血液内の細胞成分のひとつでウイルスや細菌、腫瘍化した細胞や役目を終えた細胞を排除する。ひとえに白血球といっても何種類かあり、役割が異なる。
血液内の白血球について
大きさは6~30μm(マクロファージを除く)、個数は正常な血液において1μℓあたり3500~9500程度ある。乳幼児の場合は数が多く、1μℓあたり20000を超えることも珍しくない。
好中球
白血球の50~70%を占め、細菌や真菌に感染した部位に集まり捕食する。この際に死んだ好中球は膿の主成分となる。
好酸球
白血球の2~5%を占める。弱いながらも細菌や真菌への捕食を行うが、主に寄生虫・寄生虫卵への傷害、あるいはアレルギー反応の制御を行なう。
好塩基球
白血球の1%以下しかない。免疫作用に関与していると思われるが、はっきりとした存在意義は不明。
リンパ球
白血球の20~40%を占める。抗体などを使いあらゆる異物を攻撃する。ウイルスなどの小さな異物や腫瘍細胞に対してはリンパ球が主となって攻撃する。体液性免疫・抗体産生を行うもの、細胞性免疫(腫瘍細胞やウイルス感染細胞の破壊など)にかかわるものといった働きに応じ何種類かに分かれている。
単球
白血球の3~6%を占める。感染に対する免疫の開始に重要な役割をする。異物を捕食し消化すとともに抗体産生にかかわる情報となる物質を血球表面に提示する。また血管外にも遊走でき、そこでマクロファージとなって異物の捕食や不要になった体細胞の処理などさまざまな役割を行う。
余談
献血などで血液を他の患者に輸血する際、提供者からの血液の白血球が患者の体組織を異物と見なし攻撃することによる移植片対宿主病(GVHD)の原因となるので、輸血する血液は放射線(ここではα線やβ線では貫通力が低すぎるため、貫通力の高いγ線をつかう)で白血球を殺してから患者に輸血する。ちなみに拒絶反応は攻撃する側とされる側が逆なので注意。