「あたしはベルベット・クラウ!業魔も聖隷も対魔士も喰らい尽くす!最悪の喰魔だ!」
プロフィール
概要
『テイルズオブベルセリア』の主人公。マザーシップ作品の中では初の単独女主人公である。
シリーズ初の女主人公は『エクシリア』のミラではあるが、そちらはジュード・マティスと主人公枠を共用しており、いわゆる第二の主人公としても扱われる。全ての作品通して初の女性主人公はテイルズオブファンタジアなりきりダンジョンのメル、初の単独女性主人公は『テイルズオブブレイカー』のミカ。
容姿
村娘時代は一つ結びの三つ編みで、頭頂部にはアホ毛がある。3年後ではアホ毛がなくなり、膝あたりに届く長髪を後ろで三つ編みにしている。目は琥珀色だが、秘奥義発動中には緋色に輝くような演出がある。容姿について明確な描写は無いが、村人曰く「化粧っ毛がない」。公式イラストや3Dモデルでは目が大きいから気付き難いが三白眼が特徴。
ちなみに現在のやたらと露出度の高い格好は、脱獄時に囚人からの没収品が詰め込まれた棚を漁って、有り合わせを適当に繋ぎ合わせて出来上がった物だったりする(マントのようなボロボロの黒い外套は元々は男物だったと思われる)。収監中は裸一歩手前レベルのボロ布(村娘時代に着ていた服が破れたもの)しか身に着けていなかった。
見てもわかる通りのナイスバディぶりは、ゲーム中でもたまにネタにされていたりするが、普段がツリ目気味の怒ったような無愛想なためか男性受けするような描写はあまり無い。(一切無いというわけでもなかったりするが)
また、いのまた氏のコメントによると、
- 「もとはきっちりした服が汚れていき、でもそれをそのまま着ているイメージ。ベルトも、上着についていたのが段々汚れてしまったという雰囲気です」
- 「尖ったシルエットで黒を基調に小奇麗ではない服装」「首に小さい布を巻いてるのは本人が防寒(?)など意味があるつもり」「復讐に執心しているため服装には無頓着。谷間が見えると女性っぽくなりすぎるので下胸を強調した(??)」
- 「ずっと捨て置かれてボロボロになっても気にせず、目的を果たすの為なら見た目も手段も選ばない、女の子らしさよりも負の感情が前面に出るようなデザイン、いわゆる優等生タイプとは違い、汚れた主人公ーーとはいえ女の子ですから、たとえボロボロでも、女性としてだらしない印象は避けるようにします(ほぼ原文のまま)」
とのこと。
戦闘スタイル
剣の師匠はアーサー。武器は右手の籠手の仕込み刺突刃、足技(ブーツに仕込んだ刃で斬る)との組み合わせで戦うが、しかし勝手に体が動いて蹴りが出てしまう為ほぼ我流になっており、序盤は右手の刺突刃で構えるシーンが多いものの、戦闘中の攻撃手段はほとんど足技である。
3年前の事件以後は、魔物のように変貌した左手『業魔手』の力を行使し、業魔だろうが聖隷だろうが攻撃した相手を喰らってその力を我が物に出来るようになっている。とある事件でシアリーズがアルトリウスによって埋め込まれたある術式を手に入れ、喰らった力を操作・放出する能力を得ている。ちなみに、普段は包帯が巻き付いており、人間の腕と同じように振る舞える。
ゲームでは一部例外ありだが基本的には範囲が狭く素早い足技(特技)、発生がやや遅いが威力と範囲共々優秀な剣技(奥義)を駆使する。主人公らしく癖なく使いやすく、PTの中では唯一すべての属性攻撃を持ち、あらゆる敵に対応することができるのも特徴。
ブレイクソウルは 「コンジュームクロウ」。左手の業魔手を振るって敵を攻撃することで『喰魔状態』になり、攻撃した敵の種類に応じた強化効果と、奥義の強化版のような技「秘術」を使う事が出来る。喰魔状態は秘術の発動によって解除される。
