作品情報
概要
高校入学後帰宅部を続けていた主人公は、あることがきっかけで楽器を始めることになる。
そんな主人公と、彼女を取り巻く女子高生達のストーリーを中心とした、日常系学園コメディー。
まんがタイムきららで2007年5月号から2010年10月号にかけて連載されていた、けいおん!の派生シリーズで、前作同様かきふらい氏の作品である。
けいおん!およびその続編であるけいおん!College、けいおん!High schoolとは世界観を同一とするものの、登場するメンバーや舞台となる高校は前作とは異なる。
あらすじ
佐久間紫は高校1年生。ある日、ドラムがすっごいバンドのライブを見た彼女は、自分も軽音部へ入り、ドラムを演奏したいと考える。
さっそく、友人の清水楓とともに職員室へ出向くが、2人はそこで衝撃の事実を知らされる。
この学校には、軽音部は存在しなかったのだ。
主要キャラクター
佐久間紫(さくま ゆかり)
本作の主人公で、高校1年生(連載開始時点)。
同級生の楓と出掛けた桜高の学園祭で軽音部のライブをみた結果、ドラムを始めることを決意する。
髪は明るい色のショートカットで、特に髪飾りなどはしていない。
猪突猛進かつ自分の欲望に忠実な性格で、好きなことに関しては、一直線。
結果として、真帆にラーメン?をぶっかけたり、会話の流れ無視して自分の要望を伝えようとしてしまうことも。
また、思っていることを説明する時、具体性を欠いた感覚的な表現になることもあり、その際は楓を通して言葉を翻訳する必要がある。
1話で廃止寸前の軽音同好会に楓とともに入る。
また、それ以前から何度も、真帆を自分のバンドや軽音同好会に入れようと試みている。
担当パートは前述の通り、ドラム。
ただし、全くの未経験らしく、最初はドラムスローンに座るだけで満足していた。
ドラムを始めるきっかけとなった桜高軽音部のライブについては、終始ドラムがいかに凄かったかしか語っておらず、田井中律の影響の大きさがうかがえる。
食事などの描写から、右利きと思われる。
清水楓(しみず かえで)
紫の同級生で友人、高校1年生(連載開始時点)。
また、紫の発言から、恐らく小学校と中学校はずっと一緒のクラスであったと思われる。
黒髪をポニーテールにしており、紫よりも背が高い。
無口という訳でもなさそうだが、他の1年生2人の台詞が多い為、相対的に楓の台詞は少なくなりがちである。
また、付き合いの長さ故か、感覚的で分かりづらい紫の言葉を的確な形で翻訳することが出来る。
紫との関係性は、同じ幼馴染みコンビでも前作の律澪とは少し異なる。
律澪は状況に合わせて一方がもう一方のブレーキ役になるような傾向があったが、楓の場合は、猪突猛進な紫と一緒に行動することを自ら望み、楽しんでいる節がある。
他にも、真帆を会話に巻き込む為、わざとらしくため息交じりの台詞を吐くなど、策士ではないかと思わせるような描写もあるので、実際かなり頭の回るタイプなのかもしれない。
楽器の経験は不明だが、桜高軽音部の演奏に対して「迫力はすごかった」と発言していることから、楽器もしくは音楽に関する知識があるのかもしれない。
食事の際、スプーンを右手で持っていることから、恐らく右利きと思われる。
澤部真帆(さわべ まほ)
紫と楓の同級生で、2人の間の席に座っている。高校1年生。
(紫曰く、名前の順で2人の間に誰かが入ったのは、真帆が初めてとのこと。)
基本的に紫と楓に対するツッコミ役だが、世話好きなところもあり、軽音部が存在しないと知ってため息を吐く2人に軽音同好会の存在を教えたのも真帆である。
どさくさに紛れて軽音同好会に入れようとする紫を何とか躱そうとしている。
また、その際の台詞から、何かしらの部活に既に加入しているようだ。
