アイヌ民族の公用語。
いわゆる共通語に相当するものが定められていない。初学者には日高地方あたりのアイヌ語が教えられることが多い。
北海道の地名にはアイヌ語由来の名称が多い。北東北にもアイヌ語由来の地名が散見される。
発音
アイヌ語には日本語の濁音に当たる発音や、中国語・韓国語の有気音・無気音に相当する子音が無い。
その代わりと言っちゃ何だが、日本語や韓国語に無い二重母音が存在する。
音節末が子音で終わることも多い。
表記
アイヌ語は近代になるまで文字表記を持たなかったので、世の趨勢によりローマ字かカタカナで表記されることになった。今はカタカナの方が一般に使用される。
日本語にはほとんど(あるいはまったく)使われないカタカナがある。
カ行の「ㇰ」、サ行の「ㇱ・ㇲ・セ゚」、タ行の「ㇳ・ツ゚・ト゚」、
ナ行の「ㇴ」、ハ行の「ㇵ・ㇶ・ㇷ・ㇸ・ㇹ・ㇷ゚」、
マ行の「ㇺ」、ラ行の「ㇻ・ㇼ・ㇽ・ㇾ・ㇿ」。
文法
アイヌ語は人称変化が非常にやかましい言語である。
動詞に一人称・二人称・三人称があるほか、名詞にも一人称・二人称・三人称がある。
ややこしいことに、人称変化は語末変化だけではなく、語頭にも接頭辞を付ける。
当然のごとく、単数形と複数形が存在する。
語順は、日本語と同様の「SOV」形式を基本とする。
物体そのものを表す「一般名詞」と、物体が行動の舞台になっているときに使う「場所名詞」が存在する。(英語のhouseとhomeのようなものと理解すると分かりやすいかも。)
アイヌ語由来の単語
オットセイ:アイヌ語から中国語経由で日本語に入ったとされる。