この状態になるとHPがどんどん減少し、ブレイクソウル以外でのHP回復ができなくなる代わりに、敵の攻撃でのけ反らなくなり、状態異常にならない、致死ダメージを受けてもHPが必ず1残るという非常に強力な効果を持つ。秘術は「HPが1になる」or「ソウルケージの最大数+1回術技を入力する」ことで発動し、残りHPが少ないほど威力が上昇する仕様により高い破壊力を発揮する。さらに喰魔状態中でもブレイクソウルは使用可能なため、ブレイクソウル発動→術技で敵をスタンさせてソウルケージを回復→ブレイクソウルでHP回復&喰魔状態維持、という動きを繰り返すことが可能。効果中は実質無敵の為、途切れることなく敵を攻撃できる乱戦では無類の強さを発揮し、文字通りひとりで敵を一人残らず喰らい尽くす。
ただしその強みはブレイクソウルに依存しており、ただ闇雲に攻撃をゴリ押ししているだけだとソウル切れに陥りやすく、喰魔状態を維持するには慣れが必要。また、HPが少ないほど威力が上がる特性やベルベット本人の防御力の低さ、喰魔状態を長く続けるとHP減少速度が速くなる仕様も相まって、非常に戦闘不能に陥り易い。特にCPU操作の場合は作戦を調整しないと喰魔状態のまま棒立ちとなり、気付いたらHP1の瀕死になっているなんて事もしばしばなので自操作推奨。ソウルさえあれば永続的にコンボを続けられるので、ハマれば強いが、不利な状況下ではずっと不利なままというタイプのキャラである。カツカツな状況に陥った時は、チクチク攻撃せず仲間と交代するのも手。
ちなみに、削除した原因は不明だが没ボイスに魔神剣があり、特技及び奥義ボイスも村娘時代のものも収録されている。主人公としては珍しく魔神剣も蒼破刃も使えないが、代わりに新技の紅火刃を覚える。また、他のメンバーと交代する際に出る技(スイッチブラスト)は、名前こそ違えど動きが虎牙破斬と似ている。
秘奥義は 「リーサル・ペイン」「絶破滅衝撃」「インパルス・ディザイア」、協力秘奥義は 「イニュメラブル・ワウンド」(要:聖隷ライフィセット)、絶破滅衝撃はカイル・デュナミスの 「絶破滅“焼“撃」と一文字違い。
人物像
経歴
5歳から6歳の間に両親、9歳までに姉を亡くした難しい環境にも屈さず、幼い頃から唯一血の繋がった病弱な弟ライフィセット・クラウの母親代わりを務めて来た豊かな感性と心優しさと愛情深さを持った飾り気の無い普通の少女だったが、3年前の事件 「降臨の日」を機に人生が一変、世界を揺るがす存在になる。
「降臨の日」と呼ばれたその日、月が紅色に染まった『緋の夜』にアバル村の住民が全て業魔化するという事件が発生。故郷の壊滅を目撃し、さらに憧れの師であり義兄でもあるアーサーによって目の前で生贄として弟を殺されてしまう。ベルベットは弟を助けようとするも、アーサーの妨害によって左腕を斬り落とされたうえ祠へと突き落とされた。直後、弟の生贄によって祠の中にいた何物かが復活した。
ベルベットは衝撃によって祠の外に弾き出されたが、謎の光に包まれたことで失われた左腕は業魔の腕に変わり、業魔として蘇った彼女は狂乱のまま業魔にされた親友と村人たちを手にかけ取り乱しながらも、村の業魔化と弟の生贄を仕組んだアーサーことアルトリウス・コールブランドに挑むが敗北、監獄島に幽閉され、その後3年間の毎日、牢獄にて餌として差し出された囚人や業魔の処理を強いられた。
たった一夜の間に全てを失ったことで、救えなかった弟への贖罪感と弟の仇であるアルトリウスへの憎悪だけを抱きながら元人間だった囚人の業魔たちの血肉を喰らって生きるという辛い日々を3年間続けた事によって人間性をほとんど失って心が荒んだ冷たく獣じみた性格に変貌してしまい、喰魔になった後遺症なのか精神的な衝撃のせいなのか味覚を失っており何を食べても血の味しか感じなくなっている。
ある日、アルトリウスの聖隷であったシアリーズから協力を申し込まれ、彼女がこれを受け入れたことで、村の一件で強大な力を得て世界の救世主となり、聖寮の長に上り詰めたアルトリウスへの復讐を開始するシアリーズの手引きによって脱獄した彼女は、目的の為なら手段を選ばないようになり、まさに災厄を振り巻くような手段を取る。やがて民衆から『災禍の顕主』の名で呼ばれるようになり、次第に自らも自称するようになる。
