針聞書とは、永禄11(1568)年10月11日、摂津の国(今でいう大阪府)の住人・茨木元行によって書かれた東洋医学書。
概要
古来、日本では感情や行動は虫(寄生虫)が引き起こすと考えられており、永禄の時代には泣き虫や弱虫なども立派な寄生虫学として研究されていた。
この医学書はそういった虫達の外見や特徴がカラフルかつ独特なデザインで描かれている。
当時の時代からすれば非常に真面目なものなのだが、現代の人間が見るとただの妖怪大全にしか見えない。
ただし、これだけ多くの虫が描かれている資料は日本では珍しく、非常に価値のある書籍である。
現在は九州国立博物館に収蔵されており、『針聞書』のハラノムシたちをモチーフにしたグッズもミュージアムショップで販売されている。
ちなみに
このように「様々な虫が掲載されている本」として認識されているが、本来は針灸に関する医学書である。
一覧
悪虫 / 欠伸の虫 / 汗の虫 / 胃積 / 陰気 / 陰の亀積 / 馬癇 / 胞衣の血積 / 大酒の虫 / 悪血 / 霍乱の虫 / 陰虫 / 笠虫 / 風邪の虫 / 噛み寸白 / 肝積(肥気) / 肝の聚 / 疳の虫 / 気積(きしゃく) / 気絶の肝虫 / 鬼胎 / 牛癇 / 打身の血積 / 九虫 / 蟯虫 / クツチの虫 / 桂積 / 血塊 / 黒虫 / 腰痛の虫 / 腰抜の虫 / 小姓 / 尸虫 / 小児の虫 / 心積(伏梁) / 腎積 / 腎臓のヒゲ虫 / 腎冷の虫 / 水腫 / 寸白虫 / 積聚 / 積虫 / ソリの肝虫 / 大病の血積 / 頓死の肝虫 / 鳴き寸白 / 悩みの虫 / 肺積(息賁) / 肺虫 / 腹痛の虫 / 腸の虫 / 昼寝の虫 / 賁豚 / 張満 / 脾臓の血積 / 脾臓の笠虫 / 脾臓の虫 / 病虫 / 脾ノ聚 / 耳虫 / 虫袋 / 胸虫 / 由虫 / 陽の亀積