夢繰りの鈴の少女
ゆめくりのすずのしょうじょ
CV:かないみか
概要
第6期鬼太郎第14話に登場。
黒髪のシニヨンに赤い着物を着た幼い少女で、現実に疲れ果てた大人たちの魂を捕えて夢の世界に引きずり込んで閉じ込め、眠り続けさせる事件を起こしていた真の黒幕。
なお、「夢繰りの鈴の少女」とはEDのキャストクレジットにて表記されていたものであり、本名は不明。
その正体はかつて(描写から少なくとも江戸時代だと思われる)洪水を沈める為に水神への生け贄に捧げられた少女の亡霊で、いくら村(と推測される)のためとはいっても幼い少女の命を奪うのは忍びないと考えた(と思われる)枕返しを退治した偉いお坊さんから、『せめて、良い夢を見られるように』との願いから枕返しから取り上げた“夢繰りの鈴”を渡された上で目隠しをされた状態で崖から突き落とされて殺害された。
当時の常識では致し方なかったこととは言え(現に回想シーンでは恐ろしい形相をした村人の中にも後ろめたさからか、顔を背けている大人が一人確人出来る)、幼かった彼女にとっては大人になれないまま命を落とす事になった現実は相当に辛い出来事であった為に本来行くべき世界へと行く事が出来ずに怨霊と化して現世に留まり続けていたようだが、それから時が経ち現代社会において様々な要因により辛い現実に直面して夢を失い現実世界に疲れ果てる数多くの大人たちを見る事になった彼女は、大人になれずに村のために殺された無念さも手伝って友達欲しさにそんな大人たちを助けようと“夢繰りの鈴”の力を使って、現実に疲れ果てた大人たちを夢や希望で満ちていた子供時代の姿へと変えて夢の世界へと連れて行っていたというのが事件の真相である。
よってあくまでも彼女の行為は(私利私欲も少しはあったのかもしれないが)現実に疲れ果てた大人たちを救うという目的から行っていた行為であり、悪意はほぼなかったと思われる(とはいっても被害者の家族にとっては余計なお世話なのだが…)。
普段は生前の姿をしているが怨霊としての本性を曝け出すと、銀髪に赤い隈取に覆われた白顔という歌舞伎役者を思わせる恐ろしげな姿(どことなく第2期に登場する猛霊八惨を束ねる八惨の主に雰囲気に似ている)へと変貌する。
この姿になると髪の毛を使って相手を包み込んで、かつて自分が生け贄として殺された時と同じような大雨で氾濫する増水した川を再現して溺死させる事が出来るようだ。また、“夢繰りの鈴”の力を使って自在に夢を操作する事も可能。
当初は夢の世界へとやって来た鬼太郎たちの説得を聞き入れず、夢の世界から彼らと追い出そうと子供の姿になった大人たちと共に襲い掛かるが、最終的には今回の事件の依頼者である山田まさしと彼の父親との絆や息子を思う目玉おやじの力の前に敗北。
本邦初公開となる健康だったころの若かりし目玉おやじの指鉄砲で“夢繰りの鈴”を破壊されて夢を操る事が出来なくなった為に一旦は矛を収めて捕えた大人たちの魂を介抱したようだが、「またここに来たくなったら何時でも来て」という彼女の誘いを「二度とここには来ない」といって彼女に別れを告げて去って行くまさしの父親に向かって「そうならない事を祈っているわ」*と激励とも皮肉とも取れない意味深な言葉と共に邪悪な笑みを浮かべている事。
そして今だに彼女が潜む夢の世界は残り続けている事や物語の最後の描写から事件は根本的な部分では何も解決しておらず、今なお辛い出来事が多い現代社会では現実逃避を求めて彼女の元へとやってくる人々が後を絶たない事が示唆されている(あくまでも鈴の力を行使する事が出来なくなっただけで、別の方法で彼女の元へとやってくるという方法があるものと思われる)。