髪は栗色のロングヘアーで、左側頭部で髪の毛を小さくループさせている。
教室で右手にペンを持ってノートを取っている描写から、恐らく右利きと思われる。
佐藤莉子(さとう りこ)
メンバー唯一の2年生(第1話時点)。
軽音同好会の代表で、当初、紫達を部室の立ち退きを迫る生徒会役員と勘違いしていた。
勉強が捗るという理由で、部室に勉強道具や観葉植物を持ち込み、半ば私物化している。
担当パートは現時点では不明。
名前の由来と思われる人物のパートはキーボードだが、部室にあったドラムが特に傷んでいるような描写がなかったことや、通常ドラマーが自分で用意することの多いドラムスティックが何故か部室にあったことを考えると、彼女もまたドラマーである可能性は否定できない。
利き手は描写がなく不明。
先生(氏名不詳)
紫達が職員室で軽音部への入部希望を伝えた先生。
具体的な立場は不明だが、入部希望を伝えていることから、紫達の担任か音楽の教師と思われる。
よく見ると真帆と髪型が似ているが、現時点で血縁関係があるのかは不明。
また、利き手も現時点では描写がなく不明。
世界観と時系列
本作は、前作のけいおん!とその続編2作品と同一の世界観となっている。
時間軸は、作中の描写から唯達が桜高軽音部に所属しており、少なくとも最初の学園祭ライブ以降と思われるが、第1話の時点で唯達が何年生なのかまでは描かれていない。
仮に唯達が1年生の時の学園祭ライブということなら紫は唯達と同級生、それ以降なら1年あるいは2年年下ということになる。
ただ、楓が桜高軽音部の演奏に対してコメントしている内容から推察するに、梓加入前、唯達が1年生時代の学園祭という線が濃厚だろう。
思い出して欲しい。
桜高軽音部最初の学園祭といえば、
- バンド結成から約半年で迎えた初ステージ
- さわちゃん暴走によりハスキー唯爆誕
- さわちゃんの趣味全開のメイド服衣装
- 澪の縞パン事件
など今にして思えばネタ要素満載である。
翌年以降のライブでは、経験の蓄積や梓の加入で技術的にはかなり向上しているはずなので、「迫力だけはすごかった」という楓のコメントには違和感が残る。
だが、1年次の学園祭ライブであれば、このコメントもそれほど不自然ではないだろう。
軽音同好会
紫達の高校には部活動としての軽音部はないが、かろうじて軽音同好会は存在している。
現代表の莉子によると、以前はメンバーもたくさんいたが、みんな辞めてしまい、ついには自分1人になってしまったとのこと。
その為、生徒会からは部室の立ち退きを迫られている。
ちなみに、部室にはフルサイズのドラムセットとドラムスティックが置かれており、特に痛んでいるような描写もないので、莉子または別の誰かによって最低限のメンテナンスは行われている模様。
ラブライブ!シリーズとの類似点
本作では、設定やキャラのデザインなどの一部に、ラブライブ!やラブライブ!サンシャイン!!を彷彿とさせる部分が見受けられる。
一例を挙げると、
- 真帆の性格や全体のデザインが上級リトルデーモンに似ている
- 真帆の髪型(髪の毛をループさせるセット)が小原鞠莉に似ている
- 軽音同好会の設定(最初は複数いた部員が1人になってしまった)がμ's合流直前のスクールアイドル同好会の状況と似ている
など。
実際に、SNS上では、このことをネタにした投降も流れている。
とはいえ、元を正せば、ラブライブ!自体、前作のけいおん!との類似点や、影響を受けていると思われる設定や描写が複数存在するので、今回はけいおん!側がラブライブ!に対する返礼としてオマージュを行ったと考えるべきだろう。
互いにリスペクトし、良い影響を与え合うライバルになっている……実に素晴らしい関係である。
案外、かくふらい先生はラブライバーも兼務しているのかもしれない。