概要
古代(B.C.12000)に栄華を極めた魔法王国ジールの王女。親族には母・女王ジールと弟・王子ジャギがいる。非常に高い魔力の持ち主であり、その才能は母を超えるほど。そこに目をつけた母により、魔神器という装置を用いてラヴォスのエネルギーを引き出す役割を任じられ、利用されることとなる。
余談だが『王族』、『ポニーテール』、『ペンダントの所持者』などヒロインのマールと共通する点が多い。これらの要素は、続編クロノクロスのヒロインにも引き継がれている。
性格
王族であるものの、誰に対しても分け隔てなく接する優しい心の持ち主。ジールでは魔法の才能を持つ者は「天の民」として天空都市に住まい、ない者は「地の民」として極寒の地へ追いやられる風習がある。サラは、そんな地の民たちにも差別することなく接しているため慕われているようだ。またクロノたちがジールの手に囚われた時は秘密裏に救出している。
関連イラスト
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※以下はサラに関するネタバレが含まれます※
ネタバレ
ジールの崩壊
クロノたちはがボッシュに代わって魔神器を破壊しようと赤きナイフを突き立てるが失敗。魔神器の暴走によってラヴォスが一時的に目覚め、絶大な力により天空都市は崩壊を起こし、ジールの繁栄は終わりを迎えた。その時に発した次元の渦に飲み込まれたサラは、クロノたちと離れ離れとなり行方不明となってしまう。
夢喰い
以降は登場しないが、DS版クロノトリガーでは隠しボス「夢喰い(ゆめくい)」としてクロノたちと戦うことに。サラは「魔王と協力したクロノたちに倒された並行世界のラヴォス」に取り込まれ、「自分を含めたすべての消滅」という負の感情に支配されていた。激戦の末、クロノたちは夢喰いの前に敗れる。なぜなら魔法とは、ラヴォスが人類に与えたもの(理由は後述)。「ラヴォスの力」ではラヴォスを完全には倒せない。一時的に正気を取り戻したサラはこれらのことを語った後、「すべての消滅を願ったのは自分自身」と言葉を残し、倒れたクロノたちを別の時代へと転移させる。そして、魔王もまたどこかの時代へと流れ着いた。しかし、自らの無力さを呪った魔王は記憶を消し去り、今までの自分を捨て去る形で「何か」を探し求めて放浪に出てしまう。
更なるネタバレ
クロノクロスでのサラ
次元の渦に飲み込まれたサラは「自らを含めたすべての消滅」という負の感情に囚われていた。その時、主人公セルジュの泣き声に導かれその時間軸に接触。自らの分身たるキッドを誕生させ送り込んだ。ルッカが言うには、自分とは違う人生を歩んでほしくてキッドを生み出したのではないかとのこと。その証左として、キッドに古代のペンダント(前作でマールが持っていた物)を託したことを挙げている。
次元の渦を漂っている最中にラヴォスが進化した時を喰らうもの(時喰い)に取り込まれ、その一部となってしまっている。しかし、これはキッドを誕生させる前なのか、させた後なのかは不明。
「クロス」では、なぜか容姿が金髪幼女になっている。またサラの存在が判明するのがラストダンジョンクリア後のため、出番自体はラストバトルのみとなっている。そのためかイラストは「クロス」より「トリガー」の方が多め。またセルジュに向けて「お前」と言ったりなど、「トリガー」とは口調がまったく異なる。
ちなみに画像の金髪幼女が「クロス」でのサラの姿である。なぜ幼女化しているのかは不明。
時を喰らうもの
クロノたちに倒されたラヴォスが時の闇の彼方にて「様々な歴史の中で無念や負の感情を抱いて倒れて行った生命体たち」を取り込み続け、進化した存在。サラもその一部として取り込まれている。ちなみに画像上部の金髪幼女が本作におけるサラである。
今はまだ眠っている状態だが、目覚めた暁には時空を喰らい尽くし、時間を止めて歴史を滅ぼしてしまう。そうなればすべては無に帰る。負の感情で構成された時喰いを倒す方法はただ一つ。調停者セルジュがクロノ・クロスを用いてその無念を晴らすしかない。
凍てついた炎
あらゆる願いを叶えると言われる輝石。その正体は、鉱物生命体ラヴォスの一部。グランドリオンの元になった「ドリストーン」もラヴォスの一部(凍てついた炎と同種)とされているが、これ自体はラヴォスが天空に浮かぶ星だった頃から地上に存在していた。凍てついた炎自体が意志を持っており、炎が選んだ者でなければ触れることは叶わない。
太古の昔、猿がこのラヴォスの欠片に触れたことで進化(変化)し、手に入れたのが「魔法」である。その末に建国されたのが古代王国ジールであった。このためアルティマニアには、「ラヴォスは人類の母」と記載されている。この設定はDS版クロノトリガーにも反映されており、前述のようにサラは「魔法=ラヴォスの力」と語っている。
ちなみにミゲルの回想にて、ワヅキとミゲルの二人に謎の声が語り掛けてきているが、これはサラではなく凍てついた炎の思考を二人が言語化したもの。この時点で炎はセルジュを選んだのだ。
調停者
「ラヴォスと星の生命の争いを調停する(争いを止める)者」を指す。作中ではセルジュのみが調停者と呼ばれているが、アルティマニアによれば魔神器(ドリストーン。つまりラヴォスの欠片)を使用したサラもまた調停者に近い存在だったことが語られている。なお、調停者になるにはラヴォスの一部である「凍てついた炎」と接触し、本体であるラヴォスとのリンクが行えることが条件となっている。
サラのペンダント
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グランドリオン(になる前の赤きナイフ)や魔神器と同じく、これもドリストーンを用いて創られたものである(アルティマニアより)。キッドの身に危険が迫ると時間を巻き戻し、安全な場所へと移動させる。このため怪我を負っても完治しており、キッドもなにがあったのかは覚えていない。ただし、「気がついたら知らない場所にいてケガが治っている」など何かが起きたという自覚はある模様。前述の通り、このペンダントはサラがキッドを誕生させた際に託した物である。アルティマニアによれば、サラの手から離れた後、一度他者の手に渡り、ガルディア王国の秘宝となったという。
プロジェクト・キッド
理の賢者ガッシュは流れ着いたA.D.2300にて時喰いに歴史が滅ぼされることを知る。そこでセルジュをクロノ・クロスの使い手として覚醒させ、時喰いを浄化しサラを解放するための計画を発動。それがプロジェクト・キッドである。
最期
クロノ・クロスを用いたセルジュによって憎しみと悲しみは癒され、サラたちは時喰いと共に一つの夢へと還元された。セルジュと仲間たちは時間を遡り、それぞれあるべき場所へと帰って行く。そして、今度はガッシュの「計画」が関与しない、セルジュだけの本当の物語が始まる。
これはクロノ・クロスを用いて倒した場合の真エンディングだが、通常攻撃で倒した場合は時喰いに逃げられてしまい、後日談が描かれないバッドエンディングとなる。サラが救われるかどうかはセルジュ(プレイヤー)の行動次第となっている。
余談
アルティマニアのインタビューにて、シナリオライターの加藤は、クロノクロスで「サラのその後を描きたかった」とついて語っている。本作のコンセプトとしては「セルジュとキッド、サラのボーイ・ミーツ・ガール」とのこと。セルジュとキッドの出会いと冒険はサラの解放という形で終わるが、もしかしたら違う次元、違う時代ではもっと違う生き方をしているかもしれない。そんなプレイヤーに対する問い掛けを描くエンディングにしたと述べている。