概要
玉兎とは月に住んでいるとされる架空のウサギのこと。対存在として金烏(きんう)がいる。→月の兎
本項では、上記の伝承を元にした 東方Projectに登場する種族について説明する。
東方Projectの玉兎
月の都に住む人型の兎であり、東方永夜抄の鈴仙・優曇華院・イナバが初出。
続いて東方儚月抄にてレイセン、一般住民や兵士のモブキャラが登場した。
基本的に怠け者が多く、噂話などが好きで、月人に比べると人間のように俗っぽい。
普段の仕事は、餅つき(儀式的意義)や月人の従者、兵士など。
奴隷階級といっても労働はほんの軽いものに過ぎない。仕事以外はお酒呑んでそれぞれお喋りや歌、将棋に余暇を使用する。ほぼ不老(不死では無い)の月人とは異なり、人間のように子供や老人の姿が儚月抄で確認出来る。訓練していた兵士の間で地上に興味を抱いている個体も少数存在する。
地球から移住してきたとされる月人たちと違い、種族としての玉兎の出自は明言されていない。月の原生住民なのかもしれないし、月人によって持ち込まれた種族なのかもしれない。幻想郷に住む妖怪兎と似ているが関連性などは不明。
月人は穢れを嫌っているが、鈴瑚によると月の民の貴族階級だけが穢れを嫌い、下っ端である月兎にはどうでも良いらしい。東方紺珠伝で穢れを伴う地上部隊「イーグルラヴィ」は玉兎で構成されていた。
その食環境にも月の人々と玉兎との間で差異がある(『東方文果真報』)。
この他「月の兎」という存在性を見るとき、上記のような『東方儚月抄』などで語られる玉兎との同一性は不明ながら「ZUN's Music Collection」にもそれが象徴的に語られている。
「大空魔術」では隠された月の都にいるであろう存在として「 不老不死の薬を搗く兎 」が宇佐見蓮子によって想像されており、マエリベリー・ハーン(メリー)は実際に「 向こう側 」にある「 月の都 」に「 薬を搗く兎 」の姿を垣間見ているなど、秘封倶楽部二人の想像と観測によってそれぞれの「月の兎」が語られている。
能力
種族固有の能力として、以下の2つを持つ。
遠くの玉兎と通信する能力
玉兎同士ならばどんな距離でも(月と幻想郷、たとえ博麗大結界に阻まれようと)リアルタイムで会話が可能。ただし月⇔地上は満月に限る可能性もある。比較的オープンに(逃亡兵の鈴仙が盗み聞けるぐらい)噂が飛び交っているのもこのため。個人向けのメッセージも送れるらしい。
波長を操る能力
一般の玉兎も姿を消したり催眠をかけることができる模様。ただし個人の技量差があり、鈴仙は特別優秀な兎だった。黄昏作品の鈴仙や儚月抄でのレイセンは姿が消えるほどの高速移動を行っているが、これも波長を操る能力の応用と思われる。
玉兎のキャラクター
- 鈴仙・優曇華院・イナバ
- レイセン
- 清蘭
- 鈴瑚
- 綿月配下の玉兎たち → モブ玉兎
また東方儚月抄では「玉兎のリーダー」なる存在が言及されている。
東方紺珠伝にてこの玉兎のリーダーの正体が嫦娥である事が判明した。東方外來韋編のインタビューによると嫦娥はヒキガエルの姿をしている模様。
容姿
玉兎たちの内、鈴仙、レイセン、清蘭、鈴瑚の四人の容姿や服装、玉兎としての特徴などについては各記事(「鈴仙・優曇華院・イナバ」「レイセン」「清蘭」「鈴瑚」)を参照。
綿月姉妹の配下の玉兎兵については「モブ玉兎」の記事を参照。
共通の特徴として白いうさ耳と尻尾、赤い眼を持つ。基本少女しか出てこないモブ妖怪とは異なり、その姿は老人や青年・子連れなど多様。髪型もおかっぱやパーマなど個性がある。
玉兎兵のブレザーをはじめ服装は現代的であり、中にはジーパンらしきものを履いている玉兎も。
耳の形状
大きく分けて、立ち耳と垂れ耳の2つのタイプが見られる。
玉兎にも種類があるのか、後天的に変化したものかは不明。
鈴仙や清蘭、綿月の兵士たちは立ち耳。付け根から直線方向に立ち上っており、時折中央付近で曲げたりなどしている。
レイセンや一般住民と見られる玉兎たちはみな垂れ耳となっている。
鈴瑚も垂れ耳だが、耳の先が鈴仙ら同様尖っている。そのため第3のタイプ、または帽子で癖が付いた立ち耳との解釈も見られる。
なお、レイセンが部隊に新しく参加するにあたって他の玉兎の一人がレイセンの耳に触れている様子も描かれており、一種の友好を築くための耳へのボディタッチといった様子も見られている。
紺珠伝にてストレスに応じてシワシワになるという設定が明かされた。
関連イラスト
- 『紺珠伝』以降にみる「玉兎」の広がり