概要
本作の主人公カタリナ・クラエスの前世である女子高校生(通称・野猿)の親友だった少女。主にカタリナの前世の回想シーンに登場する。野猿からは「あっちゃん」と呼ばれている。
アニメ版のオープニングにおいては『完全攻略本 大技森』なる本を持って登場。オープニングソングのセリフ(リズム)パートを語っているかのごとき演出がなされている。
人物像
容姿
WEB版や文庫版では黒い髪と黒い瞳とだけしか書かれておらず、詳細な容姿については不明。コミカライズ版では、前髪を揃えたミディアムヘアの少女として描かれている。アニメ版ではコミカライズ版に準拠した外見だが、髪の色は茶色に変更されている。
性格
内向的なオタク気質で、小学生の頃はそれが災いしてぼっちであった。一方で好きなもの(マンガ・小説・ゲームなど)に関しては冗舌で、野猿にマンガやアニメを勧めて一緒にオタクの道へ突き進み、彼女を高校進学に導く牽引役にもなっている。ただ、あまりにも熱心に話しすぎてまだ野猿がプレイしていないルートのシナリオの展開まで言ってしまい、野猿を困らせる一面もある。野猿は基本的にネタバレを避けるタイプであるのに対して、敦子は攻略本を持っている。
経歴
小学生の頃は内向的で友達と呼べる存在はおらず、いじめにも遭うなど、孤独な毎日を送っており、マンガや小説といった本を読み、物語の主人公になった自分を想像することで、寂しい現実から逃げていた。
野猿との出会いは、ある日の休み時間に校庭の木の下を通りがかったら、よりによってその木で木登りをしていた野猿が頭上から落ちて下敷きにされたことから。(敦子はこの時まで野猿が自分のクラスメイトだと認識していなかったが、野猿の方はそれ以前から敦子のことを知っていた)。
以降、彼女に好かれて構われ続けていくうちにすっかり彼女と打ち解け、「野猿のお世話係」としてクラスのポジションが確定し、同級生とも野猿を通して仲良くなり独りぼっちから脱却することができた。
根っからの野生児であった野猿に対して漫画・アニメ・乙女ゲームなどのオタ趣味を吹き込んだ張本人だが、その事によって野猿が大人しくなり知恵(常識)も多少ついた事から、野猿の両親から「猿を人間にしてくれてありがとう」と泣いて感謝されるに至っている。高校受験においても必死に野猿を支えて彼女を志望校合格へと導いた。
当然、『FORTUNE・LOVER』も隠れ攻略キャラまで完全攻略済み。
野猿の突然の事故死に対して、友の葬式を終えてなお現実感がわかず意識が乖離していたが、彼女が生前メッセージアプリに遺していた「腹黒ドS王子が攻略できない~」という言葉に感情と現実感を蘇らせて号泣。野猿の分まで日々を生き抜くことを誓う。そして天寿を全うした折には「もしも生まれ変われるのならば、もう一度あの子と出会い友達になりたい、もう一度、あの子と共に日々を生きたい」と強く強く願うようになる。
関連タグ
カタリナ・クラエス(敦子の親友が転生した姿)
以下、第一部のネタバレにつき閲覧注意!!
「せっかくまた出会えたのに……もう失うのは嫌!……今度こそ、あの子を助けてみせる!だから、こんな所でめそめそしてないで、私をあの子の元に連れていって!」
実は本編世界におけるソフィア・アスカルトの前世であり、彼女が見ている悪夢の記憶の根元。ソフィアの悪夢の正体は「親友を事故で喪った敦子の慟哭の記憶」であり、それゆえに「二度と親友を失ってはいけない」という意味で夢に見ているのである。
ソフィアはカタリナと違って前世の記憶を思い出しておらず、悪夢として転生前の思い出を見る機会はあるものの、目を覚ました時にはその内容を忘れてしまっている。現在のところ、敦子はソフィアと完全に一体化することなく憑霊や副人格に近い存在と化していて、両者の意識は別個に存在しているようである。敦子(の人格)はカタリナがかつての親友が転生した存在であることに気付いているが、カタリナは敦子がソフィアに転生していることを知らない。ただし、カタリナは10歳の頃にアスカルト伯爵家へキースと共に遊びに行った際、ソフィアの後ろ姿に敦子の面影を重ねて既視感を覚えている。
転生後はソフィアとしてずっとカタリナの傍にいることを誓ったり、ソフィアが就寝の際に恐怖へ襲われた時は励ましたりしている。WEB版終盤(文庫版第2巻)では闇の魔力によって眠りに就いたカタリナの夢にソフィアを介して現れ、彼女の復活を促したほか、マリアの救出や隠し攻略対象キャラを救済するためのヒントを授ける重要な役割を果たした。
その後も、カタリナにとっての新たな破滅フラグとなる続編の乙女ゲーム『FORTUNE・LOVER Ⅱ~魔法省での恋~』(以下、Ⅱ)を敦子がプレイしている光景がカタリナの夢に現れたり、ソフィアがカタリナに貸した小説にⅡに関する情報が日本語で書かれたメモが挟まっていたりと、敦子が関与したと思われる現象がたびたびカタリナの周囲で発生している。
なお、作中に登場する敦子は全て中学生または高校生の姿だが、前世で何歳頃に死亡したのかは不明。Ⅱを遊んでいた頃の年齢も不明だが、同ゲームのプレイ中に「あの子が最後にやってたゲームの続きだから、クリアしたら報告に行かなきゃな」と話しているので、この時点で野猿の死から数年は経っており、墓参りにも何度か訪れているようである。
余談だが、前述のように敦子はネタバレで野猿を困らせる一面もあったのに対して、転生後のソフィアがカタリナへ新作のロマンス小説を勧める時はネタバレしない程度で力説している。この違いは、前世で怒られたり嫌がられたりしたことで反省したためなのかもしれない。
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