概要
海上自衛隊に所属する護衛艦の長い航海の中で、時折艦長から発せられるのがこのF作業である。読みはそのまま『エフさぎょう』とするかフォネティックコードで『フォックスさぎょう』のどちらか。
この号令が発せられると、護衛艦勤務の海上自衛官たちは、おのおの愛用の得物を手に甲板へ集結し、目標である英語で呼ぶと頭文字がFのやつを捕獲するための作業に没頭するのである。
要するにただの魚(Fish)釣り
娯楽の少ない洋上での自由時間を過ごすための息抜きのひとつ。艦長の許可がなければ基本的にすることが出来ないが、釣果がよければその日の夕食に並ぶこともある。そのためこの作業に並々ならぬ熱意を向ける隊員もいるという。(掃海母艦うらがなど、補助艦艇の一部に搭載される救命いかだにも装備品に「釣具」と書かれているほど。)
ちなみに、領海内でこれを行うと密漁行為となるため、領海外で行われている。
旧軍からの伝統
前身組織でもある大日本帝国海軍においても釣りは嗜まれていた。
とはいえ、軍艦でそういうことをすることは基本的に禁じられていたのだが、娯楽の少ない長い航海で健全な行為で気を紛らわせることができるのであればそれに越したことはなく、むしろ艦長が推奨していた艦もあったほど、事実上黙認されていた。また、敵空爆のショックで浮いてきた魚を「救助」して美味しくいただく艦もあった。