エスペラント(蒼穹のファフナーシリーズ)
たいわのちからをもつもの
「ミールと対話し、人類との共存を実現するのだ。」
概要
「希望……」
「そう、人類が生み出した人工言語の名だ。互いに理解し、争いをなくすために作られた言葉…真の希望だ」
2114年、第一次フェストゥム襲来以来長く続く戦いに人類は疲弊しきっていた。いくら倒しても中枢であるミールが存在する限り、フェストゥムは無限に現れては人類の戦いを学習し、強大になっていく。
終わりが見えない戦いの中、ナレイン・ワイズマン・ボース大将がある少女を保護した。その少女エメリー・アーモンドはミールの欠片を所持し、フェストゥムと交信する能力を有していた。元々は彼女の弟が偶然拾った北極ミールの欠片を通して交信能力を身につけ、彼女自身も弟から教わる。その後、フェストゥムに街が襲われた際に弟が破壊をやめるように訴え、フェストゥムが去った。代償として弟と両親はミールに同化された。
以来、エメリーは弟のスニーカーに入れてミールを所持していた。それらの経緯を聞いたナレインはミールと交信する能力者を「エスペラント」と名付け、竜宮島と同じく「フェストゥムとの対話による共存と平和」を提唱し、賛同者とエスペラントの素養を持つ人間を探す。
能力
人間と性質が大きく異なるフェストゥムの感情と言語を理解し、対話によって攻撃してくる群れを撤退させる、或いは襲われることなく素通りさせる以外に襲ってくるフェストゥムの敵意を読むことで防衛体制を整えやすくすることが出来る。
出現の原理は明言されていないが、竜宮島の日野美羽は両親がフェストゥムの因子を移植された人間であり、島のミールと日常的にクロッシング状態にあることでフェストゥムの感情と言語を理解することが出来る。また、エメリーと弟もミールの欠片を保持していたことからミールやフェストゥムの因子との繋がりが大きく関係している。
また、フェストゥム同様に人間の思考を読むことも出来るほか、ファフナーの変性意識のように読心能力を防ぐことも可能。
世界への影響
これまでフェストゥム殲滅を掲げながらも、全くその兆しが見えない人類軍においてエスペラントの存在は衝撃的であり、フェストゥムとの戦いに疲れ切った人類軍においてナレイン自身の実績もあり、大きな影響力をもたらす。
ナレインは世界各地からエスペラントの資質を持つ人々やその賛同者の人類軍兵士を集めてペルセウス中隊を設立、シュリーナガルにおいてエメリーのミールを成長させることで世界樹、アショーカと呼ばれるミールを育ててフェストゥムとの共生環境を作ることに成功していた。
しかし、トリプルプランを推奨する新国連首脳部にとっては同化と同義と見なされ、同時にヘスター・ギャロップが極秘に進めていた計画の障害として抹殺が図られる。
竜宮島との関係
ペルセウス中隊の隊員達はエスペラントの資質を持つ者と賛同者で構成され、竜宮島の人々もその資質を有し、特に美羽はエメリーをも凌ぐ「世界最高のエスペラント」と称される。アルヴィスのパイロットでは真壁一騎、近藤剣司、西尾里奈、鏑木彗が高い資質を有している。
2151年に到来が予期されるミール「アルタイル」の接近を知ったナレインは北極ミールの災いの再来を阻止するために、エメリーを連れて竜宮島に協力を求める。しかし、新国連の陰謀でシュリーナガルの生存者もろとも抹殺の危機に瀕してしまうが、竜宮島の人々と共存派のフェストゥムの協力でこの危機を脱した。
エスペラントの裏切り
しかし、対話の力を持ちながらも人間であるが故に世界そのものに絶望するのも事実であり、一人のエスペラントの少年がアルヴィスを離れることとなる。