概要
路線は大阪市全域に展開し、一部は守口市、門真市、東大阪市、堺市、松原市、摂津市にも伸びている。また市域に停留所はないが大東市内を走行する路線がある。他の公営バスと違い文字通り大阪市内全域を網羅しており、事実上大阪市内の路線バスを独占している状態である、他の民間バスの乗り入れはかなり限定されており、またそれらの民間バス路線も大阪市内においては市営バスと競合状態にある。
古くから、新技術、サービスの導入には積極的なバス事業者として知られていた。
歴史
1927年に、あべの橋~平野間の路線でスタート、車両塗色から「銀バス」の愛称がつけられていた。
1940年にそれまで大阪市内で競合していた大阪乗合自動車(青バス)を統合し市電、地下鉄を合わせて大阪市内交通を事実上独占する状態(市営モンロー主義の完成)に。
1951年に日本初のワンマンバスの運行をスタートさせている。
1960年台には、周辺の民間バスとの相互乗り入れの形で市外路線も多数開設された時期もあった。
2018年4月に大阪シティバスに移管予定。
路線
路線概要
大阪市内全域に路線を張り巡らせており、殆どの地域で徒歩10分圏内に市バス停留所または地下鉄駅があるという形になっている。また中心部は地下鉄網が整備されていることから、基本的にバスは地下鉄の補完という形であり、地下鉄並行路線が少ないという特徴がある。特に中心部では堺筋、谷町筋、中央大通のようにバス路線そのものがない区間も少なくない。
1974~2002年は中心部から乗継停留所への幹線系統とそこから各方面への支線系統という形と取り、幹線と支線の乗継は一乗車料金で利用できるゾーンバスシステムを導入していたが、2002年以降は系統にかかわらず降車時から90分以内で次のバスに乗り継いで降車した場合は一乗車料金となる(乗り継いだバスの料金が事実上無料)乗継割引制度に移行する形に変更されている。
また地下鉄の補完という役割もあるため、地下鉄・ニュートラムとの乗継割引制度も導入されており、バス・バス乗継割引の併用も可能となっている。
現在は、1時間あたりの運行本数を元に幹線、フィーダー、地域、コミュニティの各系統に区分されており、公式路線図も運行本数を元にして表記を変えている。
停留所とターミナル
路線の一部は市電代替で運行されていることも多いため、停留所名と最寄鉄道駅名が違うことが多い、大阪駅前(地下鉄は「梅田」)、あべの橋(地下鉄は「天王寺」)が代表例である。逆に「野田阪神」のように地下鉄が市電、市バス停留所名に合わせた例もある。かつては同一停留所名でありながら、違う位置の停留所に停車するダブルストップも多かったが、統合されたり、どちらかの停留所名を改称(「大阪駅前→曽根崎警察署」など)するなとで解消方向に向かっている。ただし現在でも62系統北行のあべの橋のようにダブルストップが残っているところもある。
ゾーンバス時代はバス相互の乗継、また地下鉄との乗継のために各所にバスターミナルが整備されたが、こちらもゾーンバスシステムの発展的解消にともない減少傾向にある。
総合操車制
1970年代後半頃までダイヤの管理を営業所ではなく操車場で行っていた。これは総合操車制と呼ばれ、運転手は操車場で初めてその日担当する便を知らされることになった。
総合操車制はバスが遅れた時には近くの営業所から車両を送り込んだり、逆に超多客などの理由で最寄り営業所の車両が足りなくなっても遠くの営業所から応援を送り込みやすいなどの特徴を持っていたが、運転手からすれば全系統の運行経路・停留所位置を熟知しておく必要があり、負担が大きくなりがちだった。当然カーナビなんてものはない。
現行営業所
営業所名のあとの()内の表記は車両に表記される所属表示
井高野営業所(井)
●場所…大阪市東淀川区井高野四丁目3-59
●最寄バス停…井高野車庫前
※南海バスに業務委託
中津営業所(中)
●場所…大阪市北区中津六丁目9-32
●最寄バス停…中津六丁目
守口営業所(守)
●場所…大阪府守口市京阪本通一丁目10-23
●最寄バス停…守口車庫前
※市電時代からの営業所で、ここの所属車両のみ「大阪」ナンバー(他は「なにわ」ナンバー)
住吉営業所(住)
●場所…大阪市住吉区万代東三丁目5-22
●最寄りバス停…住吉車庫前
住之江営業所(ス)
●場所…大阪市住之江区新北島一丁目2-50
●最寄バス停…地下鉄住之江公園
※大阪シティバスに管理委託
鶴町営業所(ツ)
●場所…大阪市大正区鶴町四丁目11-55
●最寄バス停…鶴町四丁目
※大阪シティバスに管理委託
酉島営業所(酉)
●場所…大阪市此花区酉島四丁目1-11
●最寄バス停…酉島車庫前
※大阪シティバスに管理委託
車両
国内のバス製造大手4メーカー全てから導入している。かつては営業所ごとにメーカーが指定され、車体も西日本車体工業で統一された営業所もあった。
またAT車の導入にも積極的で、ブルーリボンシティハイブリッドやPA-規制以降のエアロミディのようにAT車の設定がない車種を除いて全てAT車を導入するという徹底ぶりだった。
全車両のノンステップ化が完了した2012年度を最後に新車の投入は途絶えている。