曖昧さ回避
北欧神話の冥府、ニブルヘイム
カナではニヴルヘイムとも表記する。『スノリのエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」に登場する地名。『古エッダ』でいうニヴルヘルとも同一視される。
「ギュルヴィたぶらかし」によれば、ニブルヘイムの住人は病気や寿命で死んだものであり、その支配者は女神ヘルである。
また同書は、悪い人間はヘルを経てニヴルヘルに行くともいう。
しかし、同書で“よいことばかり語られる最も優れた神”とされているバルドルまたは、同書でヘルの館に住んでいるとされる。
そうすると、バルドルを悪い人間というのは矛盾するので、ヘルヘイム(ヘルの館)とニブルヘイムは別の場所であるとも解釈されている。
『古エッダ』「巫女の予言」によれば、重い流れの川を偽証人、人殺し、人妻を誘惑した者が渡り、狼が彼らを引き裂き黒竜ニーズヘグが彼らの血をすするという。「ギュルヴィたぶらかし」によれば、このニーズヘグが住む地こそニブルヘイムである。