FUNAによる小説作品。Web小説サイト「小説家になろう」にて連載中。イラスト(キャラクタービジュアルデザイン)は亜方逸樹。
著者・ファンによる現在の略通称は『のうきん(能均)』。
初期には『平均値』という略称が用いられていた事があり、これを使用するファンもいる。
概要
異世界転生をする際に「能力値は平均値でお願いします!」と念押ししたはずが、転生先では……と言う小説家になろうでもお馴染みとなった異世界転生物。
アーススター・ノベルズで小説化されており、同じくアーススターのコミックレーベルでもあるコミック・アーススターでもコミカライズが連載されている。
作画はねこみんとが担当。
2018年2月27日、自身の活動報告にてアニメ化企画が進行中であることが発表された。その後、アーススターの公式twitterでも正式に発表された。
既刊は原作が6巻、コミカライズが2巻。原作第7巻は3月15日発売予定。
登場人物
マイル / アデル・フォン・アスカム
- 本作の主人公。前世の善行を原因とした加護により、世界全生物を合算した状態における平均値の能力を持って生まれてきた少女。しかし平均値と言って侮ってはいけない。神からアメーバまで、この世界の全ての種族を合算した上での平均であるため、その強さや権限はぶっちゃけ最強古龍の半分クラス。人間の能力など軽く超えているため、使う技術も「常時発動の収納魔法」だの「超高速の挙動」だの「他者からの認識を曲げて女神のマネ」だのと超破格。この能力を持つに至った後述の事情から、自身の能力を知った際には「私、能力は平均値でって言ったよね!」と絶叫した。前世の感性および反動から性格が、かなり天然方向にはっちゃけている。早い話が頭の良いアホの子。
- 普段はマイルを名乗りハンター家業に精を出すが、実際はアスカム子爵家の唯一の跡取り娘であり、本名はアデル。が、婿養子の実父が愛人と隠し子を作り、家名簒奪(アデルの国では死刑級の重犯罪)を画策してアデルの実母と祖父を謀殺し、隠し子(アデルにとっては妹)を嫡子とした上でアデル自身は庶子として家名の名乗りを禁じられて学園に追いやられた。後々にはアデル自身に命の危険が迫るか、さもなくば道具としていいように使われる可能性があった(あとアデル自身が迂闊を起こした)ため、その策謀から逃げ出すために国を捨ててハンターとなった事情がある。なお実父の企みはアデル出奔の騒動が巻き起こったと同時に露呈してしまい、実父とその愛人は死罪となり妹は貴族位を剥奪された上で愛人側の遠縁となる庶家に追いやられた。
- 前世の影響からオタク文化をこよなく愛し、自らが生まれた世界にコレを広めようと密かに企んでいる。そのため本作中期よりミアマ・サトデイルのペンネームで小説を書いて出版するようになる。
- ちなみに「マイル」の名の由来は自らの前世の名である「海里」すなわち、ノーティカルマイル(日本語で言うところのカイリ)より取られており、現世の父に対する決別と、前世の父に対する子としての敬愛を示す名前でもある。
- 栗原海里(くりはら みさと)
- マイル(アデル)の前世。両親が生粋のオタク第一世代であるが故に、生まれた時からオタク環境下に置かれてオタク常識を「習わぬ経を読む」が如くに吸収して育ったオタクのサラブレッド。生まれた時から要領も良く成績も優秀。その一方で流行に疎くオタク外の話題についていけないために友人は少ない。また自らの成績の優秀さのために一部の親族が自分(美里)に取り入ろうと醜い争いを繰り広げ、また「栗原さんは優秀」「自分たちとは違う人」とクラスメイトからも距離を置かれてハブられるようになったため、徐々に自らの「優れた能力」を疎み嫌うようになってしまう。
- 高校の卒業式の日に、後に世界を救う運命にある子どもを助けて死亡する。しかし、その功績を神によって認められて「美里としての記憶」を持った状態での異世界への転生を許され、その際に上述した体験から「能力は平均値でお願いします!」と請願した。が、結果は上記の通り。
- ちなみに海里の名がノーティカルマイルから取られたのは、彼女の父親が航空関係者であるため。
赤き誓い
マイルの所属する全員女性のハンターチーム。元はハンター学校のルームメイト。何らかの事情(例えば国家間の戦争行為への介入など)でやむを得ずチーム名を隠す時には、傭兵集団「赤き血がイイ!」として活動する事もある。
レーナ
- 炎系攻撃魔法を得意とする魔術師の少女。その特性から「赤のレーナ」の二つ名を持つ。が、マイルと一緒にいたために属性問わず攻撃魔法全般が使えるようになる。赤き誓いの中で最もハンターとしての経験が長くチームの判断役とも言えるが、時に感情に流されやすく自らもその自覚はあるため(一応)リーダーではない。
メーヴィス
