概要
非人哉とは、中華人民共和国のWEBサイトで連載中の4コマ漫画。
制作は分子互动(fenzihudong、制作スタジオのようなもの)、そこに所属する一汪空气氏が実際の漫画を描いている。
こちらのサイトで読むことができる。
タイトルの「非人哉」は、中国語読みで「フェイレンザイ」、日本語読みで「ひとにあらざるかな」と読む。
読んで字のごとく、現代の人間社会に紛れて暮らす「人ならざるもの」たちの日常を描いたギャグ漫画で、作中には中国の伝承を中心としたさまざまな妖怪たちが登場する。
登場人物
九月
主人公。200年の時を生きた九尾の狐で、今も修行のため人間の姿となって一人暮らし(&会社勤め)をしている。作中描写を見る限りどうもオタク気質のようで、部屋はフィギュア等が散らばる汚部屋状態。
身分証によれば1808年11月30日生まれ。
玉ちゃん
『嫦娥(じょうが)の玉兎』という妖怪。九月の仕事仲間。
こう見えて数千万匹もの玉兎たちを束ねるトップなのだとか。「月餅」というお菓子を作る仕事に従事しているが、その仕事柄月餅はうんざりするほど食べており、憎しみさえ向けるほどの月餅嫌い。
切れるともんのすごい形相になる。
敖烈(ごうれつ)
九月の仕事仲間で、竜の妖怪。白馬へと変身することができ、その姿であの三蔵法師を天竺まで乗せて行ったという何気にスゴいエピソードの持ち主。
人ならざるものたちの間でも相当えらい存在のようだが彼自身は天然気質で朴念仁。
胃袋の中は海とつながっているらしく、くしゃみや嘔吐をすると海の幸が飛び出してくる。
刑天
九月たちのいる会社に新しく入ってきた社員。乳首が目、へそが口となった首のない男性の姿をした妖怪。珍妙なナリだがこれでも一応戦神である。
ややデリケート寄りの常識人ではあるものの、その独特な体型ゆえの気苦労が絶えない。
哪吒(なた/なたく)
観音大士のところに預けられているショタ。現在は小学生として学校に通っている。
もとはインド神話に登場する神「哪吒三太子」その人で、竜を殺したという伝説ゆえ竜である敖烈にとっては見るだけで嘔吐されるほどの天敵。
彼自身は無口・無表情・無感動の三拍子揃った寡黙な性格。だが、時折物騒なことを口走る。
少女と間違えられ(男から)デートに誘われる端正な美少年。そのためかよく九月のオタク趣味に付き合わされることがしばしば。最近だと魔法少女のコスプレを披露した。
観音大士
(イラスト中黒髪の人物)
九月たちの会社を率いるリーダーの一人。哪吒の現在の保護者でもある。
いわゆる「観音様」・「観音菩薩」。
いつでもどこでもスタバコーヒー(実際には違うらしい)を飲んでいる自由気ままな人物……に見えるが、実際は問題ばかり起こす九月たちに手を焼いていて、わりと苦労人の部類。
本作では蓮華座(仏像の下にある花みたいな台座)が車代わりに、光背(背中についてる丸いやつ)が4次元ポケットのごとき無限収納具になっている。
弥勒
九月の会社の上司。おそらく「弥勒菩薩」のことだと思われる。
旅館などに置いてある「弥勒様」のような風貌をしたふくよかな……否、二頭身の大男。
その体は風船のように膨らんだりしぼんだりし……
哮天(こうてん)
九月の仕事仲間。「哮天犬(こうてんけん)」という犬の妖怪。
性格も無邪気な犬そのもので、よく言えば純粋、悪く言えばバカ。よく笑いよく泣くアグレッシブなお方。
その度合いは人からの誘いを断ると周囲から心配されるほど。
精卫(せいえい)
鳥の妖怪「女娃(じょあ)」。海で溺死した女が鳥へと化身した存在とされる。
伝承上の「溺れ死んだことを恨み、海を埋め立てるべく石を運んできては海に落とし続けている」という設定を踏まえてか、水と見ると何でもかんでも埋め立てずにはいられない困った子。
海のみならず、トイレや湯沸かし中の鍋にさえ石ころを放り込む性分を周囲からは危険視されている。