概要
クジラ(ハクジラ)の一種。漢字では「砂滑」「江豚」「懶婦魚」と表記する。
全長1.5mほどの小型の歯クジラ(ネズミイルカ類)。背びれは無く、頭が丸く小振りなのが特徴。
3種類から4種類の亜種がいるとされ、長江には淡水性の黒い体を持つ亜種が存在している。
他の種類のイルカと比べると頭部の可動範囲が広く、正面から見ると笑ったような特徴的な顔をしている。性質は非常におとなしく、イカナゴなどの小魚を食べる。浅い海や海峡の周辺の潮の流れの速い場所を好み、人間との関わりも深い。現代のアジアにおいて、干潟に現れることがある珍しい鯨類。日本では捕鯨の対象ではない。
かつては瀬戸内海に5000頭以上生息していたと言われ、スナメリに小魚を追わせてタイやスズキなどの魚を捕るスナメリ網代漁が行われていた。水質汚染や浅瀬の減少で個体数が激減しており、広島県の天然記念物に指定されているが、肝心の該当地域では現在ではほとんど見ることはないとされる。
また、東京湾の個体群は消滅寸前ともされている。