オリジナル版(1965年)
SF人形劇『サンダーバード』のパイロット版と第1話に登場した救助マシン。元々は重量物運搬用の重機だったのだが、とても重機とは思えぬ程の猛スピード(時速200km/h以上)で走行可能なため航空機用の救助マシンとして採用された。
有人操縦のMASTER ELEVATOR CAR(以下「マスター車」と略)と、マスター車からの無線指令で決められた位置を追従するSLAVE ELEVATOR CAR(以下「スレーブ車」と略)からなっており、マスター車の運転席の左右にあるハンドルを操作してスレーブ車の追従位置調整が可能。各車の構成は1号車がマスター車で2号車と3号車、予備の4号車がスレーブ車となっている。
作中では死の商人・フッドによって着陸装置に爆弾を仕掛けられたファイアフラッシュ号の救助に当たったが、3号車がコントロールを失って駐機していた他の旅客機に衝突したことにより4号車を使用、ブレーキをかけることに辛うじて成功した。
pixiv内では、当該メカの3DCGとイラストが投稿されており、その殆どが3DCG。
とりあえず注意事項
高速エレベーターカーのブレーキのかけ方がタイヤをロックさせてそのままという停止距離が最短にならないどころかコントロールを失う自殺行為のようなブレーキのかけ方になっているが、気にしてはいけない。
ちなみに、この自殺行為のようなブレーキのかけ方ゆえ、減速中に高速エレベーターカー各車のタイヤが次々とバーストし、マスター車にいたってはタイヤがバーストした後コントロールを失って滑走路外へ逸脱、横転している。
但し、補足しておくと『サンダーバード』が制作された1960年代頃はABS(アンチロックブレーキングシステム)は開発されたばかりでごく限られた車両にしか採用されておらず、製作陣がその存在を知らなかった可能性が高い。高速エレベーターカーが登場したのが第一話なので、製作陣の中でそもそもその概念自体がなかった可能性もある。
『サンダーバード ARE GO』(2015年)
今作におけるエレベーターカーはサンダーバード2号の2番コンテナ「ポッドモジュール」で組み立てられるメカの1台という扱いで、デザインも
- コックピットの位置がパッドの真下に来ている
- パッドを支える箇所は逆三角形状の骨組みから、4基の伸縮自在のピストンになっている
- 6輪車ではあるが、タイヤはゴム製の2重構造になっておらず、インターナショナル・レスキューを表すiRのロゴが付いた特殊なものが1つずつ付けられているだけ。
- コックピット部の都合上、オリジナル版と比べて明らかに小型化している。
と大幅にアレンジされている。
シーズン1第5話「消えたファイアーフラッシュ」で、オリジナル版同様にファイアーフラッシュ着陸の際に使用され、アラン、ゴードンの2人が運転したが、ファイヤーフラッシュの重量に車体が耐え切れなくなったことにより、着陸を中断して再度離陸した時の反動で滑走路から弾き飛ばされて横転し大破するという憂き目にあっている(最終的に救助を成功させたのは2号自身)なお、劇中ではエレベーターカーとは呼ばれず、代わりにスコットとゴードンから「即席ランディングギア(原語版ではGround Landing Gears)」と呼ばれただけだったが、パッド部分にはMASTER ELEVATOR CARとしっかり刻印されているのが確認できる。
この回だけの登場かと思いきや、シーズン2第23話でまさかの再登場。冷却装置を宇宙ステーションまで輸送できるようサンダーバード2号を改造する作業の中で、問題の冷却装置を2号のコンテナまで台車を引いて輸送するという、オリジナル版での重量物運搬車両の設定が活かされる描写がされた。
関連動画
リメイク版における活躍