最初は憎しみと怒りで凍り付いてて復讐心に憑りつかれており、周りに対しても冷淡な態度をとっていたが、亡き弟の面影を感じさせる聖隷ライフィセットと出会って以降は彼に不器用ながらも気をかけ、少しずつ絆を深めていき、やがて心境に変化が訪れる。元々村娘時代から今に至るまでは閉鎖的かつ過酷な環境で長い年月を過ごしたこともあって、対人関係や自身の感情だけに関しては鈍感で不器用な面があり、精神面では所々16歳のまま成長が止まっている。そして旅の最中、マギルゥ奇術団、海賊団、他の喰魔たちなど様々な者たちとの触れ合いによって徐々に3年間で失われた人間性を取り戻し、ぶっきらぼうながら優しげな気遣いや、脱獄からは想像できないような様々な言動を見せるなどーー昔の面影が浮き彫りになっていく。
一方、目的のためなら何でも行えるため一見すると冷酷かつ非情的に見えるが、仮面の下には堪えきれない激情を抱いていて、業魔でありながらロクロウとは違い人間らしい感性や倫理観を残しており、不安や罪悪感に陥るたびに 「人間じゃないから、気にしない、利用するだけ、仕方のないこと」と自分に言い聞かせたり、度々血生臭い悪夢に魘されたり、わざと露悪的な振る舞いをして良心を抑圧し自らを追い詰めたり、自分自身の「昔の心優しい穏やかな村娘という本質と復讐心に囚われてた残酷な化け物という現在」と「大切な弟を殺した導師を憎みつつも心のどこかでまた義兄のことを好きでいた」という矛盾な思いに焦られなど、19歳だが実際は3年間ずっとトラウマ抱いたまま牢獄に過ごし精神年齢は16歳の村娘のままで、闇堕ちしたように見せかけて心根は全然変わってなかった証拠だった。さらに元から逆境にも屈さずのような面があったためか、限界を超えると身心問わず自傷行為も迷わず行うなど「硬いだけの剣」に例えられ、マギルゥに「苦痛に耐えても幸せの前では崩れてしまう」「まるで手負いの獣」と言われた。
ーーという降臨の日からの一連の出来事のせいで形成された二律背反な複雑な性格から精神的に不安定さと危うさも見せるようになり、その後その問題はさらに悪化していくことになる……(「中盤の山場」ヘ続く)
中盤の山場(ネタバレ注意)
以下重大なネタバレあり
業魔になってしまった人間は二度と元の姿には戻らないと言われているが、業魔手で喰らった業魔に限っては元の姿に戻るという不思議な現象が起こっている。その実体は『忌み名の聖主カノヌシ』の一部である“喰魔“であり、カノヌシ復活の為に必要な穢れを集め、地脈点から本体に穢れを送る為の口である事が明かされる。ベルベットもカノヌシの口たる喰魔の一体であり、カノヌシ完全覚醒に必要な8つの穢れの質の内「憎悪」と「絶望」を割り当てられていた。
ベルベットはカノヌシ復活を止めるべく他の喰魔を集めていったが、メルキオルの幻術によって平和な故郷アバルの幻を見せて心を緩めてからの「現実に戻るために幻とはいえ3年前の降臨の日の時と違って自分の意志で大切な弟を捨て去り、また親友と村人たちを喰い殺す」と、「聖隷ライフィセットを守るために敵とはいえかつての自分と弟の関係にとても似ていた聖寮の対魔士姉弟ーー弟オスカー・ドラゴニアを姉テレサ・リナレスの目の前で誤殺してしまったーーどんな理由があろうと結果的に憎き仇アルトリウスと同じことをした」ことで心の傷がより大きくなっていき、途中徐々に精神的に追い詰められ、その上に初対面したカノヌシは外見と記憶だけが弟ライフィセット・クラウ本人のものであり、アーサーの豹変や弟がアルトリウスに殺された経緯と今までの自身の憎悪すらも全て聖寮の計画の一部に過ぎなかった」という衝撃の数々に打ちのめされて心が壊れかけしまう。特に地脈探索による大地の記憶の数々を見せられた彼女は、行き場のない憎しみと怒りと悲しみで精神崩壊や発狂寸前なまでに深刻だった。そして弟のためだけの復讐の意味を全てなくし、カノヌシから生きる意味すらない穢れた化け物と暴言を言われ、自分のことを絶望し"無意味にたくさんの人を傷つけた化け物"と全てを諦め、カノヌシに喰われようとした。
しかし、そんなベルベットに対し、聖隷ライフィセットたちは彼女を救おうとする。
「ライフィセット!この自惚れ屋に言ってやれ!」
