ソウルキャリバーV
そうるきゃりばーふぁいぶ
概要
バンダイナムコゲームスより2012年に発売された格闘ゲーム。
ナンバリングは「5」だが、1作目である「ソウルエッジ」やスピンオフ作品である「ソウルキャリバーBroken Destiny」などを含めると、「ソウル」シリーズの第8作目となる。
前作「ソウルキャリバーⅣ」から17年の時間が経った世界が舞台であり、主人公は前作まで登場していたソフィーティアの息子であるパトロクロス・アレクサンドル。
「新規のファンを獲得するため」ということで複雑なコマンド入力を簡略化し、「クリティカルゲージ」と呼ばれるゲージが導入。ゲージを消費することで一発逆転も狙える超必殺技「クリティカルエッジ」(ソウルエッジにもあるが完全に別物)と特定の技を強化する「ブレイブエッジ」を使用するシステムとなった。
また、前作ではタイムラグがあまりにも酷く、まともにプレイすることすら困難だったオンライン対戦が、改善された上にかなり充実した環境となっており、評価が高い。
そう。オンライン対戦ならば。
評価
前述のように、オンライン対戦での評価は高いが、オフラインを主とするシングルプレイヤーからの評価は芳しくない。
前評判の段階から、世代交代、時間の流れを理由に、前作までの人気キャラクターが登場しない。タキ、カサンドラなどは行方不明、ソフィーティアにいたっては死亡ということが明らかとなり、物議を呼んでいたのだが、いざ発売されると、
- ストーリーモードが簡略化され、パトロクロス+αを操作し、20ステージをプレイする仕様。これまでのシリーズのような、各キャラ毎の個別ストーリーが削除されてしまい、映像も絵コンテのラフ絵にカメラワークをつけたようなムービーが大半を占め、外伝の『ソウルキャリバーレジェンズ』の2Dムービーの方がはるかに質がいい。ただしこれは、本作の開発期間が短く、そのほとんどを対戦の調整に使われたのが要因と考えられる。
- シリーズ恒例のキャラクタークリエイションのシステムに粗があり、重ね着をすると着膨れしたり、下着(例:ふんどし)が内側からズボンを突き破る。『Broken Destiny』ですら、体格こそいじれないもののそれなりに調整されていたのだが・・・。
- Ⅲの「ロストクロニクルズ」やⅣにおける「塔」といったオフラインシングルプレーヤー向けのやりこみモードとして、歴代ボスキャラクターと対戦する「レジェンダリー」と、240名のCPUキャラと対戦して称号を得てゆく「クイックバトル」の2つが用意されている。しかし内容はただひたすら対戦していくだけ。
- 各キャラクターの武器が使える、いわゆる木人キャラが三人もいる。一人はストーリーモードではアテナ流を使っていたはずのエリュシオン(女性流派限定)であり、二人目はストーリーモードでは1カットのみ登場するだけで対戦することがないエッジマスター(全キャラククターの流派を使用)、そして、名前しか登場していなかったキリク(男性流派限定)である。
- ヴィオラ、ツヴァイといった、アルゴルと同様の魔法使いキャラクターの追加や、アイオーン(リザードマン)の流儀が盾+斧から、二振りの斧に変更。しかし『Broken Destiny』のゲストであった『ゴッドオブウォー』のクレイトスの流儀を流用したものと指摘されている。
- 今作ではなぜかザサラメールが登場しない。設定上何世紀も生きている人物であり、前作の個別エンディングでは21世紀(現代)でも健在であるので、Vの時代に関わっていないことへの疑問は当然と言える。彼こそ初心者に扱いやすいキャラクターであったため、愛用者からの落胆の声も聞かれた。
- ロックの養子バングーが参戦しなかった。
・・・など、オンライン対戦の環境や、操作の調整に振り幅を大きくしてしまった分、細かい要素やオフラインシングルプレイの粗や配慮不足が際立ってしまった。
発売前に新聞の一面広告で、アイヴィーの臀部のアップ画像と共に「『シリ』-ズ最高傑作」と自ら謳っていたが、それに応えているとはお世辞にも言い難い内容だった。
その後、ソーシャルゲームやパチスロ化などが展開され、ナンバリングシリーズの音沙汰はなかったものの、2018年、長い沈黙を破って続編が発表された。