概要
新約13巻の終盤、突如として“魔神”、ネフテュス、娘々の前に現れた自称平凡な高校生を名乗る謎の少年。
何処の街にもいそうな平凡だが優しい声をした中肉中背の茶色い髪をしたごく普通の少年だが、その言動はどこか悟りを開いた者が繰るような退廃的かつ優しいが何処か不気味さを醸し出すかのような感じを持たせるものとなっている。彼もまた、平凡な高校生を名乗っており、平凡な高校生でいたいとも思っているようだ。
その結果、自らや周囲の人間を『平凡』でなくなる要因を作った魔人達に凄まじいまでの憎悪と殺意を抱き、それらを完全に撲滅する為、行動する事になった。
上里勢力、と呼ばれている大量の少女(100人超)に慕われているが、少女たちは彼の右手のみに引き寄せられていると思いその事を嫌っている。上里勢力は上里を盲信しており、彼のためなら死体一つ二つ埋めてくることなどを躊躇わないと言われている。
去鳴という義理の妹がおり、彼女からも慕われている。
当初、自らに極めて近い存在である上条当麻と同類だと考え同情していたが、その思想や信念、価値観、そして自らに備わった能力や自らを慕ってくる者達への考え等は、彼と完全に相容れないものとなっており、本人からも徹底的に否定された事で、「降って湧いた幸運を享受しているハーレム肯定野郎」と口汚く罵り、以降は卑劣な手段を用いてでも、本気で彼を殺しに掛かろうとする。
しかし、『魔神への復讐』や『魔神を庇う上条当麻を殺す事』については、「お門違いの八つ当たり」「魔神を全滅させて理想送りが消滅しても周りの取り巻きバカが元に戻る保証はどこにもない」と、去鳴から否定的に見られている。
その右手には上条の“幻想殺し”と対になると推測される『理想送り(ワールドリジェクター)』が宿っており、僧正を殺された復讐をなさんとしていた娘々始めネフティス以外の魔神たち(少なくともキメラ、テスカトリポカ、ヌアダ、プロセルピナ)をその能力を使って“新天地”と呼ばれる新世界へと追放した。
なお、僧正、ゾンビは既に殺害されていた為、オティヌスとはまだ出会っていない為に追放はされていない。
物語の裏で暗躍しているアレイスター=クロウリー及び彼の旧友にして木原一族の1人?(1匹)である木原脳幹ですらその存在を知らない完全イレギュラー的存在。
ローラ=スチュアートだけが上里と理想送りの存在を知っており、アレイスターのプランを捻じ曲げるために烏丸府蘭を上里勢力に送り込み、学園都市へと誘導した。ローラが知っていた理由は、彼女の正体と目的に深く関わってくる。
理想送り(ワールドリジェクター)
上里翔流の右手に宿っている力。
その効果は「願望の重複」が発生した者を「新天地」と呼ばれる隔絶された空間へと追放するというもの。
魔神が幻想殺しに代わる力を無意識に願った結果、上里に宿った力と推測されている。そのため上里は自分の運命を捻じ曲げた魔神を憎んでいる。
新天地とは世界に設定された余剰空間のことである。
上条達の世界は意外と無駄が多い。フィルムのコマ割りに例えるなら本来あるべき60コマのフィルムを10コマしか使用してない状態らしい。その余ったコマこそが新天地と呼ばれる同一時間軸上の余剰スペースで、上里の右手はそこに対象を配置する力とされている。
「新たな天地を望むか」という言葉が発動キーとなっているようだが、言わずに発動したシーンも結構有る。
対象は願望の重複が発生した者の所有物にも及ぶ。例えばアレイスターの場合は窓のないビルに備えられたロケットブースターなどが新天地へと送られていた。
他にも全力状態のネフテュスが創造した“位相(世界)”を軽く握り潰しており、“幻想殺し”と同じくその性質や詳しい能力については謎の部分が多かった。
当麻の“幻想殺し”とは同質にして全く真逆、対極に位置する力で、願い、夢、可能性を集積した希望の力(ローラ曰はく幻想殺しが半端な形だったばかりにあらゆる魔術師の夢を受け止めきれず、横から溢れる形で凝縮された別の夢)、本人によれば相手に救いを齎す力であるらしい。
その為、魔術を究めて神様にまで到達し、既に願いを叶えてしまった存在である魔神たちは常に次なる新天地に理想を抱いてる為にこの力の前では希望に満ちた誘惑にかられ、安心を求めて容易く餌食にされてしまうという。
魔神が無意識下で生み出した“魔神殺し”に最適な能力ともいえる。…まぁ実際には追放された魔神たちも死んでないし、新天地で元気に暮らしていたが。