「放して...あたしは消えなきゃ...」
「...嫌だ!」
「このままじゃ...あんたまで無意味に殺しちゃう...」
「嫌だっ!!」
「こんな穢れた化け物は、生きてちゃいけないのよ...わかるでしょ...? お願い、もう手を...」
「うるさい、だまれえっっ!!」
「......!!」
「わかるわけないよ!ベルベットはすぐ怒って!怖くて!僕を食べようとする!」
「でも、優しくて...こんなにあったかい!」
「ベルベットのことなんて、全然わからないよ!!」
「............」
「けど、ベルベットは僕に名前をくれた!羅針盤を持たせてくれた!僕が『生きているんだ』って教えてくれた!」
「だから僕は!『僕のために』ベルベットを守るんだっ!」
「穢れてたっていい!意味なんてなくったっていいよ!みんなが間違ってるっていうなら世界とだって戦う!ベルベットが絶望したって知るもんか!!」
「僕はベルベットがいない世界なんて!絶対に嫌だあッッ!!」
聖隷ライフィセットの決死の説得により、ベルベットは今まで弟の仇であるアルトリウスへの憎しみと怒りゆえに自覚してなかった本心、心のどこかで自覚しつつも認めたくなかった義兄への想いを吐く。
「......あたし、大好きだったの」
「ラフィも、セリカ姉さんも、アーサー兄さんも、みんな......」
「だから"あの時"を奪われたことが......あたしを選んでくれなかったことが......」
「悔しいっ!!」
自身の「家族への愛憎」という矛盾した感情に向き合った事で、失ったのは弟という個ではなく村娘ベルベットという弱い人間の全だったと痛感したベルベットは、かつてシアリーズが語った「私もあなたと同じ、消したくても消せない炎がある」という言葉の真意と自分だけの 「譲れないもの」を見出し、砕けた心に火が付き再び絶望から立ち上がる。
そして聖隷ライフィセットとシアリーズの想いに応じ「自身の本心と大好きだった家族との時間の為に『アルトリウスとカノヌシ』とケジメをつけたいーー真実を知って尚それでも自分の為だけの復讐をやり遂げる」と決意し、真実によって"自分とアーサーはある意味で表裏一体だった"ことを知り、絶望ゆえにアーサーという痛みを捨てた『導師』と違い、今までの罪業も痛みも生きていた証として受け入れ、自ら『災禍の顕主』として名乗り上げた。
以前は非道な行為を繰り返すも弟の仇だけを討つ為に己を捨てて突き進んでいた状態であり、そこにはエゴがないため穢れは発生しなかった。そして本心に従い、自分が選んだ生き方を貫こうという誓いの代償としてーー災禍の顕主らしく本人すらも抑えることが出来ないほど強い穢れが発生し、二度と以前のように聖隷ライフィセットに触れる事が出来なくなった。
それからは色々と吹っ切れたらしく“復讐が目的である“のはそのままだが本来の家庭的かつ気さくな性格に戻り、仲間たちに対してはぶっきらぼうさがどこかに消え、より自然な穏やかさと柔らかな言動を見せたり、家族と過ごした時の事を純粋に楽しげに語るなど、憎悪と絶望に囚われず自分らしく生きるようになる。
仲間に米のとぎ汁の利用法について滔々と語ったり、海賊団のゴミの出し方に苦言を呈するなど、その言動はほとんど主婦のそれ。ロクロウからは 「いい嫁さん」、ライフィセットからは 「いいお母さん」、アイゼンからは 「面倒な小姑」などと評された。その他、エレノアと共々壊滅的なネーミングセンスを披露したり、マギルゥに対しては自然にツッコミとボケとフォローを入れるなどの一面もある。
『災禍の顕主』という通り名は意外と気に入っていたようで、先発メンバーに入れると「災禍の顕主のお出ましよ!」と叫ぶなど案外ノリノリ。
真面目な所もあるようで、中盤の辺でロクロウから酒を勧められたときは「まだ19歳だから」という理由で断っている。律儀に未成年飲酒を気にする魔王とは一体…
