概要
ゲーム『テイルズオブベルセリア』に登場するキーワード及びキーキャラクター。
聖寮が掲げる五番目の新聖主であり、殆どの聖隷ですら存在を知らなかった「鎮めの聖主」。
カノヌシという名前は本名ではなく、「忌み名の聖主」と呼ばれていた通りその名を口に出す事すら禁じられていた事から、「彼の主(カノヌシ)」と呼ばれるようになった。
他の四聖主の力を抑え込み世界のバランスを担っている他、世界の穢れが限界に達した時に、鎮静化による「文明のリセット」の役割を担っている。
関連タグ
ネタバレ
以下に物語の重大なネタバレあり
概要
CV:釘宮理恵
キャラクターデザイン:いのまたむつみ
年齢:11歳(転生時の外見年齢)
身長:142cm
種族:聖隷
アルトリウスと並ぶ本作のラスボス。
カノヌシはそれぞれ「心」と「体」が分離した状態で封印されており、復活には強い霊応力を持つ二人の穢れなき魂の生贄が必要だった。
そして作中で生贄になったのは、ひとりが業魔化した強盗によって母体ごと祠に突き落とされた生まれる筈だったアルトリウスの息子、もうひとりがベルベット・クラウの弟ライフィセット(以下ラフィ)である。
物語の中で7体の喰魔を通して送られた穢れで復活するが、カノヌシの「心」の部分は既に聖隷の「ライフィセット」(以下フィー)として転生していた為、カノヌシの「体」は、生贄となったラフィとしての記憶を持ちながらも心が欠落した状態になっていた。
性格も傲慢な上に不完全に復活した為、「全のための個の犠牲」と称して人間や聖隷をも道具のように扱い、業魔を生み出す人の感情を「無駄なもの」と見下している。
また生贄となったラフィの記憶と容姿を利用し、(弟の復讐のために)数々の罪を重ねてきたベルベットを、「醜い穢れ」と言って今までの彼女を否定して絶望に突き落とし、自らの完全復活のために絶望の穢れを抱えたベルベットを喰らおうとする。
しかしベルベットはフィーの決死の説得によって絶望を打ち払い、真相を知った上で「自分たち家族を切り捨てたアルトリウスとラフィへの復讐」を決心して乗り越えてしまった。
※真相についてはライフィセット・クラウを参照。
そのためベルベットの心を支えているフィーに強い敵意を抱き、彼を殺そうとしている。
他の四聖主が現在眠りについている事から、アルトリウスの手で先に復活を遂げた際に地脈を己の領域とし、更に地上でも自らの領域を広げて全ての人間の感情を封じようとする。しかしその領域が完全なものになる前に、ベルベット達が地脈に眠る四聖主を復活させた事で、四聖主の領域に押し負け地脈から宇宙へと追い出された。それでも押し返そうとしていたところでベルベット達が侵入してきた為、アルトリウスと共に最後の戦いに挑む。
アルトリウスが契約の際に与えた真名は『ネブ=ヒイ=エジャム』で、「理想のための翼」を意味する。
カノヌシの主な能力
本編
「鎮めの聖主」という呼び名である通り、『(周りの生物の感情や意志を)沈静化させる』という力を持っている。
また、「穢れ」を浄化する能力を持っており、片割れであるライフィセット(フィー)の『白銀の炎(浄化の炎)』もこれに基づく。
「穢れ」や「業魔」を食らう『喰魔(くうま)』を生み出した犯人もカノヌシであり、喰魔が穢れを喰うことが出来るのはカノヌシの能力の影響である。
カノヌシは穢れを浄化した後に眠りにつくため、永遠に浄化し続けるためにカースランド島のザ・カリスに捕らえたドラゴンの穢れを喰わせるという非人道的な手段を使っている(この為カースランド島の地脈の流れが堰き止められてしまいはるか未来でとんでもない亡霊が生まれてしまう)。
戦闘スタイル
紙葉のようなものと穢れを自由自在に操る。
近接戦では紙葉のようなものを細剣に合体させる。見た目はか細いが、イベントシーンで金剛鉄(オリハルコン)の大太刀をいとも容易くへし折る威力を示し、プレイヤーに聖主(神)の力をまざまざと見せつけた。
実際の戦闘でも聖隷術と紙葉を利用したほほ全距離攻撃を繰り出す。
秘奥義は『プライマリィ・キリング』。
結末
アルトリウスの死により制御不能となり、「お腹が空いたよォォォォ!」と叫び、鎮めの力を暴走させる。
この暴走を食い止めつつ、他の喰魔やフィーを護る為(カノヌシの死はその一部にさせられた喰魔とフィーも消滅することを意味する)に、ベルベットはカノヌシに自分の身体を喰らわせつつ、自身もカノヌシの身体に喰らいついて「互いが互いを喰らい合う無限の矛盾」を発生させることで、自分諸共カノヌシを半永久的に封じ込めるという手段をとるのだった。
本来のカノヌシ
カノヌシは元々、かつて天界から降り立った天族たちを率いた五柱の聖主の一人である。この天族たちは人間との共存を志した一派であり、人間界を害として滅ぼそうとする一派との賭けをした。しかしその契約に仕組まれた罠により業魔とドラゴンが生まれ地上は混乱。共存は未だ成されず、いつしかカノヌシが地上の滅亡を食い止める安全弁となり一万年以上が経過した。
おそらくはカノヌシ自身も人間との共存を夢見ていたと思われるが、作中のカノヌシは心を持たずに復活したため本来の人格ははっきりとしない。
テイルズオブゼスティリアにおいて
テイルズオブベルセリアの遥か未来を描いた『テイルズオブゼスティリア』ではカノヌシ本人は登場しないものの、アルトリウスの玉座(ベルセリアの聖主の御座)のディスカバリーとして「カノヌシの紋章」がある。
長生きした天族も余り知らない、謎に包まれた天族だと語られる。
ライラはカノヌシ様と呼んでいたが関係は不明。
ザビーダは一時的にベルベット一行と行動を共にしていたため、カノヌシの事を当然知っているが、黙っていた。
※この時代ではカノヌシの代わりの聖主「マオテラス」が存在している。
余談
中の人は『テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士』でマルタ・ルアルディを演じていた。
ラフィの姿をしたカノヌシが「ミトスに見える」という意見があったが、実際キャラデザを手掛けたいのまたむつみ氏は「ミトスを意識してデザインした」と述べている。
また、よく勘違いされることだが『ラフィとカノヌシは(同じ姿をした)別人』であり、ゲーム中に登場するカノヌシはラフィの生まれ変わりではなく「ラフィの身体と記憶を持ってそれを利用しているカノヌシ」である。
※実際、カノヌシ戦ではエネミー表記が「カノヌシ」になっている。
これは、シアリーズがベルベットに言っていた「人間から転生した聖隷はその人と同じ姿をしていてもその人と同じ心を持っているわけではない(その人自身ではない)」と同じことになっていると思われる。
この関係はテイルズオブイノセンスのルカ・ミルダと、彼の前世であるアスラをはじめとしたキャラクターたちと同様である。
ベルセリアのダンジョン「聖主の御座」とゼスティリアのダンジョン「アルトリウスの玉座」は大変似通っており、恐らく神殿自体には余り改修はされておらず、そのまま使った可能性がある。
関連イラスト
関連タグ
ベルベット・クラウ ライフィセット ライフィセット・クラウ セリカ・クラウ アルトリウス・コールブランド
マオテラス(新たな聖主)
フォルトゥナ→死亡時に起きる現象が似ている。