前後のストーリー
概要
2004年1月11日放送。
ラッキークローバーの中で最強のオルフェノクであった北崎が最期を迎えた回にして、乾巧がオルフェノクの運命とオルフェノクの王の正体を知ることとなった回である。
あらすじ
草加が死んだ……その事実に大きな衝撃に包まれる乾巧/仮面ライダーファイズと三原修二/仮面ライダーデルタと海堂直也/スネークオルフェノク。
防波堤で三人が見つけた物は、灰の中に埋もれていた幼かった頃の真理の写真だった。
巧は灰を手に呆然とし、三原は草加の名を叫ぶ。
巧「草加……」
三原「草加ーーーッ!!!」
巧は灰に触れた手もそのままに、スマートブレインの本社ビルへ急行するのだった。
一方、三原から連絡を受けた阿部里奈は、歩道橋で三原と遭遇する。
草加の死を知らされた里奈は、三原に泣きついた。
三原は「真理には言うな。悲しませたくない」と里奈に口止めをして彼女を抱き止めながら、草加に思いを馳せるのだった。
三原(草加…俺の中で生きてくれ。君の強さを、俺にくれ!)
一方、海堂と共にスマートブレイン本社ビルに駆け込んだ巧は、木場勇治/ホースオルフェノクに対して、草加の死の真相を問い質す。
それに対して、「俺が倒した」と事も無げに答える木場は、殴りかかろうとした巧の拳を軽く掌で受け止めると、オルフェノクの王について話し始める。
このままではいずれ滅びる存在のオルフェノクにとって、その運命から逃れる術は王の覚醒以外にあり得ないと。そしてその時、滅びるのは人類だと。
その話を、影山冴子/ロブスターオルフェノクが聞いていたのだった。
その後、バー・クローバーには木場とオルフェノクの運命を知ったラッキークローバーのメンバーが顔を揃えていた。
死の恐怖に怯える琢磨逸郎/センチピードオルフェノク。
しかし、北崎/ドラゴンオルフェノクはまるで意に介さず、新しいゲームを提案する。「オルフェノクの王を倒した者が新しい王になる」というゲームを。
北崎と木場が去った後、琢磨は冴子に泣き付く。北崎が王を倒せば、自分達は死ぬ。そんなことはまっぴらゴメンだ、と。そんな琢磨に同調するように冴子は呟いた。
冴子「私は死なない…。死んで堪るものですか…」
一方、菊池啓太郎の自宅に帰っていた園田真理は、戻って来ない草加を心配していた。
そこに巧が一人で戻って来たので余計に不安に。
巧は草加のことを「分からない。会えなかった」とだけ答えるだけ。しかし、その右手にはまだ灰が…。
その後、草加の分まで食事を用意する真理の姿に、巧は居た堪れなくなり遂に草加の死を暴露する。
巧「分からないのか?死んだんだよ、草加は!」
凍り付く真理と啓太郎。だが巧は止まらない。
「オルフェノクにやられたんだ!俺と同じオルフェノクに!」と言いながら、草加の灰が残ったままの掌を見せるとーー。
巧「憎いだろ、オルフェノクが?オルフェノクなんて一人残らず滅べばいいんだ!」
そう叫んだ巧は最後に「…俺もな」と呟き、出て行ってしまう。
真理は茫然としてへたり込むのだった。
その夜、一人でいる巧のもとに真理がやって来る。
真理は巧の胸で涙を流した。
巧「真理ごめん、ごめんな……」
そんな真理の肩を抱き、巧は自らも泣き出すのを我慢しているような声でそう言った。
ひどいやり方で草加の死を暴露したこと、八つ当たりで大声を出してしまったこと、草加を助けられなかったこと、そして、同族であるオルフェノクが草加の命を奪ったことへの謝罪を……。
ひとしきり泣いて落ち着いた真理は、「明日、行きたい場所があるの。付き合ってくれる?」と巧に言った。
その翌日、流星塾跡にある荒れ果てた校庭を真理達は訪れた。
楽しいことも、悲しいことも、辛いことも詰まった場所に…。
真理「全てはここから始まったんだよね…」
真理のその言葉を噛み締めながら佇む三原と里奈、そして巧。
だが、強烈な衝撃波が真理達の足元に炸裂する。
吹き飛ばされた一同の前に現れたのは、琢磨と冴子、そして北崎であった。
巧「お前達…!」
北崎「さあ、ゲームの始まりだよ」
北崎の言葉と同時に、ラッキークローバーの三人はオルフェノクの姿に変化する。
北崎「僕の勝ちだ!」
真っ先に鈴木照夫に狙いを付けるドラゴンオルフェノク。
啓太郎からファイズギアとデルタギアを受け取った巧と三原はファイズとデルタに変身し、すんでのところでドラゴンオルフェノクの攻撃を押し留める。
ファイズ「逃げろ!」
デルタ「逃げるんだ!」
ファイズとデルタの言葉に応えて、真理達は照夫を連れて流星塾跡から逃げる。
一方、ロブスターオルフェノクとセンチピードオルフェノクは真理達を追わずに静観していた。