ちなみに犬か猫かと聞かれれば犬派。最初では 「裏切らないから」と答えるだが、本当の理由は猫アレルギー持ちだけであるため。「ねこにんの里」に招待された時も最初は 「そんな場所に行く暇はない」と拒否していたが、仲間達に流されて結局行く羽目になってしまう。猫アレルギーであるのが発覚し、くしゃみとしゃっくりで散々な目に遭った。
自分らしくあろうとした彼女の結末
以下重大なネタバレあり
その後アルトリウスの“カノヌシの鎮めの力を利用し、人々の感情を封じる世界を完成させる“計画に対抗すべく、一等及び特等対魔士シグレ・ランゲツ、メルキオル、テレサとオスカーの魂を「世界の中心」と呼ばれた地脈湧点であるキララウス火山の火口に撃ち込み、四聖主を復活させてカノヌシの領域を押さえ込む事に成功。空中に逃れたカノヌシを追い最終決戦に臨む。
ついに最終決戦の地「八頭竜カノヌシ」でアルトリウス、カノヌシと対峙するベルベットは、災禍の顕主としてではなく『村娘』として、かつてアーサーが告げた「なぜ鳥は空を飛ぶのか」という問いに「鳥は飛びたいから自分の意志で空を飛ぶ」と答え、『ラフィ』がくれた櫛を盾にしカノヌシに自分の手で櫛を壊させる事でカノヌシの精神を動揺させ、アルトリウスが知らなかった『アーサー』から教わった戦訓、喰魔の特性とシアリーズが託した術式を駆使して神依化したアルトリウスからカノヌシを引き剥がし、アルトリウスから"『ラフィ』を刺した剣"を奪い、彼の心臓を刺した。
そして最後の最後に2人は『災禍の顕主と導師』から『村娘ベルベットと義兄アーサー』に戻り、ベルベットはアーサーの最初で最後の本音を受け止めた直後、制御するものを失ったカノヌシが暴走寸前となる。他の喰魔たちや聖隷ライフィセットはカノヌシの一部であり、カノヌシを殺してしまえば彼らも命を落としてしまう事を知っていたベルベットは、聖隷ライフィセットと喰魔たちを生かすと、自分自身にケジメを付けるために「カノヌシに己を喰わせ、自らもカノヌシを喰らい続ける」ことで無限の矛盾を発生させ、「自分自身を道連れにカノヌシ共々生きたまま未来永劫封印、仲間たちに自分らしく生きることのできる未来を残す」という道を選び、永遠の眠りにつき覚めない夢を見続けた。
ゼスティリアとザ・クロスにおいて
元々の後の世では、彼女の復讐劇については彼女の名前さえローグレス(後のローランスの首都ペンドラゴ)皇家により闇に葬られた歴史になり『記録に残されている最古の災禍の顕主と導師の戦い』のみが伝えられた。
しかし聖隷ライフィセットに視点を置いたベルセリアの公式小説では、「“人間“は美しい面もあれば醜い面もある事」と、「愛情と憎しみのどちらか一方だけではなく、その二面を併せ持ち、その狭間で悩み、苦しみ、それでも前に進もうとする彼女から気付いた事」――彼が彼女との旅の出来事と彼女の生き方から学んだ事が後の世の導師に伝わった。
アニメでは、“人々の穢れをなくす為のある儀式を経てもなお消す事のできない程かの人物への憎しみを抱き続け、災厄の時代を生み出した 「災厄の始まり」と呼ばれた存在“と語られた。ただし『災禍の顕主』としてではなくベルベット・クラウという人間として、ローランス皇家のみに密かに受け継がれる伝承の中に彼女の存在を語り部が残し、導師ミケルが残していた「もう一つの天遺見聞録」では顔までは描かれていないが長い黒髪と業魔手は描き残されている。更にスレイの夢の中で、遠い昔の故郷の森の奥の祠がある岬で嘗て尋ねられた 「なぜ鳥は空を飛ぶのか」に対しての自分なりの答えと、「自分の信じる道を進め」というメッセージを残し、彼を後押しした。
他の作品への出演
テイルズオブアスタリア
第4章『追憶の楽園(エデン)』編に主人公の一人及びその中でもメイン主人公として登場。
成すべき事を成す大事の時に天帝が世界を造り替えた事によって果たせなかった。そのため、世界を取り戻すために奮闘する。
テイルズオブリンク
本編第2章「碧に沈む星の灯」に登場。「人喰いの魔物」と称されている。
テイルズオブザレイズ
プレイヤーキャラとして登場。参戦時期は7月27日、第10章「伝承と始まりの世界」配信時。
