」という主旨の会話が出てくる程に冷めた関係が続く。
しかし、過去のシリーズのような致命的なレベルの空中分解は引き起こさず、最終的に「悪友」的な絆で結ばれる事となったのは、純粋なライフィセットの存在がメンバー間の緩衝材として程良く作用していた為であろう。
背中のリュックには常に宝物の羅針盤を入れている。
……実はこの羅針盤、海門要塞(序盤のダンジョン)の侵攻途中にたまたま視界に入ったのをしれっとくすねてきた盗品だったりするけど。
料理はレシピを正確に再現する事が得意で、アイゼンからは「安定した良い味」、ベルベットからは「菓子作りに向いている」と称される。
戦闘スタイル
武器は紙葉(しよう)。主に回復系と地水火風4属性に無属性を複合した攻撃系の聖隷術を行使して戦うが、術師でありながら彼の奥義は癖が無く用途の解りやすいものが多い為、接近戦も中々にこなせる万能型に仕上がっている。戦闘時の移動速度も速い。
術や秘奥義には、ズバリ光と闇が両方そなわり最強に見えるものがある。
弱点としてはやはり術師であるため撃たれ弱い事と囲まれると対処が厳しい事に加え、無属性に耐性を持つ敵に対しては聖隷術がほとんど通用しない事が挙げられる。
とりわけ、後衛優先ルーチンを持ち、こちらのパーティー人数以上で出現する敵との戦いはかなり不利。
本作のシステム上、詠唱中に攻撃されたり状態異常にさせられることで、スタンした上にバステの被ダメや能力低下、加えてソウル喪失と手痛いデメリットを一瞬で受けるため、打たれ弱くマギルゥよりも迎撃が苦手なライフィセットはプレイヤー自身の生存スキルが非常に重要となる。
だが「連携数が多いほど術を発動するための詠唱時間が短縮されていく」というシステムを活用して上手いことハマりさえすれば、高位攻撃術の猛連射で敵陣をガンガン薙ぎ払っていく大量破壊兵器と化す。
そのためライフィセットの最終装備は、単純にステータス数値の高い物よりも、「無属性聖隷術の詠唱時間を短縮」の効果が付いている物がお勧めされている。
ただし、本作全体のゲームバランスの方向性として、攻撃技の性能が充実しているのに反比例してHP回復技の性能がことごとく悪い(要するにやられる前にやっちまうのが最重要視されるバランス)という特徴があるため、回復術の存在は(無いよりはマシとは言え)アテにし過ぎない方が良い。
特に、難易度を上げるとただでさえ低い回復術の性能がさらに低下するという本作の独自仕様があるため、回復はブレイクソウルかアイテム頼みになる。
……イベントシーンでなら、ライフィセットの回復術はベルベット達の生命線と言っても良いぐらい活躍しているのだが。
テイルズオブザレイズ
こちらは逆に術士然とした性能に調整されており、打たれ弱い上に移動速度は遅く、通常攻撃も発生は決して遅くは無いものの近接技な上に2段止まりとなっている。
ただし、採用されている術は比較的恵まれており、カレイドイグニスやセイントバブル等詠唱が早く削りや拘束力に優れた術に加え、強化すれば自身も回復できるようになるファーストエイドやディスペルキュア(鏡装)と優秀な術が揃っている。
反面、☆3武器の術技の性能が尽く低く、特に奥義関連は近接に特化したものしかない上に発生や威力が悪い為、高レアの装備が揃っていないと真価を発揮できない。
幸い初期にイベント実装されているキャラクターなのでプリズムや復刻チケット等で装備は揃えやすいのが救い。
因みに戦闘参加メンバーとしては『テイルズオブファンタジア』の藤林すずを抜いて最年少(実年齢ではさらに低い年齢もいる)。
容姿
髪型はブロンドのショートヘアにアホ毛。黄緑色の瞳をしている。
服はゆったりしたセーラー襟の白いワンピース風の上着に、下に黄色のゆったりしたシャツ。背中にはに白いリュックを担いでいる。
人間に使役される種族であるためか、首に金の卵型の飾りがついた大きな首輪をしている。
ちなみにサブイベントでマギルゥと漫才講演を行うことになった際に「可愛く媚び媚びに攻めて観客のハートを掴め」という指示を受けたり、モブキャラに女の子と誤認される場面があったりする(ライフィセット本人はショックを受けていたが)など、ゲーム中の人物にも中性的な美少年と認識されている模様。
尚、ゲーム内のモデリングとフェイスチャットやステータス画面で表示されるアニメイラストとで、結構大胆にデザインが違う。
アニメイラストでは頭髪のサイドが少し短く、後ろ髪が長めで少しフワッと広がっているのだが、3Dモデルでは長さが均一で少しボリューム感が減っている。
顔つきも少し異なっており、モデリングでは全体的にイラストよりもクリクリしていて幼い感じになっている。
両方とも可愛いので特に問題というわけではないのだが。
