概要
双子葉植物綱ナス目ナス科に属する植物。古くから薬草として用いられた一方、魔術や錬金術の原料としても登場する。根茎が幾枝にも分かれ、時としてそれが人に似た形になる事がある。
幻覚、幻聴を伴い時には死に至る神経毒が根に含まれる。また、マンドレイクの実を食べた人が、あらぬことを口走って倒れた、という報告もある。
仏法典に出てくる「曼陀羅華/曼荼羅華」やチョウセンアサガオ(マンダラゲ)としばしば混同されるが、全くの別物。また、アメリカやカナダでMandrakeといえばMay Apple(ポドヒルム)を指し、これもまた全く別属別種の薬用植物である。
またナス科野菜のトマトが新大陸よりもたらされたばかりのとき、果実が似ていたために毒であると勘違いされなかなか食品として普及しなかった。しかる後、「マンドラゴラはラヴ・アップルと言われ媚薬効果があるからトマトもありそう」とする説が出た際、そういうものとしてのトマトブームが出た(なお、トマトの根はマンドレイクとだいたいあってるが媚薬効果はない)。
マンドレイクはヘブライ語ではドダイームといい(「女性からの愛」を表す「ドーディー」と似る)、旧約聖書の創世記でヤコブがラケルと子作りをした際に使った、とある。実を媚薬として使った、とあるが詳細を書くと「嫁のパパは最初に姉レアをヤコブへ嫁がせ」「次に女奴隷を二人ばかり」「ラケルは姉の息子が拾ったこれを「旦那のレンタル」と引き換えにもらう」というどういうことなのかわからない事態があるので略す。
旧約を聖典として使っているイスラム世界にも「ヤブルー」と言う、「媚薬の実をつけ、根っこが人っぽい」植物が伝わっている。
人のように動き引き抜くと悲鳴を上げて、まともに聞いた人間は発狂して死んでしまうという伝説がある。→詳しくはマンドラゴラの項を参照。
余談
音楽家・平沢進氏がP-MODEL以前に結成していたバンド名も「マンドレイク」である。