概要
『それいけ!アンパンマン』に登場する悪役。
シルクハットとマントを羽織った一見紳士風の巨大なキャラだが、目的はすべてを「夢も希望もない暗闇の世界」に包み込むこと。
初登場時は突如姿を現して手品を披露し、後から帽子いっぱいの食べ物を要求、聞き入れないと暗闇の世界に引きずり込んでいた(本人の言動から空腹だったようで、この時点で悪意はなかった)。
だが、ばいきんまんに騙され、ジャムおじさんたちを暗闇の世界に引きずり込もうとした為にアンパンマンから攻撃を受け、彼を暗闇の世界(後記の再登場時と異なり、地面も何もない狭い無重力空間のような所で入ると眠くなる)に引きずり込むが最終的に逆転されて吹き飛ばされた。
それから15年以上出番がなかったが第821話A『くらやみまんの逆襲』で突如再登場。(※1)
以降、登場頻度を増すこととなった。
ここからは完全な悪役で、問答無用で現実世界が荒廃したような暗闇の世界に引きずり込むようになった。
長い間どこで何をしていたのかは不明だが、本人曰く「力を蓄えていた」とのことなので、復讐の為に自らの強化に励んでいたのだろう。
(※1)周知の通り本作のキャラクターは1000以上を超える程数が多く
それ故に早々に再登場するキャラクターと再登場するまでに間が開いてしまうキャラクターの差が非常に激しく、今回のような事例は彼だけに限った話ではない。
実際ドロンコ魔王も再登場するまで28年かかっており、彼以上に間が開いている。
初登場時の一件からアンパンマンとばいきんまん両方を敵視しており、両サイド共通の敵といえる存在である。アンパンマンはばいきんまんたちを救い出し、ばいきんまんもアンパンマンたちに協力するシーンも存在する。
ただし、アンパンマンたちの仲間を襲う際は、一時的にばいきんまんと手を組むこともしばしばある。そのため、「ばいきんまんの仲間」の類に入るときとそうでないときがある(少なくともばいきんまんを差し置いてアンパンマン側に立つことはない)
黒バラ女王や化石の魔王などと同じポジションであり、『アンパンマン音楽館』などでも共演している。
余談だが、初登場時は手(手袋?)が赤かったが(メイン画像はこの時のカラー)再登場時に白に変更されている。
余談
こうして見ると周囲に振り回されて悪堕ちした哀れな人物に思えるが、初登場回の行動を見てみると彼自身に落ち度がなかったとは言い切れない部分がある。
先記の通り、空腹を満たす食糧を得る為に手品を見せて、後から食べ物を要求するという手段を取っていたのだが、有料かどうかも伝えないまま自分からほぼ一方的に手品を見せて食糧の支払いを絶対に断れない様な状況を作り、従わなければ闇の世界に閉じ込めるというのは、冷静に考えてみると悪質である(実際、作中の人物も「そちらから先に見せたのに」といった反応をしている)
もしも要求してくるものがお金だったら、悪徳商法と非難されてもおかしくないやり方である。
そもそもアンパンマンワールドは、空腹を訴えれば無条件で食べ物が提供される世界なので、わざわざそんな回りくどい手段をとる必要があったのかという疑問も出てくる。
また彼に食糧を渡さなかったのは、公園で遊んでいたカバオたちとパン工場のジャムおじさんたちだが、彼らは意地悪で渡さなかったのではなく、渡す為の持ち合わせがなかったという極めて真っ当な理由があったからであり、闇の世界に閉じ込められるほどの非があったとは思えない。
(というかジャムおじさんたちはともかく、公園で遊んでいる子供たちが帽子一杯分の食べ物を持っているなんて普通は考えないと思うのだが…)
そもそも自分を騙したばいきんまんはともかく、要求に応えなかったからといって、見ず知らずの相手を闇の世界に閉じ込めていい理由にはならない。
しかもこれらの行動すべてがあくまで、純粋に腹を満たす為の行動で本人に悪意はなかったというのだから余計に質が悪い。ばいきんまんが彼を利用したのもそういった行動を目の当たりにしたからであり、この時点で良識に欠けていたことが伺える。
とはいえ、ばいきんまんに出会わず尚且つアンパンマンが彼の事情を知っていれば、
和解やこれまでの行いを改める可能性もなかった訳ではない為、そのような道が断たれてしまったのが惜しいというのもまた事実ではある。