聖隷ライフィセットと共に具現化した鏡映点。具現化したタイミングが最終決戦直前ーー少なくとも四聖主を復活させた後、もしくは「八頭竜カノヌシ」に突入する前の状態なので「この世界にアルトリウスがいない事実」を理解しても普通に落ち着いている。一方、ファントムの手で「真実の数々を知り、聖隷ライフィセットの説得が効かず、完全に絶望と憎悪に支配されアルトリウスを殺すことだけが唯一の生き甲斐になってしまった彼女」が『復讐鬼』として具現化、ファントムに「元の世界に戻りたいならイクスという鏡士を殺し、魔鏡を奪え」と吹き込まれた為、イクスをおびき寄せる為に各地で混乱を起こしている。最終的にベルベットは絶望ゆえに己を捨てたアルトリウスと違い「過去の自分を無かった事にはしない。前に進む為に全てを喰らう」事で『復讐鬼』の全を喰らった。
後の世の導師でもあるスレイとは「災禍の顕主と導師」という立場として一時は敵対するかと思われたが、スレイが「ベルベット」としての人柄を理解して歩み寄る姿勢を見せる。ベルベットはそんなスレイに「全と個だったらどっちを取るか」と尋ねたが、彼女と導師の因縁を知らないスレイが思ったままに出した答えは「全ての個を取れば全になる」であった。思わぬ回答にベルベットは拍子抜けするが、スレイがアルトリウスとは違う考えを持つ導師なのだと理解し、互いに和解した。この出来事をベルベットは「異世界で得た新しい答え」として刻んでおり、アルトリウスと対峙した時に「(全ての個を取れば全になるという答えができた)スレイをお前なんかと一緒にするな!」と発言している。
異世界に具現化した際のエンコードのおかげで、穢れを放出している事による周囲への悪影響はなくなっており、失われた自身の味覚も戻っている。ただしロクロウと同様に業魔である事に変わりはなく、天族たちからは憑魔だと見抜かれる他、食事を必要としない身体の為食べても満腹感はない。
相変わらずのお節介さと主婦スキルを発揮しており、料理は絶賛されている。また亡き姉に瓜二つの天族、テレサとオスカーの事も気にかけており、珍しくベルベットの方から声をかけている様子。
本作で、紅牙連刃、追葬衝、MAGDALEN16、業牙爆響弾(紅牙連刃の技変化)、魔王炎撃砕波(魔王炎撃波の技変化)追葬楽衝(追葬衝の技変化)、T-SKYLLA(MAGDALEN16の技変化)を新術技として習得。
魔鏡技は 「アンヴィバレンツ」「ナイトメアクロウ」「カタストロフィ・スマッシュ」「エナジーサポート」「業焔紅滅爪」「顕禍骸業」「ファランクス・レイド」「パレード・インパクト」「烈火滅衝燼」「U・TENERITAS」。「業焔紅滅爪」は精霊装をレアリティ3まで強化すると使用可能になる。
ファミスタクライマックス
『復讐を胸に生きてきた女性。あらゆるものを喰らい尽くす「業魔手」で勢い余ってボールを握り潰してしまい、度々弁償している』(ゲーム内選手説明より)
現行BNGIのキャラクターの集う「バンダイナムコスターズ」の選手として登場。
背番号はテイルズ本編16作品目から16番。ポジションは外野手で公式設定では右利きであるが、こちらでは選手説明文及びゲーム内イラストにて左投両打となっている。
一芸に特化した能力が多い選手の中で、走攻守が三拍子揃ったバランス良く高い能力をしている。
試合中に発動するスキルも打球をより高く飛ばせるようになる「サヨナラ」や「長打狙い」に自らを犠牲にして仲間のランナーを進めやすくする「犠牲フライ」、仲間が同じスキルやチームの一員だと連携して発動する「チーム愛」や「外野コンボ」に「クリーンアップ」など、原作での性能に合わせた構成になっている。その反面、試合中の特殊能力発動は試合やチームメイトの状況に依存しているため、原作同様に自操作でうまく調整しないと真価を発揮しにくい。
ヴァルキリーアナトミア
VALKYRIE ANATOMIA側にテイルズオブザレイズとのコラボイベントで参戦が決定。
攻撃技は 「四葬天幻」「堕天衝」「ナイトメアクロウ」、ピュリファイアタックは 「インパルス・ディザイア」。