DLCでは水着+パーカーセット、お坊ちゃん風小学校の制服姿、時計ウサギモチーフの衣装や、ショートボブ、前髪のアップなどの髪型へと変更させることができる。
他作品への出演
第10章「伝承と始まりの世界」で登場。
ベルベットと異なり、アイゼンを探す為に具現化大陸に残り、この章ではプレイアブルキャラとして参戦はしない模様。
2017年9月のイベント「幸せのノル様人形」でアイゼンと共に参戦。
STAR OCEAN anamnesisコラボイベント「スターオーシャン:アナムネシス ExtraStory」では、ソフィ、ロンドリーネと行動した。
本作で、ピアシング・ソーズ、ブラックファング、連鳴鈴、ホバリングリーブズ、菩薩掌、ラプソディキュア(ディスペルキュアの技変化)、ピアシング・ソーズ・四紋(ピアシング・ソーズの技変化)、連鳴鈴・連(連鳴鈴の技変化)、フローティングリーブズ(ホバリングリーブズの技変化)、真・菩薩掌(菩薩掌の技変化)を新術技として習得。
魔鏡技は「バーニング・レイド」「インサブステンシャル」「ドラゴンブレス」「ソウルディストーション」「スナッチエスケープ」「ライトレス・ディメンジョン」「百気掌」。
「ライトレス・ディメンジョン」は精霊装をレアリティ3まで強化すると使用可能になる。
関連タグ
ベルベット・クラウ エレノア・ヒューム テレサ・リナレス ライフィセット・クラウ
カップリングタグ
ネタバレ
以下に物語に関わるネタバレあり
その正体は生まれる筈だったアルトリウスとセリカ・クラウの息子の転生体で、「開門の日」に母セリカと共に偶発的にカノヌシへの生贄になってしまい甦ったもうひとりのカノヌシ。
(聖隷は何千年もの時を生きる長命な種族だが、彼は本編の丁度十年前に起こったこの事件によって、人間として誕生してくる直前に一度死亡、そのまま直接聖隷として生まれ変わってきた存在であるため、ライフィセットは公式プロフィール通りの正真正銘、紛れもない10歳である。ある意味伏線だった、とも言える。)
「心」と「体」に分離して封印されていたカノヌシの「心」の部分にあたり、二人目の生贄ライフィセット・クラウの身体と記憶を元として復活した不完全体カノヌシ同様残り半分の力を持ち、カノヌシの気配を感知する事ができる。
ベルベットがアルトリウスと対峙した際に、ライフィセットにも力の一部が宿っていることに気付いたアルトリウスが、カノヌシ完全復活のためにエレノアに回収を命じていた。
後にこれらの事実や、ベルベットの弟ライフィセットの姿をした不完全体カノヌシと自分の関係を知るが、ベルベットの想いを踏みにじったラフィことカノヌシに怒りを露わにし、その強い想いはベルベットの絶望を打ち砕いた。
「腕くらい食べていいよ。
でも、こっちは残しておいて……
ベルベットを泣かせたカノヌシ(あいつ)を殴ってやるんだから!」
絶望がなくなった事でベルベットを喰らっても完全復活できなくなったラフィことカノヌシからは、姉の心を支えている聖隷ライフィセットこと「フィー」に対して嫉妬にも似た憎悪を露わにしており、互いに似た関係でありながらやがて宿敵として対峙する。
またカノヌシの力が変質したのか、業魔になった者の穢れを祓い元の姿に戻す「白銀の炎」と呼ばれる浄化の力を得ている。
この頃から彼の人格は紛ごうことなき、人間のそれであり「自分の舵は自分で取る」という信条のもと、大好きで大切な女性を守るため、彼の男前でもあり一途で男子な部分が顕れてゆく。
ちなみに、フィーから見れば、ベルベットは実母セリカの妹なので叔母、ラフィは同じく弟なので叔父にあたり、かつアルトリウスは実父である事から、叔母と共に実父と叔父を相手に骨肉の争いを演じている事になる。
これは決してひねくれた見解ではなく、今作の根底に『家族』というキーワードがあり、その渦中を描いたものが本作のメインストーリーである為である。
そしてベルベットの復讐が終わったのちは、カノヌシ封印に伴い新たな聖主になる事を決意し、人の姿を代償に「白銀の炎」の力を強化し、やり直しの機会を与えるため世界中の業魔と喰魔を元の姿に戻した。
ただし業が深くそもそも人間に戻るつもりがなかったロクロウは、浄化の力を受けても業魔のままであった。その結果に対して個々の意志を尊重するライフィセットは、心のありようまでは変えられないとして、ロクロウの選択や穢れの存在も受け入れている。また、穢れでドラゴン化の危機にあったアイゼンが浄化の力を実感した様子が無かった事から、聖隷には利かない模様である。
そして白銀のドラゴンとなったライフィセットは新たな聖主マオテラスと名乗り、人と聖隷が住む世界を見守る事になった。
※「マオテラス」とは、ライフィセットの真名であり、古代語読み(古代語での意味は「生きる者」)である。
ゼスティリアでの活躍については「マオテラス」の記事を参照。