概要
自己免疫疾患の一つで、甲状腺刺激ホルモン受容体に対する抗体が体内で作られて甲状腺を刺激することにより、代謝が必要以上に上がってしまい様々な体調不良を引き起こす。
ドイツの医師、カール・フォン・バセドウにより発見されたためこの病名がついた。
原因は現代に至ってもはっきりとは特定されていないが、なりやすい体質の遺伝やストレスも発症の一因とも言われている。
女性の方が発症率が高いとも言われているが男性患者も少なくはない。
症状
動悸や息切れ、指の震えを起こしたり疲れやすくなったり汗をびっしょりかいたりする。
人によっては眼球がせり出してくることもある。
イライラが酷くなることもあり、このために家族や同僚と険悪になることもあり精神的負担も軽くない病気である。
症状が紛らわしい他の病気も多いため、必ず専門家による診断を仰ぐことが大事である。
治療
抗甲状腺薬の服用、放射性ヨウ素内服、手術が主な治療法であるが、適した治療や投与量には個人差が大きくあるため、甲状腺治療の専門家にきちんとかかることが望ましい。
治療がすんなり行った場合は服薬後2〜3ヶ月程度で症状が落ち着く場合もあるが、1年以上経って再発するケースや合う薬がなかなか当たらず試行錯誤で長期間かかる場合もあり「完治」と言い切るのは難しい病気である。
そのため、症状が落ち着いてからも定期検査が必要になることが多い。
服薬中は昆布などヨードを含む食品が制限されることがあるが、食事制限はあまりされない。
ストレスや喫煙が悪影響を及ぼすこともあるので、禁煙が推奨される。