概要
ペルソナシリーズのうち『ペルソナ2』において、ゲームの導き手である人類のポジティブマインドの化身フィレモンと並び、重要な役割を担う存在。
人類のネガティブマインドの化身。人の心が持つ光と影、そして無限の可能性までもを知り抜いたうえでその何もかもを嘲笑う、執拗かつ底無しな悪意の具現である。
「人は完全な存在となり得るか」という命題について、宿敵にして半身であるフィレモンと尽きぬ議論を交わしており、肯定派のフィレモンが人類の営みを見守り続けるのに対して、否定派である彼はより積極的に人類を破滅に導くことで、人は完全な存在になどなり得ないことを証明しようとする。
人の心の海より出でし彼が、地球外の神性存在であるニャルラトホテプを名乗るのは、かつてとある作家と邂逅した際に、その発想の中にある邪神の一柱があまりに己の在り様と似ていることに感心したため、とされている。
公式によって「クトゥルフ神話に登場する同名の邪神とは別物」であると言明されており、千の化身によって如何なる設定をも呑み込む「ニャルラトホテプ」の名を冠するキャラクター群の中では異色の存在でもある。
余談だが罰で戦いに敗れたニャルラトホテプだが死んだり消滅したわけではなく活動を休止しているだけである。
そもそも人の心の海そのものであるニャルラトホテプは排除することは決してできない存在である。
その後のシリーズにも神と称される存在はいろいろ登場するが彼らは歪んでいるとはいえ人間の願いをかなえる存在でニャルラトホテプとは決定的に異なるといえる。
この悪辣は日本で発売されたゲームでもトップクラスと称されることもある。
作中での姿
千の貌を持つとされるニャルラトホテプを名乗っているだけあって、『罪』『罰』の両方で無数の化身を使い分け、黒幕として辣腕を振るう。
噂パパ | 基本形態 |
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黒須淳の理想の父親像を元に生まれた化身。淳の心の隙間に付け入り、自身の手駒に仕立て上げた。 | スーツを着た男性のマネキンのような姿。モチーフはおそらく「ナイ神父」。ゲームには登場しておらず、金子一馬氏の画集で初めて存在が明かされた。 |
グレートファーザー | 無貌の神 |
『罪』の最終ボス。上記噂パパを中心に栄吉・リサ・舞耶・淳の父親を模した化身が集結した姿で、そのインパクトは抜群。システム上は5体の敵として扱われているため、強さという点でも猛威を振るう。相性無視全体即死攻撃「シールズレイド」のような恐ろしい技を持つ一方、HPダメージがランダムで微小なSP減少に変わるようになる特殊技「失意の悪夢」も保有しており、達哉たちを弄んでいるようにも感じられる。 | 『PERSONA2 罰』の追加モード・アディショナルシナリオに登場する化身。真・女神転生Ⅱ等と同じ姿をしている。モチーフは名称のとおり「無貌の神」だが、デザインについては、同じく化身の一柱である「夜のゴーンツ」から採られている。 |
ペルソナとしての姿 | ゴッド神取 |
『罪』におけるジョーカーのペルソナ。ニャルラトホテプの化身だと明示されたのは書籍『ペルソナ ワールドガイダンス』が初。 | 『罰』における神取鷹久のペルソナ。ただし、姿は似ているものの公式にはニャルラトホテプの化身とはされておらず、実際の関連性は不明である。 |
月に吼えるもの | 真の姿 |
『罰』の最終ボス(第1形態)。モチーフは名称のとおり「月に吠えるもの」。この姿自体は『罪』でも見せていたが、『罰』とは細かいデザインが異なっている。 | 『罰』の最終ボス(第2形態)。モチーフは”奴”が最も頻繁に自己の異名として用いていた「這い寄る混沌」と思われる。「これこそが真の姿」「この姿を晒させたのはお前達が初めて」とRPGラスボスお約束の口上を吐くが、そもそも「ニャルラトホテプ」という名と性質自体が”奴”にとっては仮面のようなものであり、どこまで信じてよいのかは疑問である。 |
さらに「時間城の伯爵」「ヒトラー(フューラー)総統」等々、敵対者のみならず協力者にすらニャルラトホテプの化身が存在している。
関連作品
女神異聞録ペルソナ
ストーリーを左右する存在でこそないが、神取鷹久のペルソナ、及び城戸玲司専用ペルソナとして登場はしていた。また、上で述べた「ゴッド神取」という名称は、元々は本作のボスが初出である。
細かい部分では、比麗文上人(ひれもんしょうにん)なる人物の対になる存在として、邪鬼鳴羅門火手怖(なるらとほてふ)なる名前をエルミン学園の石碑などに見る事ができる。
ペルソナ 罪と罰
黒幕である日下耶雲に仕えるペルソナ使い・羅喉(らご)として登場。
使用ペルソナは「ディアブル・ド・ラプラス(ラプラスの悪魔)」。
自らがニャルラトホテプの化身だと自覚のない道化のような役回りだったが事件の終結後フィレモンの前に姿を現し嘲笑いながら姿を消す。