BEFREE!
びーふりー
概要
BEFREE!とは、1984~88年に「週刊モーニング」に連載された江川達也原作の成年漫画にして連載デビュー作である。
江川が元教員だった事もあり、当時の管理教育への問題提議と、荒唐無稽な展開と若さとパワフルさで書き切ったものであり、荒唐無稽に思えて実は様々な伏線が引かれている特徴がある。1986年に羽賀研二、伊藤かずえ出演で実写映画化された。
そして、大胆且つ無謀にも著作権に立ち向かった異色作でもあった。
あらすじ
某県壱河市立明北高校の数学教師として赴任した笹錦洸は兎に角非常識且つ破天荒な行動で、生徒達から慕われていた。
そんなある日、虎子光秀一郎が教師として赴任し、校内ファシズムを実行し、管理教育を築こうとする。
笹錦は虎子光の策略で問題クラス「さくら組」の担任にされ、笹錦は地道且つ懸命な家庭訪問で不登校の生徒達を集め、次第に笹錦への信頼が増して来た。
その笹錦が30年後に文部大臣になるとは、その当時は誰も予測しなかった…。
やがて笹錦の行動は日本中を動かす事となる。
登場人物
壱河市立明北高校教師
笹錦洸主人公。VT250のバイクを愛用する数学教師。
島本圭子笹錦の先輩の女性教師で、笹錦の憧れ
虎子光秀一郎校内ファシズムを目指す独裁者だが、虎子光秀一郎(元祖)の後継者候補の何人目かの影武者だった事は後に判明する。
虎子光冴子秀一郎(何人目かの影武者)の実妹で、笹錦の免職処分後、友人のカオリと共に明北高校の教師として赴任する
カオリ冴子の大学時代からの腐れ縁の友人。冴子と共に明北高校の教師として赴任する。
如月先生元全共闘世代の教師で、生徒達からの信頼も厚い。虎子光の校内ファシズムを予期し対策を立てようとするも宝島分校へ左遷させられる。しかし、終盤笹錦の力で片腕として教頭として復帰する。
物語後半~最終回までの展開(ネタバレ注意!)
虎子光の管理に義憤を覚えた笹錦は新学期のある日、衝動的に暴れ、最後は校舎を破壊し解雇される。笹錦の憧れだった島本圭子はさくら組の担任に左遷させられ、笹錦は何故か生徒として復帰する。
虎子光はある日、自身が管理システムを作成していた日に冴子を襲おうとしたら実は笹錦の変装であり、その時から笹錦にマインドコントロールされており、管理システムは実は人道的な要素もあり、さくら組は落ちこぼれ処か個性派精鋭クラスだったのである。
その後、生徒の一人佐藤貴のトラブルが原因で極道の岩尾組との抗争に巻き込まれ、笹錦の非常識さと虎子光グループの私設軍隊と言える極道・虎子光組により、岩尾組は壊滅。
さくら組の面々と圭子は退学・免職処分となり、南海の無人島で杉村美幸の妨害を受けながらも数ヶ月暮らす。
無人島からの帰還後、さくら組と圭子は明北高校へ復学・復職となり、校長先生は宝島分校へ左遷。宝島分校で勤務していた如月先生が教頭として復職、笹錦は何と校長として復帰した。
明北高校を地域交流の場に開放し、様々な人々から支持を受ける笹錦。しかし、それを快く思わない虎子光秀一郎(元祖)の策略で笹錦はその時代の最悪の犯罪人として逮捕されてしまう。
笹錦は全ての罪を背負い、敢えて刑期を全うする道を選び、二階堂有希子に関係者に罪を背負わせない様懇願し、有希子もまたそれを受け入れ、関係者は「笹錦に騙されていた」として無罪放免となり、笹錦不在のまま、さくら組は明北高校を卒業した。
それから30年後、旧さくら組の同窓会が開かれ、笹錦の側にいたのは憧れの島本圭子ではなく、教え子の丘野ひろみだった。
旧さくら組の面々が集まる中、元クラスメートの長谷川まみだけは癌で卒業式の三日後に既に早逝していたのであった。
そんな中TVのニュース速報で首相になった松平圭子は笹錦を文部大臣に指名した事を伝発表。皆が年老いていたのに、笹錦だけはあの頃と変わらない若さと容姿のままだった。
余談
概要に描いてある通り、本作は著作権に無謀にも立ち向かった作品で岩尾組との戦闘シーンでは世界一の長寿TVアニメの万年幼児がさり気に書かれており、最終回のニュース速報の前の場面では万年主婦
とその弟との喧嘩の場面が書かれており、台詞も漢字で「鰹!」と書かれてあった。これがラストの伏線とは思わなかった。