その頃、ドラゴンオルフェノクの強さは相変わらずで、ファイズとデルタは苦戦を強いられていた。
しかし、ドラゴンオルフェノクの背に、ロブスターオルフェノクとセンチピードオルフェノクの攻撃が炸裂する。
冴子「悪いわね北崎君。私達あなたのゲームに付き合うつもりは無いの」
琢磨「生きたいんですよ、僕達は」
事実上の決別を宣告されたドラゴンオルフェノクは、龍人態に変化してロブスターオルフェノクとセンチピードオルフェノクを殴り飛ばし、魔人態に再変化してファイズとデルタの首を絞め上げる。
だが、デルタのデルタムーバーによる接射を頭部に受けてよろける。
その隙に、ファイズとデルタはクリムゾンスマッシュとルシファーズハンマーをドラゴンオルフェノクに炸裂させる。
しかし、ドラゴンオルフェノクはφとΔの紋章を破壊すると、絶叫しながら逃走した。
その頃、逃走していた真理達は照夫が居ないことに気付き、慌てて引き返す。
一方、消滅こそ免れたが大きなダメージを負ったドラゴンオルフェノクは、遂には変化も解けて倒れ込む。
そこにセンチピードオルフェノクが近寄ってくる。
センチピード「いい姿ですねえ、北崎さん。僕は待ってたんですよ!この時を…!」
嬉しそうに鞭を振るい、北崎を痛めつけるセンチピードオルフェノク。
だがそこに、真理達と共に逃げていたはずの照夫が姿を現わす。
そして、ゆっくりと出現する王の影。
木村沙耶が変身したデルタや北崎以上の威圧感を発する王の影にセンチピードオルフェノクは恐怖に駆られる。
北崎はその隙に逃げ出すが、オルフェノクの王・アークオルフェノクはそれを追っていく。
北崎「僕がやられるはずはないんだ…!僕は王様なんだから…!」
そう叫びながら逃げる北崎にアークオルフェノクが放ったビームが直撃。
北崎は青い炎を上げながら石化し、近づいてきたアークオルフェノクに頭から貪り喰われた。
その光景に恐怖したセンチピードオルフェノクは、一目散に逃走した。
琢磨が逃走した時、巧もその現場に到着。
そして、照夫がオルフェノクの王であることを知って愕然とする。
木場「そう、あの少年こそオルフェノクの王だ」
いつの間にかやって来ていた木場は、巧に問いかける。
木場「君に倒せるかな、あの少年が?」
その頃、必死に逃げ、遂には転んで倒れ込む琢磨。
そこに冴子が、琢磨の本願が成就したことを祝いに現れる。
しかし、尚も何かに怯えている様子の琢磨に、冴子は怪訝な表情を浮かべる。
そして、琢磨は泣き叫びながら駆け去っていく。
冴子「何?変な子…」
アークオルフェノクが北崎を捕食した現場を目撃していない冴子は、そう呟いたのだった。
その後、巧はアジアンテイスト風のレストランで朝食を頬張っている海堂からある決意を聞かされていた。
海堂「俺の命なんてどうなったっていい。俺は死んでもオルフェノクの王を倒してみせる。人類のためにな。……そして、真の英雄となるのだ」
「王の正体がどこのどいつなのか」とぼやく海堂に、巧は「さあな…」とだけ返してトーストの角を小さく齧るのだった。
後日、西洋洗濯舗菊池の100周年記念バーベキューパーティが催された。
「辛いことが続いているこんな時だからこそ盛り上がろう」と、やる気満々の海堂。
そんな中、巧は静かに照夫の様子をうかがっていた。
そして、二人の姿が消えた。
照夫から出現した王の影は、人気の無い場所で男を襲撃する。
後を付けてきた巧は、ファイズに変身し王の影に襲いかかる。だが、王の影は瞬時に消滅する。
そこに駆け付けた海堂は、まるで照夫に襲いかかるようなファイズの行動に驚き、スネークオルフェノクに変化して止めに入る。
スネーク「やめろ!何考えてんだ!」
ファイズ「邪魔するな!」
ファイズはスネークオルフェノクを殴り付け、変化を解かせると照夫を狙う。
しかし、照夫の中に既に王の気配は無いため、振り上げた拳が躊躇いによって一瞬止まってしまう。
その手を誰かの手が掴む。それは木場だった。
木場「君の思い通りにはさせない!」
木場は草加から奪ったカイザギアでカイザに変身すると、ファイズに容赦無い攻撃を仕掛けてくる。
現場に到着した真理達が、一体何がどうなっているのか理解出来ない中、カイザの強烈な一撃を受けたことでファイズの変身を解かれてしまい、生身の身体に戻る巧。
その時、一瞬、巧の掌がさらさらと灰化を始める。
駆け寄る真理達に対して、巧は灰化を押し留めるかのように拳を握りしめると、何処かへと走り去って行くのだった……。
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※最終回