概要
東京都中央区日本橋室町に存在する、東京メトロの駅の一つ。同社路線の駅名の中で唯一、一般企業名を冠した駅である。
地下鉄銀座線・半蔵門線が乗り入れている他、JR新日本橋駅とも構内が連結している。
1932年、東京地下鉄道(現在の銀座線)の路線延伸時に百貨店の三越が建設費用を全額負担して作られた駅で、その名の通り同百貨店の本店の目の前に設けられており、駅構内には店舗への直通出入口があるのはもちろん、ホーム壁面の意匠などにも三越の意向が反映されている。日本初の構内エスカレーターも設置されるなど、開業当時は国内最先端の技術を凝らした駅であったという。
ちなみに負担費用は現在の価格で約80億円ほど。もっとも、路線図や駅名アナウンスにて毎回自社名が連呼されるのだから、その宣伝効果はきっと投資額以上のものであろう。
余談
1989年に半蔵門線が乗り入れた当初、同駅はその終着点だったのだが、同線との直通運転を行う東京急行電鉄は自社車両や時刻表・ホームの発車標の行先にライバル百貨店「三越」の名前を掲示せざるを得なくなるというジレンマを抱え(当時、系列の東急百貨店が同じ日本橋に店舗を構えていたため。その後1999年に閉店。跡地はコレド日本橋となった)、自社線内では「渋谷方面」「半蔵門線直通電車」など行先を曖昧にしてアナウンスを行い、その名を呼ぶことを可能な限り避けたという(翌年1990年に半蔵門線が水天宮前駅まで延伸されて以降、そのジレンマも解消された模様)。