アナザーエデン
「光陰の尾四天の星々」というコラボシナリオにてクレス、ユーリ、ミラと共に参戦。他にNPCとしてのみだがマギルゥも参加。常設かつ配布なので取り逃す心配はない。
☆4・Lv30で加入するが、シナリオクリア後の試練をクリアすることで☆5に昇格できる。
あちらのメインキャラであるエイミと声がよく似ており、それをネタにした会話もある。ちなみにエイミも復讐に燃えるキャラだが、コラボ時点ではその敵対勢力ともある程度折り合いをつけている。
戦闘時の待機モーションはどう見ても拳武器のソレにしか見えないが、得物は剣で斬攻撃を使う。
性能はクリティカルを決めて「ソウルゲージ」を蓄積し、蓄積を重ね「喰魔」状態になって無双する癖の強い地属性アタッカー。本領発揮までに時間がかかるというコンセプトだが、喰魔でなくても充分強力。
燃費が気になるが地属性・物理耐性の双方のデバフを扱えるため他の地属性アタッカーのサポーターとしても使える。
専用武器は攻撃力がやや心許ないものの、ペイン(スリップダメージを伴う異常)状態の相手に対しダメージが上がる効果を持っているため完全上位互換の量産武器がある他のキャラと違い十分メインウェポンとして使っていける。
関連イラスト
関連タグ
テイルズオブシリーズ テイルズオブベルセリア TOB 女主人公 囚人公 アンチヒーロー ダークヒロイン 悲劇のヒロイン 姉 妹 村娘 人外 悪役 偽悪 魔王 PTSD 二律背反 アンビバレンツ 反転アンチ ※主人公です
ライフィセット ロクロウ・ランゲツ アイゼン(TOB) マギルゥ エレノア・ヒューム
ライフィセット・クラウ セリカ・クラウ シアリーズ アルトリウス・コールブランド
表記揺れ
ベルベット(TOB) ベルベット(曖昧さ回避)
カップリングタグ
他作品
スレイ:後の世の導師で主人公。目的と立場や、イメージカラーと通常カラバリとキャラテーマなど、表面的なものだけを見るとあらゆる意味で対極する存在である筈なのだが……
ヘルダルフ:後の世の災禍の顕主でラスボス。家族を愛し、導師の手によって全てを失い、災禍の顕主にされたという共通点がある。ただし目的や行動理念は全然違う。
クレス・アルベイン:テイルズオブシリーズ元祖主人公。彼もまた「ラスボスにより家族と故郷、親しかった人々を皆殺しにされ復讐のために旅立つ」という共通点がある。
中の人繋がり
中の人は『テイルズオブエクシリア』でプレザと『テイルズオブハーツ』でドナ・メテオライトとサンゴ・コラーロ(PSV版)を演じていた。
御坂美琴:中の人つながりで、シアリーズの中の人は妹分を、ライフィセットの中の人は好敵手を演じている。
ラグナ=ザ=ブラッドエッジ:少年時代は中の人が一緒、弟に狙われる等共通点が。右腕と左腕の違いあれどゲーム中では相手の体力を吸収、自ら体力を減少させての強化等が共通している。
名台詞
「矛盾した醜いエゴだって分かってる。けど、あの暖かい日々はあたしが、あたしたち家族が生きた証だったの。どんなに苦しくて悲しくても、あたしは、この“復讐“をやり遂げる」
「覚えておきなさい。『災禍の顕主』は死んでも諦めないのよ」
「ラフィのお姉ちゃんでセリカお姉ちゃんとアーサー義兄さんの妹で、幸せだったよ」
「悪い事は全部『災禍の顕主』のせいにしとけばいいのよ」
「我が名は災禍!『災禍の顕主ベルベット』だ!」
「『災禍の顕主』は魔王なんかじゃない、自分勝手で最低な女なのよ」
「特等対魔士を殺し、世界を混乱の炎で包む!」
「『なぜ鳥は空を飛ぶのか』答えがわかったわ。鳥はね、飛びたいから空を飛ぶの。理由なんてなくても。翼が折れて死ぬかもしれなくても。他人(ひと)の為なんかじゃない。誰かに命令されたからでもない。鳥はただ、自分が飛びたいから空を飛ぶんだ!ーーそう、それが『あたし』よ!」
「戦訓その零!『絶対に諦めるな』!」
「あたしもそう思う。もしそうだったらきっと義兄さんは…あたしたちのために世界を救ってくれたもの」
「死になさい。食べて、生きて、したいことを全部やった後に」