概要
乗用車からの派生でフォード・モデルTに荷台を架装したのが起源と言われている。
逆にピックアップトラックにワゴンスタイルのボディを架装したのがSUVである。
日本ではほぼ消滅したジャンルだが、北米やオーストラリア、発展途上国では個人・商用問わず高い需要がある。具体例として2018年の乗用車販売台数世界一はカローラであるが、ピックアップトラックまで含めるとフォートのFシリーズが1位になるほどである。
各国のピックアップトラック
アメリカ合衆国では武骨で力強いスタイルが好まれ、特に田舎では自家用車としてこの類の自動車が広く普及している。特に「フルサイズ」と呼ばれる大型のピックアップトラックが人気で、ベストセラーであるフォードのFシリーズは全幅が2mを超え、全長も6mにも達するデカさであるが、北米は道路が広く、駐車場もゆとりがありこの程度のボディサイズは問題にならないのである。
オーストラリアでも同様に大型サイズの車種が主流だが、アジア、中南米などで生産されているものは、以前の日本製ピックアップに近い、小型から中型サイズのものばかりである。
日本車でもかつてはダットサン・トラックをはじめ多くのモデルがラインアップされていた。かつての小型キャブオーバートラックは現在よりも相当小型・窮屈で、積載時の走行性能も満足の行くものではなかったから「仕事とプライベート兼用の自動車を1台しか買えない」という向きにはピックアップを選択する理由があった。しかし、乗用車の普及率が上がり、小口運送には小型トラックよりライトバンが好まれるようになり、さらに軽トラックの居住性が改善されるとピックアップトラックはスペース効率に劣ることが敬遠されて撤退が相次いだ。2017年にハイラックスが逆輸入されるまで国内では絶滅状態であった。
ただし海外ではトヨタ、ホンダ、日産、三菱、マツダ、いすゞなど各日本メーカーがこぞってピックアップトラックを販売している。
途上国では民生用の他、紛争地帯ではこれらピックアップトラックに機銃などを荷台上に強引に搭載した「テクニカル」と通称される即席戦闘車両が頻繁にみられる。