小便器とは
男性の立小便に適した便器、俗称は「朝顔。女性用の小便器であるサニスタンドも存在する。床に取り付けられたストール小便器、壁に取り付けられた壁掛小便器に分類される。
小便器は小便専用の便器であり、小便器を設置するスペースを作ることで大便器を置くスペースが減り、大便待ちの人間が多いときにトイレの混雑の一因になる部分があるが、洋式や和式の便器のように個室を設ける必要が無いため大量に設置できるメリットがある。
また、個室に設置された大便器で小便を足すには座るための時間以外にもドアの開閉の時間もかかってしまう。男性用の小便器は立ちながら小便を手早く済ますことが可能であるため、小便専用の便器でありながら撤去されるにいたっていない。
歴史
女性用小便器(サニスタンド)
かつては女性用の小便器であるサニスタンドが、女子トイレにも大量に設置されており、女性器を紙で拭う必要こそあったものの、女性も男性同様に立って手早く用を足していたため、現在ほど女子トイレが混雑することは少なかった。しかし、サニスタンドは現在では撤去され、女子トイレは頻繁に渋滞を起こしてしまうこととなった。
サニスタンドは男性用の小便器とは反対に、便器の反対を向いて用を足す小便器である。そのため、サニスタンドを対面に設置すると、放尿中に対面で放尿している女性の性器が丸見えになってしまう問題があった。よってプライバシー保護の観点から、個室化することが求められたが、個室化はスペースを多く取るため、小便器を個室に置く余裕が無く、現在のように女子トイレは個室の大便器のみで構成されることになった。
しかし、これは女性の立ちションが否定されたわけではなく、現在でも女子トイレが混雑しているときに、男子トイレの小便器で用を足す女性は存在する。
壁式小便器
ボウル状の小便器を省略し、コンクリートや陶器の壁にそのまま放尿するだけの形のもの。
1人分の大きさのものや仕切りがあるものもあったが、まったく仕切りがなく、詰めれば何人でも同時に用が足せるようなものもある。
多くはボットン便所であるが、水洗トイレもわずかに存在する。後者の場合、水洗は利用者が流すのではなく、一定時間おきに流したり、清掃時間に流したりする。
中にはそれが男女共用トイレに導入されていることもある。男性がモノを露出している横を通って個室に入ったり、個室の空きを待ったりする女性の心情はいかばかりか。
かつて学校や公園、駅、ドライブインなどに多数みられた。現在は減少傾向であるが、皆無ではない。