- 騎士の家系の末娘(兄が3人)として生まれた貴族の少女。騎士に憧れたものの家族に反対され、家出。剣士から騎士を目指すためハンターとなった。マイルと一緒にいたために身体能力などが高くなり、特にスピードが強化される。身長が高く男装の麗人としての押し出しも効くため、チームの外渉や内部調整を担当。その事から対外的には彼女がリーダーという事になっている。
ポーリン
- 一見、頭脳がふわふわスワップ気味の巨乳少女。だがソレは外見だけの話で、実際には商家出身のしっかり者。多少ではあるが守銭奴めいている。豪商の愛人の娘で将来はその豪商(あるいは取引先)の愛人候補……というフレコミだったが、実は件の豪商に家を乗っ取られた由緒ある商家の娘で、豪商とポーリンに血の繋がりはない(実父はその豪商により事故に見せかけ殺害され、事実上血の繋がりがある家族は母と弟のみである)。マイルと一緒にいたため、彼女から医学を仕込まれ、高度な治癒魔法が使えるようになる。水系魔法を得意とし、マイルの入れ知恵で「ホット系」と呼ばれる非殺傷系攻撃魔法(カプサイシン含有の熱湯を生成して攻撃に用いる)を共同開発した。また炎系の魔法も使える。
ワンダー・スリー
初等学校時代のアデル(マイル)の同級生であり、アデル(海里)にとっては前世から数えてすら初めて得ることができた親友たち。
当初は能力ゆえに学校で目立つ存在だったアデルを疎みいじめにかけようとして彼女に近づいたが、即日アデルの置かれている苦境を知って「こんなに苦しんでいるものに追い打ちをかけようとするなんて、私たちは何をしようとしていたのか」と改心。さらにアデルからの魔法指導で人生の可能性が拓けたことから、彼女を一生の恩人と思い、本当の意味での親友となった。
アデル出奔後、再びアデルと巡りあうため、貴族の子弟の護衛を専任で引き受けるDクラスハンターとして活動するようになる。
マルセラ
- 中流貴族の娘でプライドが高いが、その一方で慈悲も深いお人好し。
- 非嫡子である事から政略結婚の将来を決められていた(本来は貴族の娘として力のある家を繋ぎ止めて一族が反映するための道具となるため、愛人として囲われる事も辞してはいけない身の上だった)ために諦観していたが、アデルから「魔法のコツ」を知らされて攻撃魔法を使えるまでに能力が上昇し(攻撃魔法が使えるようになった事で人材としての希少価値が上がり逆に自分が結婚相手を自らの意思で選べる立場になった)運命が拓かれる。アデルが諸事情から学園を去るまでは親友として共に在る事となった。
- さんざっぱらアデルのアホの子っぷりに付き合わされてきたため「アデル・シミュレーター」とも称される(対アデル限定の)予測演算能力を持つに至る。
モニカ
- マルセラの友人のひとり。商家出身の少女。水の生成魔法が使えれば商隊(キャラバン)を率いる事も可能になるため、これを使えるようになりたがっていたが、イメージなどに問題があったために魔法が全く使えなかった。マイルの指導で魔法を使えるようになる。
オリアーナ
- マルセラの友人のひとり。平民出身の特待生。機転が利く計算高い少女でミラクル・スリーのブレイン。特待生であるため将来は国の仕事に就くことが決められている。
- 同じくマイルのおかげで魔法が使えるようになり将来の可能性が広がる。ほかの二人とともにマイルから教えられたことを軸に自らの技術を研鑽し、自分たちの人生設計を立てる。
その他
ナノマシン(ナノちゃん)
- この世界で使われる「魔法」の正体。世界中の空気に散布され生物内にも取り込まれている微小な存在。このナノマシンが人間の思考を読み取り、これに従い効果を物理的に発現させるのが、この世界における「魔法」である。ナノマシンへのアクセスは神によって種族ごとの管理制限が設けられており、一定レベル以上の管理権限を持つ者だけがナノマシンたちと会話をする事ができる。(当然、マイルは管理権限所持者である)
- そのため、魔法を使う人間が「効果を発現させるための具体的な物理的プロセス」を思い浮かべる(つまり例えば水を出す場合は「水よ出てこい」という効果のみを思い浮かべて念じるのではなく「空気中の水蒸気を凝縮して目の前の空間に水として現出させろ」とプロセスを詳細に念じる)ことができないと、魔法の発現が不確定であいまいなものになる(当然、不発に終わる)事が多い。
- 実は密かに寂しがり屋。管理権限を持つ者はナノマシンの存在を歯牙にもかけなかったり、あるいは逆に天使扱いで崇めたりするため、自分たちを可愛がりコミュニケーションを取ろうとしてくれるマイル(アデル)の事は「大事なともだち」として何よりも守り彼女の希望を叶えようとする。(が、マイルが納豆を欲しがろうとしたときは、納豆菌の創造が「生物兵器の創出」の禁則事項に当たるとして叶えてくれなかった)
関連イラスト
マイル(アデル) | 海里 |
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レーナ | メーヴィス&ポーリン |
マルセラ | |