※ここでは、キタミンククジラ、ミナミ(クロ)ミンククジラ、「ドワーフミンククジラ」などの亜種を包括的に記述する。
概要
別名コイワシクジラ。
名前の由来は、捕鯨者マインケ。
平均体長6~8m、最大10.7~11.2m程度。体重5~6t、最大14t。
現生のヒゲクジラの中では、コセミクジラに次いで2番目に小さい種類である。
現在も日本近海で比較的多く見られるヒゲクジラの1つ。
捕獲の是非
ミンククジラの捕獲の是非は日本を始めた捕鯨国と、欧米を中心とした反捕鯨国の間で度々議論になる。
捕鯨賛成派の主張
- 調査捕鯨(間引き)を行うことによってミンククジラの個体数は適度に調整され、生物多様性が保たれる。
- クジラの個体数の減少は、19世紀の欧米による鯨油を目的とした乱獲が主たる原因である。(白鯨は鯨油を採る船での話である。)
- 捕鯨は文化的にも非常に重要なものであり、捕鯨を止めさせることはその国の文化を破壊することに等しい。
- クジラの密漁に対して先に対策を取るべきである。
捕鯨反対派の主張
- 実際のミンククジラは絶滅危惧や減少する個体群も複数存在している。(日本哺乳類学会およびレッドリスト)
- 日本側が発表した南極海の推定個体数76万頭よりも実際は遥かに少ない&個体数の増加もストップしている。実際に倍増したのは、ペンギンやアザラシ類などの他の生物だった。
- 最新では51.5万頭とされるが、これはCRという、「極めて絶滅の危険性が高い」とされる減少速度だという。
- ミンククジラは、大型鯨類の激減した海洋生態系のバランサーとして機能してきた可能性がある。
- ミンククジラが他の鯨類の回復を阻害することはない。(リンク)
- 地球温暖化により、氷棚の周囲に依存しがちなミンククジラに必要な生息環境が減少してきている。
- 日本が唱えていた「鯨食害論」は国内外の知識層から大きな批判を浴びた後に撤回されている。それどころか、その後も、日本側自身が「なかったこと」のような扱いをしている。
- 鯨類の餌は人間の食用とする魚介類とかぶらない部分の方が多く、数ヶ月から半年近く絶食に近いまま過ごす種類も少なくないので、「鯨食害論」で挙げられた計算法は正解ではない。
- 近年は、これまでの食物連鎖よりも複雑な食物網の考え方が主流になっており、クジラが増えすぎる事は基本的にはありえない。
- 鯨類は生態系において極めて重要な役割を果たしており、魚類の増加にも関与している。また、鯨類の糞に含まれる高濃度のリンが、生態系の維持と地球温暖化の防止になる植物プランクトンを大量に発生させる事が判明している。
- 遺伝子調査や捕鯨記録の解読の結果、種類や個体群でも差はあるが、相対的に比較した場合、今の何十倍(個体群によっては数百倍から数千倍)ものクジラ・イルカがいたと考えられている。
- 繁殖力の低い大型哺乳類である鯨類は、家畜の代用にはなり得ない。
- 現在に至る鯨類の密猟の代名詞と言えば日本であり、シーシェパードが欧米で比較的評価されてきた理由の一つに、日本を含む数々の海賊捕鯨を撲滅してきた事がある(リンク)。絶滅危惧種ですら今日まで密猟されてきたと思わしき事例も一つや二つどころではない。
- そもそも日本はボン条約に入ってすらいない。
- よく引き合いに出される韓国の場合、密猟や混獲として日本で報道されているが、実際は「クジラ」として報道されている大半はスナメリであり(リンク)、絶滅危惧種として報道されている場合も違う種類の事が多い。また、沿岸警備隊に密猟対策専門のチームを作り成果を上げている(リンク)だけでなく、政府も混獲防止チームを作った。
- 日本のいう「文化」とは、ほとんどが戦前と戦後にできたものである。日本の捕鯨も油が主対象であり、肉を棄ててきた事も多い。また、現在も大量の肉の在庫を抱えているだけでなく、日本国全体の食料廃棄率も極めて酷い。
- C・W・ニコルが日本を見捨てたのも、日本の捕鯨の不誠実さと彼に対する裏切りが原因。
- 太平洋の鯨類の減少は、欧米よりも日本とソ連の責任が多い。少なくとも アジアの鯨類に関しては殆ど日本の責任であり、シロナガスクジラなどの絶滅危惧種がアジアでほぼ絶滅しているのは日本のせい。
- 南極における「捕鯨オリンピック」の時代、「シロナガス換算」というルール違反で大量に捕鯨をしてきたのは日本。
- 「ダブルスタンダード」と反捕鯨国を批判しながら、日本は国内にて疑似科学を用いて世論を操作したり、「海なし国」や発展途上国を国際捕鯨委員会にて手駒にするためにODAを利用した強迫じみた要請や姦計などを実際にしてきた。
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