概要
本来の生息地は東アジアや東南アジアの熱帯から温帯の森林、草木、水辺といった野外だが、21世紀に入ってからは地中海欧州沿岸やアメリカ東海岸にも外来種として生息域を拡大させている。
一般にヤブカと呼ばれる種類で胸部の背面に一本の白い正中線とW状の斑模様があり、黒い体色に白い縞模様のカは殆どがこいつ。吸血行動は雌が産卵に備えて栄養を得るためで、雄は血を殆ど吸わないが雌との交尾を目的に連れ添って飛来する。発情期以外は人の血を吸わず、どちらも花の蜜を吸って生きている。
感染症媒介として
デング熱、ジカ熱、西ナイル熱、チクングニア熱、黄熱など多種多様な伝染病を広める故に人類の宿敵とも言え、国際自然保護連合(IUCN)がリストアップする「世界の侵略的外来種ワースト100」にも掲載されている。
付け加えて言えば、犬にとってヤブカは人間以上に生死に関わる危険な存在でもある。寄生虫「フィラリア」の一種である犬糸状虫が犬に寄生すると血流が悪くなり、最悪臓器に侵入すると死亡することもある。ただ、先進国では動物病院に行くと対犬糸状虫用の薬が販売されているので、賢明な飼い主ならまず犬糸状虫起因の感染症で愛犬が死亡することはない。
病例の詳細は「節足動物媒介感染症」参照のこと。