ドクター・オブラー
どくたーおぶらー
ドクター・ケンプは美獣に変身した。ドクター・マゼンダも自己改造した。
しかし、君たちは人の姿を残した。
愚かな人間を否定する者が、人間の姿を残すなんて恥ずかしいと思わんのかね?
人間を乗り越え、人間以上の存在になるとは、完全に人間を捨て去り、私のようになる事なのだ!
今、ドクター・オブラーは最高の頭脳と最強の肉体を持つ生命体に進化したのだ!
演:坂井徹、CV:森篤夫
概要
武装頭脳軍ボルトの幹部、ドクター達の一人。別名獣人オブラー。
本名は尾村豪。後のケンプこと月形剣史、マゼンダこと仙田ルイと共にボルトに入り、それから約2年後の第3話で頭脳獣ウイルスヅノーのウイルスを自分の体に注入することによって圧倒的体躯とパワーを有する獣人オブラーへと進化を遂げ、幹部として地位を確立する。
人物
アカデミアの中でも剣史やルイと同様に星博士の方針に反発していた問題児の一人。
貧弱な体躯の虚弱体質であったゆえ、ボルト参加後は自身の体の強化に拘るようになり、バイオテクノロジーによる身体変化の研究を推し進めていた。
人間の頃はまだ慇懃な態度の方が目立っていたが、獣人化後は豪快かつ自信に満ちた性格に変化、同じく自己強化を行っていた同僚のケンプ達をも上記のセリフで「中途半端」と批判した。
しかし、それらの言動は全て彼のコンプレックスから来るものであった。
科学アカデミア時代はイエローライオンの大原丈とも親友で、当時は泳げないにも関わらず溺れた子犬を助けようと川に飛び込んだ事もあるなど、本来は心優しい性格だった。
しかし幼少期から非常に優秀だったために、教育ママである母親・俊子に「あなたは天才、他の子とは違う」と言い聞かされ、同年代の子供と遊ぶことも許されず、遊びたいという思いを我慢して勉強に明け暮れた結果、「母の期待に応えるために本心を押し殺して天才であり続ける」はずが、いつしか「天才であり続ける事」のみに執着する性格に変わってしまった。
ビアスに対する忠誠心は非常に強いが、次第に失策が重なり、分身頭脳獣ベンキョウヅノーを作るという自殺行為によって獣人化ウイルスの効力が落ち(作戦途中までそのことに気付かなかったことも見限られた要因と思われる)、人間に戻ってしまう。そのベンキョウヅノーにも心の奥底の願望が反映され、作戦が滅茶苦茶になった事からビアスに見限られ、さらに他の三人にも頭脳獣オブラーヅノーの素体にされて、ボルトから完全に切り捨てられる。
息子にしてきたことへの過ちに気付き、これを悔いた俊子の涙の謝罪による和解を経て元の人間に戻る事ができたものの、これまでの反動によって心身が消耗した彼は記憶を殆ど失ってしまい、母に付き添われながらボルトを脱退する。
以降は暫く登場が無かったが、記憶を少しずつ取り戻すにつれて自分がボルトの一員として行ってきた罪を悔い、クリスチャンとなっていた。
再登場の時に頭脳獣に突然襲われたことで全ての記憶を取り戻したため、生存をボルトに知られて命を狙われる苦難に遭いつつもライブマンを支援し、同時にマゼンダとアシュラの最期を見届けた。
能力
バイオテクノロジー分野の知識に優れ、自らを獣人化したウイルスや噛んだ者を猿人化する頭脳獣ヒヒヅノー(猿人に噛まれた者も猿人化しネズミ算式に猿人が増殖する)を作り出した際にはケンプさえも驚き、悔しがりつつその技術を自分に勝るものと称賛した。
獣人化ウイルスも一旦効果が薄れても肉体強化の効力は残存し、強力なエネルギーを与える事で活動を再開するなど非常に強力である。
なお、人間に戻った後もウイルスの影響が豪の体に残り続けた結果死ねない体になっており、演出の問題という側面があるにしても、ガッシュガン(主にボルトの幹部達を粛清するのに使われ、ライブマンも直撃すればただでは済まない作中最強武器)を至近距離から何発も食らったにも関わらずほぼ無傷で済んでいる。
余談
ボルトの初期メンバーのドクター3名の中では唯一の生存者にして、悪行の報いから重傷を負ったものの明確に救われた人物となったが、一人だけ死ねない体で生き続けるという死ぬよりも重い罰を受けたと見る事もできる(後に丈が他二人と一括りに「救うことができなかった」と述べたのもうなずける。もっとも、科学アカデミアが彼を普通の人間に戻す研究を行っている可能性は否定できないが)。
もっとも、死ぬのと死ねなくなるのどちらがマシかという話ではあるが。